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Release 保育士は幼稚園・小学校教諭で代替できるのか~200人の現場の声~

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保育士は幼稚園・小学校教諭で代替できるのか~200人の現場の声~

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幼稚園教諭や小学校教諭も保育士として認可保育所で働けるようにする…厚生労働省が待機児童の解消に向け、方針を発表したことについて、今回は保育士を中心とする200名の読者さまにご意見を伺いました。

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス【保育のお仕事】(http://www.hoiku-shigoto.com/)を展開する、株式会社ウェルクス(本社:東京都墨田区両国)は、読者を対象に行ったアンケートに基づいた独自のコンテンツを発表いたしました。

これは厚生労働省が認可保育所で幼稚園教諭や小学校教諭も保育士として配置ができるようにする方針を発表したことを受けて、保育士として働く読者を中心に賛否を伺ったもので、現場で働く保育士の真剣な意見が伺える内容となっています。

■調査の概要(一部)
厚生労働省は2015年11月16日、認可保育所で幼稚園教諭や小学校教諭も保育士として配置ができるようにする方針を発表しました。具体的な案としては預かり人数や年齢に応じて定められている保育士の配置人数の3分の1まで、幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭などで代替できるようにすることが提案されており、厚労省は来年度の実施を視野に検討を進めているとのことです。

この方針について、主に保育業界で働いている読者の皆さまはどのように感じるのか、その賛否を伺ってみました。すると反対と回答した方が半数を超える53.5%、それに対して賛成と回答したのはわずか11.0%という結果になりました。
画像1:



今回ご回答いただいた読者の皆さまは、その82.5%が保育士の方です。そのことからも、現場において多くの方がこの方針に何らかの不安や問題を感じていらっしゃることが伺えます。

◆反対派のご意見
この方針に「反対」と回答された皆さまに、その理由を複数回答で伺ってみました。すると最も多く寄せられたのが「保育士、幼稚園教諭、小学校教諭それぞれに必要な知識やノウハウは異なると思うから」で95票、次いで「保育士不足の原因は他にあると思うから」が90票、「問題の根本的な解決にならないから」が80票となりました。

またその他「保育の質が下がると思う(56票)」「保育士という職種そのものの価値が下がる(51票)」といったご意見も寄せられました。
画像2:



【自由回答でいただいたたご意見】
・小学校教諭が保育の仕事をするのは少し難しいような気がする。(40代/女性)
・足りないから代替するよりもなぜ保育士が足りないのか考えてほしい。目の前の問題だけを見て解決するのではなく、根本的な原因を探ってほしい。(30代/女性)
・ますます保育士の立場が低くなる気がする。代わりで成り立つと世の中に思われるのではないか。国は保育士をなめているからそういうことが軽々しく言えるのでは?(30代/女性)


◆賛成派のご意見
続いてこの方針に「賛成」と回答された皆さまに、理由を伺ってみました。回答で最も多かったのは「保育士以外のさまざまな知識を持つ人材が、保育に携わるのは良いことだと思うから」で18票、次いで「保育士の人材不足解消に役立つから」が16票、「小学校入学に向けたカリキュラムの検討など長期的な視点を保育に取り入れることができるから」が14票となりました。

画像3:

色々な方が保育の仕事をするのは良いと思う。ただ、子どもと遊んでいればいいと思って入ってきて欲しくない。保育園の良さをなくさないで新しい風を入れることができるような働きかけをして欲しい。(40代/女性)


◆どちらとも言えないと回答した方のご意見
また、どちらとも言えないと回答された方のご意見も伺ったところ、「保育士資格を取得する前提で雇用するなど条件が必要だと思う(83票)」「運営状況などで規制緩和をすべき施設とそうでない施設を決めるべきだと思う(48票)」などの声が多く寄せられました。また他の資格保有者がどの程度の知識を持っているのかわからない、幼稚園教諭や小学校教諭の業務に対してしっかりと理解していないので何とも言えない、というご意見も挙げられました。


◆保育の仕事をもっと知って…保育士が行政に伝えたいこと
最後に、読者の皆さまが今回の方針発表を含め、行政の待機児童解消、保育士不足への取り組みについて感じることを自由回答で伺ってみました。ほんの一部ではございますが、その内容をいくつか抜粋してご紹介しましょう。

〇現場の声にもっと耳を傾けて…
なぜ、保育士が不足しているのかよく考えてほしい。資格を持っている保育士がなぜこんなにたくさんいるのに保育の職に就かないのかを考えるべき。まずは現保育士の処遇改善。そこに努めてほしい。新しい、上手くいくか分からない政策を簡単に次から次に出すのではなく、今現場で働いている私たちをまずは救ってほしい。いったいなんのための保育士資格なのだろうか?現場で働いている保育士の声にもっと耳を傾けてもらいたい。(20代/女性)

〇保育の質を大人の都合で下げてはいけない
人生の始まりである乳幼児期は自己肯定感を育む大切な時期。子ども一人一人の自立心の芽生えや土台を培うこの時期に、大人の都合や社会の合理化を押し付けて保育の質を下げてはならないと思う。(50代/女性)

厚生労働省は今回の対策を、あくまでも期間限定の緊急対策としていますが、有識者討論会では、保育関連団体から、保育士の確保や定着率向上のためにも処遇改善を目指すべきとの指摘も多くあったそう。また今回のアンケートでも「労働環境の改善を優先してほしい」「働く人の意見に耳を傾けるべきだ」「現場をもっと良く知ってほしい」などというご意見が非常に多く寄せられました。

保育の仕事は大変やりがいの大きい、社会的にも必要不可欠な仕事です。しかしそういった”やりがい”だけでは保育士さんが自身の生活や大切な家族を守ることは到底できません。今は保育士さんの献身的な努力と忍耐によって保育が支えられている一面がありますが、このままその状況に甘んじて良い訳がありません。行政がこういった現場の切実な声をもっと真剣に受け入れ、日本の将来を担う子どもたちを育てるという重要な職務に対して、適切な処遇と労働環境を提供するよう、尽力を惜しまないことが大切だと切に感じます。


■記事に関する詳細
【表題】保育士は幼稚園・小学校教諭で代替できるのか~200人の現場の声~
【URL】http://www.hoiku-shigoto.com/report/news/malenurse-substitute/

■アンケート調査概要
・実施期間:2015年11月18日~11月26日
・実施対象:
保育士(82.5%)・幼稚園教諭(19.4%)
その他保育関連業務(4.4%)・学生(7.5%)・その他(11.3%)
・回答者数:200人(平均年齢:38.5歳)
・男女割合:女性/95%・男性/5%

■保育のお仕事とは?
保育士、幼稚園教諭専門の転職支援・適職紹介サービスです。主に転職や復職にて、保育園や幼稚園で働きたい保育士さん・幼稚園教諭さんと求人中の施設・事業所とを仲介する形で、復職・転職を全面的にサポートしています。公立保育園、私立認可保育園、認定こども園、準認可保育園、託児所、学童保育、病院内保育、企業内保育、託児所など、幅広い就業先をご用意しています。その他、保育に携わるうえで役立つ情報を【保育のお仕事レポート】を通じて紹介しています。
【URL】http://www.hoiku-shigoto.com/

■保育のお仕事レポートとは?
主に保育園、幼稚園にお勤めの方や、転職や職場復帰を検討されている保育士さん、幼稚園教諭さんを中心に、日々の保育や、転職活動に役立つ情報の提供を行っています。内容は子どもとの関わり方から、職場の人間関係の悩み、転職ノウハウまで多岐にわたり、さまざまなニーズに対応できるコンテンツをご提供しています。
【URL】http://www.hoiku-shigoto.com/report/

【本リリースに関するお問い合せ】
株式会社ウェルクス
担当:大島
TEL:03-5638-6191 (代表)FAX:03-5625-6702
MAIL: yumi-oshima@welks.co.jp

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