行先は決まっていなくてもいい。「とにかく、どこかへ行きたい」という、漠然とした要望に対して、最適なおでかけ先を提案するニュータイプのガイドサービスである。
提供元のゾイシアは、これまでに培った各地域との密なネットワークを生かし、今回のサービスに踏み切った。経緯や制作に纏わる裏話など詳細について、代表取締役、藤原 一成(ふじわらいっせい)氏に伺う。
全国各地域との密なネットワークから生まれたサービス
Q1、本サービスを提供するに至った経緯について、お聞かせください。
弊社では2013年より、全国の農家さんと共同で、バーチャル農業体験が楽しめるiPhone向けアプリ「さんちょく!」を運営しております。
「さんちょく!」の運営を通して、地域振興ネットワークとの親交を深めていくうち、農業に留まらず、より広く日本が持つ魅力的な地域コンテンツを紹介していきたいとの思いを抱くようになり、観光というテーマを扱うことになった次第です。
Q2、従来の観光情報サービスとの違いは何でしょうか?
大きく3点あります。 一つは「曖昧検索」です。従来の観光関連サービスは、目的地が決定している場合には非常に便利なサービスですが、目的地が明確になっていない場合、つまり、検索ワードが決まっていない状態では、十分な情報提供ができていないのが実情です。
その点、「docca」なら、行先をはっきりさせる必要はありません。「海を見たい」「温泉でゆっくりしたい」など、なんとなく抱いているお出かけの願望から具体的な目的地を見つけていただけるサービスをめざしています。
二つ目はスマートフォンに最適化したコンテンツ構成であること。スマートフォン普及が高まる現在、目的曖昧状態なユーザーにも、ただスマートフォンをいじるだけで、気軽に楽しんでいただける入口コンテンツを用意することが重要となります。「docca」では検索はもちろん、雑誌感覚で楽しんでいただけるような、地域紹介コンテンツの充実を図っております。
最後は、地域振興ネットワークを基盤とした、各地の地元民協力による地域紹介コンテンツが充実している点です。弊社ではこの有用なネットワークを生かし、自治体を含む各地の提携パートナーから地域紹介コンテンツをご提供いただける仕組みを準備しているところです。
サービスを通して地域活性化に貢献したい
Q3、膨大なコンテンツ量ですが、社内スタッフさんだけで作られているのでしょうか?
こちらについても、各地の観光プラン等においては、全国の協力パートナーさんの尽力が大きいですね。おかげさまで、社内リソースだけでは賄いきれないコンテンツ量を当初より実現することができました。
こうした地域振興に前向きなパートナーの方々と、今後も良い関係を保ちつつ、各地域の強味を押し出し、思わず出かけたくなる「どこか」をどんどん紹介していきたいと考えております。
Q4、今後の展望について、教えてください。
前述の内容と重複しますが、今回のサービスの基盤は、地域ネットワークとの強い連携にあります。
「docca」ではそのネットワークを元に、自治体を含む地域関係者が地域の魅力を十分に紹介するための場を準備している最中です。今後は地域の観光情報配信プラットフォームとして、各地の協力者がキュレーター的に、コンテンツ制作配信するための仕組みを整えていくつもりです。
当面は独自コンテンツの拡充と、それを効果的にユーザーへ伝える仕組みを整えていきます。「docca」を利用することで、今まで知らなかった魅力的な「どこか」をユーザー自身が知り、地域へ足を運び、日本の面白さを知り、それが最終的に地域全体の活性化へ繋がってくれればと、そう願っております。(中略)
おでかけ観光旅行ガイド docca(ドッカ)