近年、各種研究分野において、解析処理の高速化に対する要求は強まってきていますが、スーパーコンピュータによる大規模シミュレーションの解析結果を画像化および映像化する場合、膨大な時間が費やされることが問題となっています。学会発表や論文投稿などの期限が定まった状況でのデータの可視化には効率化が求められています。
本取り組みは、超新星・ガンマ線バーストの爆発メカニズムの解明の研究(※注)において、解析終了後の学会発表、投稿に向けて必要なレンダリング処理をGoogle Cloud Platform上で多数のコンピュータリソースを活用して並列処理することで、従来個別システムにて17日費やしていた処理を4.8時間までに短縮しました。
今後は、レンダリング処理に限定せず、各種研究活動にご活用いただけるように、本取り組みの普及を目指してまいります。
JSOLでは、このような取り組みを通じて、研究者のデータ処理に関わるコスト負担を圧縮することを支援し、学術の発展に貢献するとともに、研究分野から生み出される成果を社会が求める革新的技術としてより早く届けられるように事業を推進してまいります。
理化学研究所では、現在、計算科学を媒介として、異なる学問分野の知見を統合していく学際的な研究を累進しております。さらにその先の展開として、学問分野だけではなく、こうした形で産業界との連携を進めていきたいと考えています。
本動画は太陽よりおよそ10倍以上重い星がその進化の最終段階で起こす、超新星爆発の様子を表したものです。
動画ではシミュレーションで使用した領域、グリッドの形状の説明のあとに、中心部でどうやって爆発が起こるのかの説明が続きます。
灰色の球体が中性子星(パルサー)の元になる原始中性子星で、そこから生じるニュートリノが外側の物質を温めることで超新星は爆発に転じると考えられています。
ただし、本当にその説が正しいのかどうかはまだ議論中です。
動画では爆発に転じた領域を黄色や白色で表示しています。今回の研究の手法上の特徴は、ニュートリノの加熱を比較的正確に解いていることです。
また、これまで考えられていなかった星の自転の効果も考えており、これまでの予想と違った爆発の様子が得られています。
(※注)可視化を行ったシミュレーション研究は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源
と構造」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の元で実施したもので、理化学研究所のスーパーコン
ピュータ「京」と国立天文台のアテルイを利用して得られたものです(課題番号:hp120285)。
■株式会社JSOL
http://www.jsol.co.jp/
所在地 : 東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル
代表者 : 代表取締役社長 中村 充孝
資本金 : 50億円
株主 : 株式会社NTTデータ、株式会社日本総合研究所
設立 : 2006年7月
事業内容 : 株式会社JSOLは、プロセス系製造業を中心としたERPの導入に代表される業務ソリューション分野において、ICTコンサルティングからシステム構築・運用までの一貫したサービスで、製造・流通・サービス・金融・公共などさまざまな業種のお客様のICT投資効果最大化に貢献するICTサービスコーディネーターです。
2009年1月、NTTデータとの業務・資本提携により、社名を株式会社JSOLに変更すると共に、NTTデータグループおよび三井住友フィナンシャルグループの一員として、より幅広いニーズにお応えできるサービス・パートナーとして進化を遂げました。
■国立研究開発法人理化学研究所
http://www.riken.jp/
所在地 : 埼玉県和光市広沢2-1
代表者 : 理事長 松本 紘
創設 : 1917年事業内容 :理化学研究所は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。
以 上
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