米ナスダック、東証マザーズ上場で国際訴訟支援サービスを手がける株式会社UBIC(本社:東京都港区、代表取締役社長・守本正宏)は、今後世界的に成長が期待される音声通話解析市場において、フォレンジックおよび証拠開示分野のソリューションを提供するため、通信インフラ関連のソフトウエア開発やクラウドサービスの提供を行う株式会社ネクストジェン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長・大西新二)と共同開発を開始いたしました。音声認識には世界でもトップレベルの技術を有する株式会社アドバンスト・メディアのAmiVoice(R)を採用いたします。
現在開発中の「リーガルクラウドボイスサービス」(仮称)は、企業の即時監査や有事の調査(インサイダー、カルテル、その他の不正行為)の際に、携帯電話や固定電話の通話を録音またはテキスト化し、重要な情報や証拠となるデータを迅速かつ的確に抽出するシステムです。
すでに2013年7月上旬に当社R&Dセンター内に専用ラボを開設。2013年12月までに研究開発作業を終え、2014年初頭より試験サービスを実施し、同年春以降、証券会社など金融機関、製造業向けに、クラウドサービスおよびオンプレミス(自社運用)によりサービスを開始する予定です。サービス開始から3年以内に売り上げ10億円を目指しています。
日本で唯一のディスカバリ総合支援企業(R)である当社では、2010年3月、eディスカバリ(電子証拠開示)支援システム「Lit i View(R)」(リット・アイ・ビュー)をリリースし、国際訴訟における電子データの証拠保全・調査・分析サービスを展開しています。さらに、2013年5月には、米ナスダック市場に日本企業として14年ぶりに上場するとともに、犯罪捜査で証拠となるメールやドキュメントファイルを収集・解析する次世代型フォレンジックソフトウェア「Lit i View XAMINAR」(リット・アイ・ビュー・エグザミナー)を開発することに成功し、警察など法執行機関への提供を開始しました。同ソフトは世界で初めて、人工知能をベースにした「Predictive Coding(R)」(プレディクティブ・コーディング)を搭載し、アジア言語(日本語・韓国語・中国語)にも完全対応しており、国産初の本格的フォレンジック・ツールとして注目を集めています。
このように電子データの収集・解析において世界屈指の技術をもつ当社が、新たに挑戦する分野が「音声フォレンジック」です。
近年、社内不正やカルテルなどの国際的不正のフォレンジック調査、その他国内外の訴訟において、音声通話の内容が重要な証拠となるケースが増えています。
昨年相次いで発覚した国内大手証券会社のインサイダー取引(情報漏えい)事件では、顧客への情報提供に対する管理体制の形骸化が指摘されました。金融庁からの指導を受け、外資系を含む主要証券12社が法人情報の社内管理体制に関する報告書を提出、再発防止策として業務に使う携帯電話に録音機能を導入するなど、金融機関を中心としてコンプライアンス強化のため、音声データに対するフォレンジックのニーズが高まっています。
こうした現状を踏まえて、当社では、通話録音ソリューションにおいて高い技術基盤を持つネクストジェン社との協業を通して、当社がもつデジタルフォレンジック技術を応用する形で、通話音声のテキスト化および重要データの抽出は可能であり、また、同技術をサービス化することは社会的にも意義があると判断し、事業化に踏み切りました。
人間の音声をコンピュータで解析する音声認識の研究は1960年代に始まりました。単語認識から文章認識、不特定話者の認識へと進化を遂げて、現在では医師向けに「電子カルテ入力システム」、自治体向けに「議事録作成支援システム」、コールセンター向けに「オペレーター支援・通話内容分析システム」が導入され、携帯端末へのメール文章入力、同時通訳型の自動翻訳、携帯端末やカーナビの機械操作などにも利用されています。
ところが、これらの音声認識に比べると、文節が曖昧な日常会話や音声品質の低い携帯電話を介した音声の認識は極めて高度な技術が必要となります。なぜならば、すでに実用化されている音声認識サービスが、明確な意図・目的のもとに発話され、より「書き言葉」に近いのに対して、携帯電話においては、より自然で自由な形で発話されるために、明瞭ではない発音や会話独特の省略された言葉なども増えてくるためです。
こうした不特定多数の口語体による音声の認識率を高めるためには、音声認識エンジンの高度なアルゴリズムに加えて、対象となる分野に関する大量のサンプルテキストと、より多くの話者による音声データの分析が不可欠です。また、不正行為の言語は専門的な用語や略語も多いことが特徴です。このため、今後、専用ラボ内で大量の音声認識辞書学習を行い、「不正行為に絡む発話」を捕捉できるよう努めていきます。
そして当社のサービスは、音声認識とテキスト化のみにとどまりません。音声認識エンジンを通してテキスト化されたデータを「Lit i View(R)」で解析して、訴訟などで必要となる証拠を絞り込みます。
そこで大きな武器となるのが、当社が独自開発したテキストマイニングを使用した技術「Predictive Coding(R)」です。これは、一定のサンプルデータを元にして、未調査の文書を自動で分類することができる機能です。コンピュータによる網羅的な調査により、従来のキーワード検索や人為的レビューで見落とされがちな重要なデータ(証拠)の検出を可能にします。1時間あたりのドキュメントのレビュー数は人間100に対して同ツールでは40万にも達します。
音声認識技術で音である通話を大量に文字データ化し、「Predictive Coding(R)」を結びつけることにより、可能性は無限に広がります。UBICは今後もナスダック上場のハイテク企業ならではの革新的な技術開発とソリューションの提供を通して、リーガルテクノロジー業界を牽引していきます。
なお、本件における通期業績予想への影響はありません。
【株式会社ネクストジェン会社概要】
■所在地 東京都千代田区麹町3-3-4KDX麹町ビル9F
TEL: 03-3234-6855
■代表 代表取締役社長・大西 新二
■設立 2001年11月16日
■資本金 489,248千円
■事業内容
ネクストジェンは創業以来、VoIP(ヴォイスオーバーIP)のエキスパートとして、大手通信事業者のシステムを支えてきました。通信事業者向けの大規模IPセントレックスの構築や、IP電話システムの相互接続等、先駆的なソリューションを提供し続けております。また、昨今はクラウドとスマートフォンを活用した、大手通信事業者と連携したクラウドPBXサービスや、企業向け通話録音管理システムのリリース、世界でもあまり類のみないSIP/VoIPセキュリティ診断サービスも提供しており、通信事業者向けソリューションだけでなく、一般法人向けソリューションとサービスも充実させております。
■URL: http://www.nextgen.co.jp/
【株式会社アドバンスト・メディア会社概要】
■所在地 東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館6階
TEL: 03-5958-1031
■代表 代表取締役会長兼社長・鈴木 清幸
■設立 1997年12月
■資本金 45億9,609万円(15,282,200株)(2013年9月末日現在)
■事業内容
・AmiVoice(R)を組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発を行う「ソリューション事業」
・AmiVoice(R)を組み込んだアプリケーション商品を提供する「ライセンス事業」
・企業内のユーザーや一般消費者へのサービスにAmiVoice(R)を提供する「サービス事業」
アドバンスト・メディアは、独自の音声認識等の技術AmiVoice(R)により、“声”で文章入力などができる各種ソリューションを提供してきました。AmiVoice(R)音声認識エンジンは、利用者8毎に声の事前学習(エンロールメント)を行うことなく(不特定話者対応)音声入力が可能です。医療・教育およびエンターテインメント・議事録・コールセンタ・ビジネスソリューションの分野で主に利用されております。例えば医療分野においては、4,280の導入実績を有しており(2013年3月末現在)、医療診断や医療事務作業の効率化に貢献し、その導入効果が高く評価されています。2008年には音声認識技術AmiVoice(R)を活用した「音声入力メール」が、経済産業省の外郭団体である独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)の表彰制度の対象となり「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー(R)2008」(SPOTY2008)を受賞しました。
■URL: http://www.advanced-media.co.jp/
【UBICについて】
代表取締役社長:守本 正宏 東京都港区港南2-12-23明産高浜ビル
URL: http://www.ubic.co.jp/
株式会社UBICは、国際的カルテル調査や連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)に関連する調査、知財訴訟、PL訴訟などで要求される電子データの証拠保全及び調査・分析を行うeディスカバリ事業(電子証拠開示支援事業)のほか、電子データ中心の調査を行なうコンピュータフォレンジック調査サービスを提供する、リーガルテクノロジー総合企業。アジア言語対応能力では世界最高水準の技術と、アジア圏最大の処理能力を有するラボを保有。2007年12月米国子会社を設立。アジア・米国双方からアジア企業関連の訴訟支援を実施。2009年末には企業内でも国際訴訟における電子証拠開示が可能な電子証拠開示支援システム「Lit i View(R)」(リット・アイ・ビュー)を自社開発し、2011年10月からはクラウドサービスとして「UBICリーガルクラウドサービス」の提供を開始。また、2012年3月に、アジア言語に対応した「Predictive Coding(R)」(プレディクティブ・コーディング)技術を世界で初めて独自開発し、実用化に成功。
2003年8月8日設立。2007年6月26日東証マザーズ上場。2013年5月16日NASDAQ上場。資本金1,095,358,941円(2013年06月30日現在)。
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