そこで、機内持ち込み可能サイズの幅と奥行きに準拠したスリムさはそのままに、高さを持たせることで一般的に中型サイズと呼ばれるスーツケースと同容量の48リットルを確保したスーツケースが発売されたのをご存知だろうか?パソコンと周辺機器を詰め込んで、出張用のスーツを入れても十分な大きさを実現している。
ビーズ株式会社の商品企画部商品企画3課、岩瀬雅子(いわせ まさこ)氏に話を聞いた。
Q、bessed「スリムスーツケース」とは、どのような製品ですか?
「宿泊日数3~6泊に対応可能な容量50Lクラスなのに、A4サイズの横幅程度の細さのスーツケースです。車の後部座席、電車のドア横スペース、新幹線の座席など、あらゆる狭い場所にぴったり収まります。飛行機では受託手荷物扱いになりますが、自動改札の通り抜けやエスカレーターでの移動もスムーズです。」
・きっかけは通勤ラッシュの『邪魔だな』
Q:そもそもどのような経緯でこの製品を開発する事になったのでしょうか?
「本製品の開発のきっかけは、通勤ラッシュの車内に大きなスーツケースを持ち込むときに、自分自身が申し訳ない気持ちになったことでした。一方で他人がスーツケースを抱えて乗車してくると『邪魔だな』と思ってしまうこともよくあるなと気付き、同様の思いをしている人が多くいることをSNSなどでも知りました。
『もっとスリムなスーツケースがあったら皆気を遣ったり不満に思ったりしなくて済むのに』と考え、本製品をリリースするに至りました。
開発当初はいろいろアイデアを出したのですが、ユニークさと『邪魔にならない』というコンセプトの両立に苦心しました。そんな時、アーチェリーのケースを持っている方を見かけて、これだ!と思い、一般的な旅行で使用できる細長いスーツケースを作ろうというアイデアが固まりました。」
・出張、旅行やテニスやシュノーケリングにも!
Q:この商品を開発中、苦労した点はありますか?また、ユーザーにはどのように使って欲しいですか?
「なにより、参考になる製品が市場になかったため、サイズ感をつかむのが一番苦労しました。スーツケース売り場で『この高さでこの幅で…』と製品の仕上がりをイメージして動いていましたが、傍から見ると一人ジェスチャー大会。周りの方からは”怪しい動きをする人”に見えていたのではないでしょうか。
テニスラケットやダイビング・シュノーケリング用のフィン、スケートボードなど長尺物が入る設計にしましたので、今までそのようなものの運搬に困っていた方に是非試していただきたいと思います。
またこれらのようなアウトドアギアだけでなく、フィギュアやプラモデル、ドールなど、運搬の際取り扱いに注意を払う必要のあるものを運ぶのにもおすすめです。
電車の車内だけでなく、駅構内やホームでの運搬に便利なように設計しましたので、特に新幹線や電車、バスなどでの移動の多い方にも使っていただきたいと思います。」
Q:特に機内持ち込みなどの小型のスーツケースは、壊れやすいデメリットがあります。耐久性の保証はありますか?
「軽さと強さを併せ持つABS+PC(ポリカーボネート)を本体に採用しているため、スーツケースとしての耐久性は十分にあります。ABS製のスーツケースは価格は安いのですが重量が重くなり、PC製のスーツケースは重量が軽く剛性が高い代わりに価格も高いというデメリットがありました。
今回のスリムスーツケースには、これらの素材を混ぜ合わせたABS+PCを使用しています。スーツケースやキャリーなどにおいては最近主流になりつつありますが、ABS+PCは従来のABS製より軽量で剛性に優れ、PC製より安価に仕上げることが可能になりました。」
Q:御社の「bessed」ブランドから発売予定の新しい商品などを教えてください。
「『bessed』では、「毎日にプチ☆キラ」をコンセプトに掲げ、これがあれば生活がちょっと楽しくなる、ちょっと便利になる、ちょっと友達に自慢したくなる製品をリリースしています。
現在トラベル用品に特に力を入れており、今回紹介した「スリムスーツケース」に続き、他にもそのままクローゼットを旅行先へ持っていけるスーツケースなどの発売を予定しています。」
bessed(ビセッド)スリムスーツケース
bessedブランドホームーページ
(Writer: Saera Jin)