飼い主は四苦八苦し、少ない選択肢から妥協せざるを得ない状況が続いている。
そうした問題を打破するために生まれたのが、この「DogHuggy」だ。
旅行や外出で、ペットの世話ができない飼い主と、近所の飼育経験豊富なドッグシッターとの出会いを作る、日本初の本格的な愛犬家マッチングプラットフォームサービスである。
高校生3年生で、このサービスを立ち上げたDogHuggy、代表取締役の長塚 翔吾(ながつか しょうご)氏。若き起業家の目に、国内のペット産業は、どのように映っているのだろうか。
・普段と変わらないのびのびした環境に預けられる
Q1:まずは、「DogHuggy」提供のきっかけと経緯から、お聞かせください。
僕は、獣医大学の附属高校で獣医学を学んでいましたが、「動物福祉」という授業があり、そこで日本の動物福祉の現状を知りました。
それから詳しく調べてみると、日本はまだまだペットに対する環境が整備されておらず、海外に比べて大きく遅れた、「どうぶつ後進国」であることがわかりました。
幼い頃から動物が大好きだった僕は、こうした現状をどうにかしたいと思い、まずは多くの飼い主が困っていることを、解決しようと考えました。そこで着目したのが、犬を預ける際の問題です。
既存のペットホテルには、環境のあまりよくない施設が多いにも関わらず、飼い主は旅行など外出の際、犬を預けなくてはなりません。
そこで、「仕方なくペットホテルに預けるのではなく、もっと良い方法で預けることができるのではないか?」というところから、現在のサービスの原型となる構想を練り、高校3年の秋(2014年9月)から、活動を開始しました。
Q2:「DogHuggy」とは、どんなサービスなのでしょうか。
旅行や外出などで、ペットの世話ができない飼い主と、近所の飼育経験の豊富な愛犬家を、マッチングするサービスです。
「DogHuggy」を利用することで、ペットホテルのようにケージに閉じ込めるのではなく、普段と変わらない、のびのびとした環境に預けることができます。
Q3:「Rover」や「DogVacay」を筆頭に、海外では注目の愛犬家マッチングプラットフォームがいくつか存在します。これらとの差別化ポイントは、どこにあるのでしょうか。
日本にローカライズした、という点です。日本人はサービスに対し、慎重な傾向があると考えておりますので、説明会などを定期的に開催し、サービスを利用される方と直接お会いしながら、安心感を持っていただけるように、工夫しています。
・国内普及の鍵は「安全」と「安心感」
Q4:世界的なペット大国であるにも関わらず、日本ではまだまだこうしたサービスが少ないようです。国内でペット関連サービスを普及させる鍵は、どこにあると思われますか。
日本と海外とでは、ペットに対する考え方が異なっています。
日本では、ペットは家族という考え方が主流です。そのため、安心感や安全を徹底して、サービスを作っていくことが、とても重要だと考えております。
Q5:今後の展開について、教えてください。
まずは飼い主がすぐにホストを見つけられるよう、ホスト数の拡大に努めるとともに、イベントやセミナーなどを開催し、知識の普及を図っていこうと考えております。
また、猫向けのサービス展開も視野に入れ、サービスの拡充を行っていくつもりです。
現在は、事業に専念しているという長塚氏。サービスを通し、さまざまな活動を行うことで、日本の動物福祉の向上に貢献していきたい、と語る。
「Rover」「DogVacay」を超えるサービスとなるか、今後の展開に期待したい。
DogHuggy