アメリカのテネシー州にあるVanderbilt Universityの研究チームが開発したこのアプリは、“発砲が発生した地点”を検知する。そもそも“発砲”というものは、周辺の外音とは区別される“特異な音”が発生するもので、発砲されるごとに起こる“砲口爆風”音は、徐々に広がっていき、弾丸の動きとともに“特徴ある衝撃波”が生み出される。このような“発砲の特質”をもとに、研究チームは発砲を追跡するシステムづくりに取り組んだ。
アプリと連動する外部センサーモジュールが用意され、これには砲撃を感知する“高感度マイク”が搭載されている。このマイクが銃撃の方向、距離を計測して、Bluetoothを経由してスマートフォンに情報を送信し、マップ上に検知した銃撃の発生地点を表示する。このシステムでは2バージョンの形態が用意されており、1つめは、高感度マイク1つに対応するパターンで、およその発砲地点を把握できる。もう1つは、全部で6つの独立したモジュールに対応したもので、各自が別々に行動するチームメンバーが、銃撃地点をより詳細に特定できるというものになっている。
「Tracking gunfire」のシステムは、警察官や兵士といった専門職が利用することはもちろん、一般市民が自衛のために用いることもできるだろう。この技術は、火災の爆発発生地点や、地震の震源特定など、別の用途にも幅広く応用されていくことが期待される。
Tracking gunfire