火災予防制度の強化促進及び消火器類の普及発達を図り、火災の防止への寄与を目的とする一般社団法人日本消火器工業会(代表:遠山 榮一、所在地:東京都台東区。以下、消火器工業会)と、廃消火器の不法投棄をなくし資源として効率的な回収・リサイクルを進める株式会社消火器リサイクル推進センター(代表:遠山 榮一、所在地:東京都台東区蔵前。以下、消火器リサイクル推進センター)では、戸建て住宅にお住まいの家庭に置かれた消火器の点検等に関するアンケート調査※を行いました。
その結果、戸建て住宅に住み、消火器を所有している人のおよそ半数の50.6%の人が定期的またはこれまでに一回以上の点検を実施しているものの、46%の人は点検をしていない、または同居人が点検しているか不明と回答し、点検をしたことがある人が所有者の2人に1人であることが判明しました。また、消火器を処分する際のリサイクルについての認知を尋ねたところ、リサイクルできることを知っている人は約半数だったものの、リサイクルできる窓口を把握している人は全体の20%しかいないことも判明しました。
※アンケート対象者:日本全国の「戸建て住居(持家、賃貸)」にお住まいで、自宅に消火器を所有している20~69歳の男女330人。アンケート結果の詳細は下記の『「家庭の消火器に関するアンケート」について』をご参照下さい。
【万が一に備えて半年に一度は消火器の点検を】
消火器は、一般家庭内において移動性も高く、水道やコンセントの有無、停電の影響などを受けずに使用できるため、万が一の住居での失火の初期消火に極めて有効です。東京消防庁管内の消火器を使用した初期消火の成功率は約75%という高い数値のデータもあります。しかし、消火器には使用期限(メーカーによって異なるが概ね業務用10年住宅用5年)があり、期限を過ぎたものや劣化が進行した消火器は正常に作動しないケースがあります。
業務用消火器の設置義務がある事業所や店舗、またはマンションなどの集合住宅では半年に1回の点検義務が遵守されています。しかし、一般家庭における消火器の点検は自主的な点検となるため、所有者の点検の意識が浸透していないことが今回の調査で改めて浮き彫りとなりました。
点検されることなく長期間放置され劣化した消火器は作動に支障をきたすだけでなく、場合によっては破損や破裂するケースもあるため、消火器工業会では各消火器メーカーとともに家庭に設置された消火器についても半年に1回程度、異常がないかを確認する定期点検の実施を呼びかけています。
【消火器の点検とリサイクルについて】
2011年以降に製造された消火器には、製造年や使用期限が本体に表示されています。使用期限の表示のない消火器は製造年を確認し、業務用10年住宅用5年の使用期限を過ぎている古い消火器の場合は速やかな回収が必要です。ホームページや電話にて最寄りの回収窓口をご確認下さい。
また、使用期限内であっても消火器本体のへこみや底部等の腐食、ホースの欠落、キャップに破損等がある場合はむやみに使用しないでください。また、安全栓(上部の黄色のピン)に緩みや欠落がある場合は誤作動の原因となりますので、むやみにレバーを握らないようにしてください。なお、自身で分解することによる破裂事故が発生していますので、消火薬剤を自ら放出するなどの分解行為は絶対にしないで下さい。
【一般家庭における消火器リサイクルの認知度向上を目指す】
点検により異常や破損が見つかった場合や使用期限を過ぎた廃消火器は、消火器工業会が委託する各消火器メーカーや防災・点検事業者を通じて回収をしています。ここで回収された廃消火器は、90%を超える高い再資源化率となっています。とくに粉末の消火薬剤の多くは、再生され、再び消火器用の粉末消火器薬剤として利用されています。
現在のところ、年間生産本数約560万本に対して、リサイクルとして回収される消火器は約8割に達しています(2014年度)。しかし、設置・点検義務のある事業所や店舗などからの回収率は高いものの、一般家庭から回収される消火器の割合は低い水準であることが見込まれています。
今回のアンケート調査で消火器を処分する際のリサイクルの認知について尋ねたところ、消火器をリサイクルできると認識している人が49.4%であり、リサイクルできることを知らない人は47.9%とほぼ半数でしたが、リサイクルするための回収窓口まで把握している人は全体の20%に留まっています。消火器リサイクル推進センターでは消火器工業会ならびに各消火器メーカーと協力して、日本各地に消火器を回収する特定窓口を設置し、ホームページや電話による回収窓口の紹介を行っています。同センターでは、現在半数の人が認知していない消火器リサイクルの認知度を80%程度にまで引き上げるともに、消火器回収の特定窓口の更なる認知向上を目指して、引き続き消火器のリサイクルの普及活動に取り組んでいきます。
【消火器の主な点検すべき個所】
住宅用消火器の使用期限表示例
消火器の点検例(左上から時計周りでへこみ、ホースの欠落、キャップの腐食や破損、溶接部とその周辺の腐食)
【消火器回収先のご案内】
消火器リサイクル推進センター(URL https://www.ferpc.jp/)の「リサイクル窓口検索」か、
電話03-5829-6773(平日9時-17時、12-13時除く)でお近くの特定窓口をお調べ下さい。
【ホームページ】
一般社団法人 日本消火器工業会 http://www.jfema.or.jp/
株式会社消火器リサイクル推進センター https://www.ferpc.jp/
「家庭の消火器に関するアンケート」について
【調査目的】戸建て住居にお住まいの方の、自宅にある消火器への関心を調べる。
【実施】2015年7月28日~29日、インターネット調査
【調査対象】「戸建て住居(持ち家、賃貸)」にお住まいで、「自宅に消火器を所有」している
全国の20歳~69歳の男女(330名)
Q.これまでに自分自身もしくは同居の人が、所有している消火器の点検をしたことがありますか。
自宅にある消火器を自分自身で1回以上、点検したことがある人は全体の50.6%とほぼ半数。一方で点検をしたことがない、あるいは同居人が点検しているか不明と答えた人が46%であり、ほぼ半数近い人の所有する消火器が点検されていない可能性が高いことを示している。
Q.お住まいの住居で所有している消火器の「使用期限」を把握していますか。
住宅用の消火器には概ね5年の使用期限が設定されており、使用期限の存在を全体で70%以上の人が認識していることが伺える。その一方で、全体の10人に1人は使用期限を想定せずに長期間にわたり消火器を点検することなく放置してしまっている可能性がある。
Q.使用期限を越えた消火器が作動しない場合や、破損したり破裂する可能性があることを知っていますか。
過去の劣化した消火器の破損や破裂による事故発生を受けて、日本消火器工業会を中心に業界を挙げて古い消火器の回収にむけた呼び掛けを実施している。全体で77%の人には認知されているが、20%以上の人にまだ認知が浸透していないことが伺える結果となった。
Q.消火器を処分する際にリサイクルできることを知っていますか。
廃消火器は90%を超える再資源化が可能な製品であることから、消火器メーカーの団体である日本消火器工業会を通じた回収を呼び掛けている。正しい窓口を把握している人が20%という結果であり、今後のますますの認知度の向上を図っていく必要がある。
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