興味深いこの製品は、プロダクトチーム“touch.plus”が開発した、タブレットボット「TABO(ターボ)」。世界で初めてタッチスクリーンと連動して動くことを可能にした、画期的な自走型ロボットだ。
“touch.plus”は、企業の垣根を超えて、スペシャリストたちが集まったという期待のチーム。その一員であり、クリエイティブディレクターの馬場 鑑平(ばば かんぺい)氏に、詳しい話を聞いた。
・仮想と現実、2つの世界に接点を持つプロダクト
Q1:まずは、「TABO」開発のきっかけから、お聞かせください。
「TABO」は、スクリーンの中のコンテンツを作ってきたバスキュールと、ハードのスペシャリスト集団であるプログレス・テクノロジーズが一緒に作り出した、最初のプロダクトです。
子どもたちが、YouTubeやMinecraftなどのスマホの画面に没入してしまっている姿を見てふと、「これは、健全な状況なんだろうか?」と疑問を持ちました。(そこで)スクリーンの中のバーチャルな体験と現実世界をなめらかにつなげた、2つの世界との接点を同時に持つようなコンテンツを提示できないだろうか、と考えたのです。
Q2:「TABO」とは、どんな製品なのでしょうか。
「TABO」は、2個のステッピングモーターにより、iPadProの広いスクリーン上を自在に走ることができます。また、底部に3点のタッチ機構を備え、自らの位置情報を常時、タブレットにフィードバックします。
この仕組みにより、スクリーンの中と、その上に物理的に乗っている「TABO」の動きを、完全に同期したコンテンツ開発が可能になります。制御は、BluetoothLE通信を用いて、iPadProなどの外部端末から行います。Swift言語に対応したSDKを用意しており、誰でもコンテンツを開発することが可能です。
・バーチャルだけに没頭しない新しい体験を提供
Q3:「TABO」を使うことで、ユーザーはどのような体験(メリット)を、得ることができるのでしょうか。
「TABO」は、エンターテイメントや教育の分野で、仮想と現実をつなげた新しい体験を提供します。
今まで、ゲームはスクリーンの中で完結していましたが、「TABO」なら、リアルな遊び相手として存在し、プレイヤーと一緒になって遊んでくれます。
プログラム学習コンテンツでは、スクリーン内だけの仮想の物体の制御よりも、「TABO」という実在のロボットの制御を通じて、トライアンドエラーを繰り返すことができます。
Q4:正式販売はこれからとのことですが、それまでの展開について教えてください。
今後は、エンジニアを対象としたハッカソンや、子ども向けコンテンツを用意して、ワークショップを行う予定です。また、クラウドファンディングによる販売を予定しています。
2月26日に開催される、“SENSORS IGNITION 2016”のエキシビション会場で、初お披露目となる「TABO」。その後の展開は、前述の通り。まずは、クラウドファンディングへの登場を待ちたい。
TABO