テクノロジーと音楽の祭典『 INNOVATION WORLD FESTA (イノフェス)2017』が2017年6月3日(土)に茨城県つくば市で開催されました。主催はラジオ局のJ-WAVEで、ロボティクスなどの先進テクノロジーを扱う研究室や企業による展示、ジャーナリストの田原総一朗さん、津田大介さん、実業家の堀江貴文さん、宇宙飛行士の山崎直子さんらが参加するトークセッションなどが行なわれていました。
会場建物の入り口付近の様子はこんな感じ。
イノフェス2017:展示ブースハイライト
会場となった「つくばカピオ」の建物とその周辺には「テクノロジーアトラクション」と呼ばれるエリアがあり、筑波大学の研究室などが出展するブースがありました。
・あの"タチコマ" に乗れる!
会場でひときわ目を引くのは、SF作品『攻殻機動隊』シリーズに登場する思考戦車 "タチコマ" を模した『メディアビークル』という車両。こちらの人を乗せて走れる"タチコマ" を製作したのは『攻殻機動隊 REALIZE PROJECT』に参加している岩田洋夫教授の研究室です。
車内からVRゴーグルを通して車体前方のカメラが捉えた映像を見られるようになっており、専用のスティック型コントローラーで操作できます。
実際に "タチコマ" に乗車して、走る様子は以下のムービーでご覧ください。
#イノフェス2017
リアル "タチコマ" に乗りました! pic.twitter.com/7D60lxPLut
— たてさん : Mr.Tate (@masahiratate) 2017年6月3日
試乗してみた印象は、なんとも言えない奇妙な感覚。まるでゲーム画面のようにゴーグルに映る世界が「車外の現実」という状況は、ゲームと現実の境目にいるようで不思議な体験でした。
・巨人となり、進撃せよ!
「人が身長5mの巨人に拡大されたとしたら、どのような身体感覚を得るのか?」という問いに、実際の体験で答えを出すために作られたロボットがこの『Big Robot Mk1A』。
操縦者はロボットの上部に直立して搭乗し、自分の脚を動かすとロボットがそれに反応して前進する仕組みです。
乗ってみた様子は以下の通り。だいたい、陸橋と同じくらいの高さの場所に立つのでかなりの怖さ……。
実際に歩いている様子がサクッと見られるムービーはこちら。乗っている本人は見た目以上に揺れと傾きを感じているので、恐る恐る進んでいます。
#イノフェス2017
5メートルの巨大ロボに乗って歩いてみた! pic.twitter.com/XH3bq8NGWa
— たてさん : Mr.Tate (@masahiratate) 2017年6月3日
なお、このロボットは車輪を備えているため厳密には「2足歩行型」ではありませんが、前進の際に上体が脚を踏み出した方向に傾くので「5mの体で歩く」感覚がなんとなく味わえました。
装着者の意思で柔と剛を操作できる防御スーツ
人垣の中にいる黒い服の男性が身につけているのは、腕や胴の周りに張り巡らせたチューブをガスの圧力で硬化させることで装着者の肉体を防護するように作られた『Cyber Protection Suit』。このスーツを製作したのは『攻殻機動隊 REALIZE PROJECT』の攻殻ハッカソン東京大会の優勝チーム"Shift"です。
通常時は装着者の動作を妨げないようにチューブは柔らかい状態を保っていますが、防御姿勢をとる際に筋肉が発する「生体電位」の変化をセンサーが感知するとチューブが硬くなり衝撃を跳ね返す仕組みとなっているそうです。
腰に装着したボンベから、チューブを硬化させるためのガスを送り出しています。将来的にはこのチューブをケブラーなどの特殊繊維製にすることで、より高い防御力を発揮することも可能とのこと。
・ジェスチャーで奏でる音楽
PC上で動作する『KAGURA』はウェブカメラで捉えた"演奏者"の映像にあわせて音を出すデジタル楽器プログラムです。
手をかざして、空中のアイコンを触れるような感覚で操作をすると、音が流れたり音量やテンポを変化させたりできます。
イノフェス2017:ステージハイライト
イノフェスアリーナ会場では、各界の著名人を招いたトークイベントが開催されていました。
<宇宙飛行士と実業家が宇宙産業への思いを語る>
ジャーナリストの津田大介さん(左)をモデレーターにむかえ、宇宙飛行士の山崎直子さん(中央)と実業家の堀江貴文さん(右)が「宇宙とイノベーション」をテーマに対談を行ないました。
宇宙飛行士としての経験を持つ山崎さんは「今、航空宇宙ビジネスに参入する日本のプレイヤーが増えてきていると思う。いずれ、日本から有人宇宙飛行士が出る未来をつくりたい」と語り、自身の会社でロケット開発を行なっている堀江さんは「ロケット産業に関わる人は今、熱狂しています。スペースX(ロケット開発を行う米国のベンチャー企業)に行くと、本当にあぁ、やばいって感覚になる」と熱く語っていました。
・本音炸裂の爆発炎上トーク
ジャーナリストの田原総一朗さん(中央)と堀江さん(右)が手紙で寄せられた学生からの質問に答えるトークセッションは終始なごやかムード。
テクノロジー系のイベントらしく聴衆のリアクションに合わせて「背景のイラストが爆発する」という仕掛けがされており、両氏の「問題発言」に会場が沸く度に文字通り「爆発炎上」が起こる趣向に大盛り上がり。
予定の質問以外にも、堀江さんが「選挙に出なかったら逮捕されなかった、と言われたんだけどホントにそうなんすかね?」と聞くと、田原さんが真顔で無言になり、堀江さんが「……そうなんだ(ホントなんだ)」とつぶやくなど、真面目なのか不真面目なのかわからないトークを展開し、会場の笑いを誘っていました。
なお、イベント当日の夕方から夜にかけては小室哲哉さん、きゃりーぱみゅぱみゅさんらによるライブが実施されましたが、ステージは撮影不可だっただめ本記事に記載はありません。
【筆者】たてさん: Mr.Tate|YouTube(1)|YouTube(2)Twitter|Facebook|Instagram|