国際電気通信連合(ITU)によると、2015年時点で、インターネットを利用している人は32億人で、そのうち20億人は、発展途上国で生活する人々だ。
私たちは、家族・友人・知人らとのコミュニケーションから、求人情報や賃貸情報など、生活にまつわる様々な情報収集、送金手続まで、日常のあらゆるタスクを、モバイル端末で実現している。
・ソーラーで発電した電力をモバイル端末の充電に無料開放
英エディンバラ大学の学生プロジェクト「Elpis」は、中東などから多くの難民が流入しているギリシャで、モバイル端末用ソーラー充電スタンドの設置をすすめている。
このスタンドでは、太陽光パネルで10時間にわたって発電。この電力を難民に無料で提供し、モバイル端末の充電に活用する仕組みだ。
モバイル端末12台分の充電プラグが装備され、1日あたり240台ものモバイル端末を充電できる。
「Elpis」では、これまでに、ギリシャの首都アテネとレスボス島に、ソーラー充電スタンド1台づつ設置。さらなる増設を目指し、2016年5月から、4000英ポンド(約62万円)を目標に、クラウドファンディングを実施している。
・難民のライフラインをソーラー発電で支える
ギリシャには、2015年に85万人を超える難民が流入し、2016年1月以降も15万人以上が難民として入国している。過密化する難民キャンプでは、十分に電力が行き渡っていないのが現状だ。
「Elpis」は人道的な見地から、太陽光エネルギーを有効活用し、難民の“ライフライン”ともいえるモバイル端末のための充電インフラを整えようとしている点が秀逸といえるだろう。
Project Elpis