その夢が、現実だと認識させてくれたのがASIMOであり、さらに身近な存在として、Pepperが登場する。ロボットが、私たちの暮らしに当たり前のように溶け込むのも、そう遠い未来のことではなくなってきた。
経済産業省は、「日本のロボット産業の足元市場規模推計」において、国内のロボット市場が、2035年には9.7兆円に成長すると予測。今後、ますます成長が見込まれるロボットは、日常生活のみならず、マーケティングの分野でも、活用が期待されている。
その先陣を切るかのように登場したのが、「ロボットスタート広告」だ。ロボットの急速な普及とロボットユーザーの拡大、アプリ開発者に対する利益還元を踏まえて考案。ロボットアプリケーションに広告配信SDKを組み込み、ユーザーに無料で利用させながら、センサーを駆使して、適切なタイミング・シチュエーションで広告表現を行うという、まったく新しいマーケティングサービスである。
広告メディアの新たな可能性に挑戦するのは、昨年始動したばかりの企業、ロボットスタート。その準備を前に、大忙しの同社取締役副社長、北構 武憲(きたがまえ たけのり)氏から、お話を伺った。
Pepper登場を機にロボット事業の可能性を実感
Q1、まずは、今回のサービスを提供するに至ったきっかけと経緯について、お聞かせください。
昨年、2014年6月5日に、ソフトバンクの孫さんによる、pepper初披露(ロボット事業への参入)の記者会見を見たのがきっかけです。
そこから俄然、ロボットへの興味が強くなってきたのですが、決定打は、「Pepper Tech Festival 2014」に出席したことでした。イベントで実機のPepperを見て、今後ロボットは一般化していくと改めて実感し、ロボットに関する事業をやろうと、そのとき創業メンバーで決意したのです。
元々創業メンバーは、アドテクノロジーの企画開発にも、携わっておりました。「ロボット広告」という、新しい分野にチャレンジすることになったのは、そのためです。
Q2、ロボット広告サービスの拡大をめざすにあたり、他の媒体同様、広告ガイドラインを設けるとのことですが、これからどのようにして、基準を定めていかれるのでしょうか。
今後ロボットは、主に家庭、オフィス、店舗等への導入が増加すると、私たちはイメージしております。
家庭においては、お子さまからお年寄りまで、幅広い年齢層が広告を見る可能性があり、オフィスや店舗の場合は、不特定多数の人々の接触が想定されます。これら幅広い利用シーンを考慮し、慎重にガイドラインを固めていきたい、と考えております。
多彩な表現で広告展開。ロボット普及に向けてサービスを日々進化
Q3、広告は、どのような形で配信されるのでしょうか。
現時点で、実際に想定している広告配信イメージは、写真の通りです。
スタート当初は、指定キーワードをユーザーが発言したときに、身振り手振りを交えてしゃべる「ロボット音声連動広告」、ロボットのアプリ起動時と終了時に、特定のタイミングで身振り手振りしながら話す「ロボットインタースティシャル広告」、ロボットの画面を使っていないアプリを対象に、特定の画像を表示させる「ロボットディスプレイ広告」の、3商品から行う予定です。
その後はアプリ開発者・広告代理店・広告主のニーズを吸い上げ、日々広告商品を進化させていきたい、と思っております。
Q4、ロボット広告サービスをどのように育てていきたい、とお考えですか?未来への展望についてお聞かせください。
私たちの創業ビジョンは、「ロボットの普及を通じて、人類の発展に貢献する」です。ロボットアプリ開発者を支援しつつ、ロボットの発展とともに、私たちの広告サービスを成長させるよう、頑張りたいと思います。
当社の広告サービスで、アプリ開発が活発になり、結果的にロボットの普及に弾みがつくお手伝いができれば、これほどうれしいことはありません。
ロボットスタート広告