しかし、ここに問題が1つ。マネキンたちの体型は、どれもハンで押したようにパーフェクト。同じものを着て似合うかどうか、見ただけで判断することは、決してできないのだ。
そんな課題にいち早く取り組んだのが、世界のトレンドセッターとしても知られる香港。理工大学テキスタイル研究所によって、自由にボディ形状を変形できるロボットマネキン「i.Dummy」が開発された。
・世界各国の膨大なサイズデータを元に開発
アメリカ、ヨーロッパ、日本、中国から収集した膨大なボディサイズのデータをベースに、製作された「i.Dummy」。
ウェブツールと連動し、クリックするだけで、体の形を自由に変えられるようになっている。任意のサイズはもちろん、あらゆる民族のほぼすべてのボディタイプに適応。わずか8秒で望む通りの体型が、そこに現れるのだ。
・アパレル業界が直面する問題も解決
人体計測とメカトロニクスの専門家チームによる、緻密な研究結果が結実した本プロダクト。彼らいわく、このマネキンによって、アパレル産業の常識ががらりと変わるのだという。よりユーザーフレンドリーな接客が可能になる上、これまで倉庫に抱えていた大量のマネキンの在庫も、一掃できるからだ。
「i.Dummy」はアジアアワードの他、23の国と地域で数々の賞を受賞。商用目的だけではなく、ファッションを学ぶ学生のための教育ツールとしても、大いに期待されている。
i.Dummy