多くはベンチャーやスタートアップによるものだが、最近は技術革新のために、大手企業の存在が、欠かせなくなってきている。
スタートアップの支援や社内起業家の発掘など、その手段はさまざま。いずれにしろ、柔軟な発想を強力な基盤によってサポートする手法が、IT業界のトレンドとなりつつあるようだ。
今回ご紹介する「MESH」も、その1つ。ソニーの新規事業創出プログラム (Seed Acceleration program)から生まれたこのプロジェクトのテーマは、7種類のタグとアプリを使って、日常生活を豊かにするというもの。
ソニー、新規事業創出部 MESH projectリーダー、萩原 丈博(はぎわら たけひろ)氏が、取材に応じてくれた。
・生活の中の“あったらいいな”を実現するツール
Q1:まずは、プロジェクト発足のきっかけから、お聞かせください。
ちょっとした生活の工夫を、テクノロジーを使って、誰もが簡単に実現できるようにならないか?そんなことを考えて、スタートしました。
例えば、朝の目覚まし時計を止めるために、洗面所へ向かう。それなら、目覚まし時計のストップボタンだけを、洗面所に貼りつければいい、など。
身近なアイデアを誰もが簡単に実現できて、文房具のように手軽なのに、実はハイテクでもある。そんな作るツールを生み出したいと思い、開発に至りました。
Q2:「MESH」とは、どんな製品なのでしょうか。
さまざまな機能を持ったブロック形状の電子 "MESHタグ" を"MESHアプリ"上でつなげることにより、あなたの「あったらいいな」を実現できるツールです。
難しいプログラミングや、電子工作の知識は必要ありません。無線でつながり、気軽に身の回りのものに貼り付けることで、IoT(モノ・コトのインターネット化)を活用した仕組みも、簡単に実現します。 子どもから大人まで、作る楽しみを体験できるツールです。
・ユーザーのアイディアを大勢で共有できる仕組みを作りたい
Q3:「MESH」は、人々の生活にどのような変化をもたらすのでしょうか。
誰でも「あったらいいな」と思うシチュエーションを、楽しみながら作り出す。そして、それが生活にちょっとしたプラスを与えてくれる。このようなことが、当たり前にできる未来が訪れると考えています。
「MESH」を身の回りのものと組み合わせれば、目の前の風景が命を吹き込まれたように拡張され、日常をワクワクしたものに変えていきます。
(「MESH」によって)世界中の人が、ワクワクしながら各々の工夫を実現し、多様で創造的な社会に貢献していくことを期待しています。
Q4:今後の展開について、教えてください。
いろいろな方が、「MESH」を使って作られたものをシェアするような取り組みを考えています。
すでに、「MESH」のユーザコミュニティや、夏に実施したコンテストでも、たくさんのワクワクする楽しいアイデアが、形になっています。
私たち開発メンバーですら驚くようなアイデアも、たくさんあります。今後はそうしたアイデアを、より多くの方が簡単に共有できるような仕組みを、作っていくつもりです。ご期待ください。
ワークショップやフェアでも、大きな反響を得ている「MESH」。老若男女問わず、誰でも手軽に扱えるところがポイント。何を作るかはすべて、あなた次第だ。
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