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Tech AI×ハチドリ型飛行ドローン!中空で滞空するハチドリの羽ばたきを真似 ドローンの小型サイズ化、静音化を実現する可能性

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AI×ハチドリ型飛行ドローン!中空で滞空するハチドリの羽ばたきを真似 ドローンの小型サイズ化、静音化を実現する可能性

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近年、新しいロボットやAI技術が次々と登場している。技術の進化が著しい分野だ。飛行ドローンにAIを組み合わせた技術を、アメリカのPurdue Universityのチームが研究開発している。開発中のAIは、自然界の生き物であるハチドリから学習しているという。

・ハチドリの飛行能力に着目

ハチドリはとても小さな鳥だが、非常に優れた能力をもつことで知られる。1秒間に最大80回羽ばたきをおこない、空中に滞空することができ、どんな方向へも飛んでいける。

この優れたハチドリの能力を研究し、機械学習のアルゴリズムに取り入れ、飛行ドローンに活用しようという取り組みが開発チームのテーマ。AIは、羽ばたいている羽のフレキシブルな動きの仕組みを解明するため学習を続け、その動きを飛行ドローンで真似して再現できるようにする。

・極小サイズで小回りの効くドローン

このハチドリ並みに小さいドローンの実現は、極小サイズのドローンの可能性を広げることにもつながる。ドローンは非常に小さいサイズに縮小された場合、自機を動かし引き上げるための十分な動力を生み出すことが難しくなる。ハチドリは小さな体ながら、高角度の攻撃姿勢をとったり、中空を急発進したり、高く上昇したりといった動きが可能で、不安定な空気形状を巧みに利用して中空に留まることができる。

ハチドリの飛行能力を再現する研究は長年にわたる。夏ごとにハチドリの自然界での慣習を観察し、その動きをコンピューターのアルゴリズムに変換する作業をおこなってきた。その成果として、もっとも効果的に羽を使う方法が判明し、ロボットに再現できるようになった。

・カーボンファイバー製、3Dプリントのロボット

ロボットはカーボンファイバーとレーザーでカットされた膜でできており、ボディは3Dプリントで出力。重量はわずか12グラムほどしかない。ちなみに同研究チームでは、昆虫サイズの1グラムしかない極小ロボットも開発している。

ロボットは効果的に動く方法を学ぶだけでなく、周囲の外環境を感知する能力ももっている。視覚センサーの代わりに、周囲のオブジェクトの動きを、電流の変化をキャッチすることで把握する。

開発者の1人、Purdue University大学機械工学科の準教授であるXinyan Deng氏によると、「ロボットは本質的には、“見る”ことなく、周囲の環境を感知してマップを生み出すことができます。これは災害時などに、暗い環境下にいる被災者を探すことに有用です。」

サイズが小さく静かなオペレーションが可能なロボットは、調査や救助活動に向いている。もちろん、自然界のハチドリの生態研究にも活躍するだろう。

極小サイズで、かつ静かな飛行を実現するドローンが実用化されれば、ドローンに付き物の騒音問題も解決するし、飛行可能な場所も広がる。いち早い実用化を待ちたい。

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