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STORY LINEで手軽に法律トラブルの質問が可能な「ベンナビAI法律チャットボット」ができあがるまで|開発担当ディレクターインタビュー

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LINEで手軽に法律トラブルの質問が可能な「ベンナビAI法律チャットボット」ができあがるまで|開発担当ディレクターインタビュー

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2023年9月1日、アシロがリリースしたLINE上のサービス「ベンナビAI法律チャットボット」は、LINEのトーク上で法律に関するトラブルや悩みを送信をすると、AIが適切なアドバイス・回答を返信してくれます。


気軽にAIへ質問やアドバイスを求めることができて、いざ弁護士へ相談したいというときには近くの弁護士・法律事務所の検索が可能。



LINEという日常的に使用されるツール上でのチャットボットとなっていますので、これまでよりも多くの方が司法サービスへアクセスできる機能です。


近年さまざまな場面で使われるAIを、アシロではどのようにサービスに組み込んだのでしょうか。


24卒内定者インターンでありながら、早くも「ベンナビAI法律チャットボット」の開発を担当したディレクターである岩上翔海さんにお話を伺いたいと思います。


<ベンナビAI法律チャットボット友達追加用QRコード>

Q,リリースから2ヶ月が経ちましたが反響はいかがですか?

現在「ベンナビAI法律チャットボット」にて、既にトータル1,000件以上の相談(AIへの質問の投げかけ)に活用されています。


また、リリースした9月時点で実際に弁護士への問い合わせにも活用いただいており、滑り出しとしては順調ではないでしょうか。


まだまだ周知不足ですので、友達登録者数を増やしていくためにも様々な手法を開拓したいと思います。


Q,開発のきっかけを教えてください

もともとベンナビのサービスの一環として案は上がっていましたが、「弁護士ナビ」から「ベンナビ」へのリブランディングやブランド統合サイトのローンチを優先しており、着手ができていない状態でした。


そうした中で、会議で私から提案させていただいたことがきっかけで、実際に担当ディレクターとしてお任せいただきました。


元々個人としてもOpenAI社のChatGPTを利用しており、チャットサービスの飛躍的な進歩とその可能性を感じていたため、本サービスの開発を提案させていただきました。


ベンナビの競合サービスも同様のサービスをローンチしていたり、社会的にAIを活用したさまざまなサービスが利用されるようになっていたりすることも、きっかけのひとつです。


Q,「ベンナビAI法律チャットボット」はどんな仕組みなのでしょうか?

LINEと、OpenAI社の提供する自然言語処理AIモデルを掛け合わせ、「ユーザーに寄り添う」や「法律に詳しくない人でもわかるように」といった、アシロらしいユーザー志向の思考を備えた、法律関連に特化したAIモデルに改修し、回答を生成しています。


知識や情報という部分では、AIは既に学習を積んでいたり、Webそのものとつながっているので大きな問題ではありません。


それよりも、取捨選択してユーザーに伝える情報や、ユーザーの気持ちに寄り添う回答ができるかどうかが重要でした。


Q,開発にあたってはまずは何からはじめましたか?

自然言語処理AIモデルとLINEの連携を行うための第一歩として、プログラミング・専門知識を必要としない程度の簡易的なチャットボットを試しに作ってみました。


前述の通り、私自身が個人的にChatGPTを利用していたのですが、法律に関するトラブルや悩みに対して適切に回答を生成できるかのテストの意味合いでもありました。


AIによって生成された回答について大きな問題はないと判断したため、その後にエンジニアや社内弁護士と連携して各方面からの協力や助言をいただきつつ、アシロらしい思考を持った法律チャットボットの開発に取り組みました。


アシロらしい思考とは、例えば前述した「ユーザーに寄り添う」「法律に詳しくない人でもわかるように」だけではなく、後述する非弁行為に該当しないように「特定の法律事務所や弁護士を紹介しない」などがあります。


「ベンナビAI法律チャットボット」ではただ求められる情報を発信するだけではなく、「ユーザーに徹底的に寄り添ったサービスを運営する」といったアシロの理念をベースにした仕様です。


例えば、当サービスをご利用いただく方の多くはトラブルに遭われている可能性が高く、「ベンナビAI法律チャットボット」では具体的な解決策のアドバイスの前に、励ましたり寄り添ったりするような回答が生成されることがあります。


通常のAIに「家族が逮捕されてしまった」という相談をすると、逮捕されてしまった方を非難してしまうことがありますが、「ベンナビAI法律チャットボット」ではそうしたことはせず、家族間の関係性にも気を遣えるような設計を目指しました。


Q,開発にあたって苦労したポイントはありますか?

社内はもちろん、社外にも前例やノウハウが極めて少なく、Web上でもほとんど情報がないため、ゼロの状態から手探りで開発を進めていく必要がありました。


また弁護士以外が法律相談に答えることは、非弁行為とよばれ、弁護士法第72条に抵触してしまう可能性があります。


(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

引用:弁護士法|e-Gov


そこで社内弁護士と連携をとりつつ、非弁行為に該当するような回答を生成しないようにしたり、断定的な表現を避けたり、あくまで弁護士・専門家への相談の判断材料であることに徹するようにしました。


始動からローンチまでは半年程度でしたが、振り返ってみるとそのうちの半分は非弁行為へのリスクに対応していたと思います。


Q,ユーザーにはどのように利用してほしいですか?

「ベンナビAI法律チャットボット」の最大の特徴は、LINEという極めて身近なツールで利用いただける点です。


弁護士といった専門家に法律相談をしたことがある方も、そうでない方も、気軽に悩みや疑問をぶつけてほしいと思います。


一般的な民事の法律トラブルに広く対応しているので、弁護士の必要性すら検討していない段階でも、活用いただけるのではないでしょうか。


「法律相談」と銘打ってしまうと、事件が発生してから使うものとイメージされるかもしれませんが、「今夜、初めて会う異性に飲みに誘われたけど危ないかな?」といった、意思決定の参考などにも使えます。


当然無料のサービスなので、疑問や不安があるときには、惜しまず使ってほしいです。


△ 利用画面イメージ


Q,今後の展望があれば教えてください

現在、「ベンナビ」が運営している公式LINEの友達数は約5万人なのですが、「ベンナビAI法律チャットボット」も同じ規模のユーザーに利用してもらいたいです。


そのため回答の精度や使いやすさのブラッシュアップと同時に、友達登録者数を増やす施策も検討しています。


適切に司法サービスへアクセスできることが当たり前の社会を目指し、1人でも多くの方のお悩みや法律トラブルに寄り添えるように、様々な施策を展開してまいります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


【関連するプレスリリース】

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000032382.html

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000032382.html


■ベンナビについて




「ベンナビ」は、地域や相談内容を指定して、弁護士・法律事務所を検索できるサービスです。離婚・労働問題・交通事故・相続・刑事事件・債務整理・債権回収・IT・不動産の9つの分野で構成されています。専門分野ごとで独立したサービスであるため、ユーザーが抱える法律トラブルに合った弁護士・法律事務所を見つけることが可能です。

*サイトURL:https://asiro.co.jp/business/lawyer-media/


■株式会社アシロ 概要




・代表者 : 代表取締役 中山 博登

・所在地 : 東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング4F

・資本金 : 608百万円(2023年7月末現在)

・設立 : 2016年4月

・従業員数: 81名(2023年7月末時点)

・事業内容:

―インターネット上で法律情報や弁護士情報等を提供する「リーガルメディア関連事業」

―弁護士等の士業や管理部門に特化した人材紹介サービスを提供する「HR 事業」

・サイトURL:https://asiro.co.jp




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