消費者にとって万全なロボットが市場に出回るには今後3~4年かかるとみられ、それまでに、ほんとに有用なことができる機能を開発しなければならない。
そのためにはまず、多くのプログラマーが、それぞれの環境で役立つアプリを制作するステップを設ける必要があり、強力なツールと機能を備えたロボットをまずは彼らの手に…ということだろう。
・手ごろな価格で強力な機能とツールを
ロボティクス技術に精通したエンジニアでなくても、普通のプログラマーが、既成ロボットに搭載する高度な機能を活用できるようになったことはとても喜ばしいことだ。しかも手ごろな値段で。ちなみに、Misty Iの価格は1499ドル(約16万7000円)とのこと。
「家族や職場の同僚、ペットを検出してアクションを起こす」「SNSの投稿やニュース、小説の読み上げ」「スマートホームを制御」…などロボットにしてほしいことは無数にあり、用意されている強力なツールや機能を利用してこれらを実現していくのが、常におもしろいことにチャレンジするプログラマーの役割となる。
JavaScriptにより、グラフィカルなプログラミングツールの「Blockly」を使って開発でき、画像認識や音声認識、自律ナビゲーションに関するAPIが利用できる。
・ビームフォーミングマイクや深度センサーを搭載
高さ18.8cmの小型ロボットMisty Iには高度なツールが凝縮されている。
HDカメラを使って物体の認識および顔認識、顔の追跡などがおこなえるほか、クアルコム(Qualcomm)開発のビームフォーミングマイクを使用して音を検出してそれがどちらからくるかを特定できる。また、物体の浮遊時間を測定するセンサーは障害物回避に利用できる。
SLAM(環境地図作成技術)関連の開発をするOccipitalとも協力しており、同社の開発する構造センサーを搭載。能動的な深度センサーによりマッピングと自分の位置の特定がおこなえる。
高品質のスピーカーやディスプレイ、LEDといった出力デバイスを備え、USBポートとシリアルポートも搭載しているので拡張性もバッチリだ。
次世代となる「Misty II」が中国のメーカーの協力のもと、すでに開発・生産が進められており、Misty Iを通して開発されたアプリも活かされることだろう。
プログラマーの集合知をうまく利用するMistyが、ロボット版Amazon Echoとなるかもしれない。
参照元:CES 2018: Misty Robotics Introduces Misty I, a Mobile Robot Developer Platform/IEEE SPECTRUM