採用の背景として、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標に加え、2018年の大阪北部地震におけるブロック塀の倒壊を受け、木塀の設置が推進されるなど、エクステリア業界においても木材利用が注目され始めたことが挙げられます。木製のフェンスは、木材の炭素固定機能や軽量さといったメリットがある反面、耐久性や強度への不安やメンテナンスの難しさが障壁となっているのが現状です。
今回採用されたObiRED(R)は、宮崎県飫肥(おび)スギの特徴である豊富な精油成分により高い防腐・防蟻性能を持ち、弊社独自の乾燥技術により高い形状安定性を有しています。更に、乾式防腐・防蟻薬剤を加圧注入処理することでより耐久性を高めることができ、これによりAQ認証(優良木質建材等認証)取得しています。また、「国産材ウッドフェンス」の格子には、耐候性木材保護塗料を塗布し、耐候性を高めるとともに、アルミ製の柱・胴縁と組み合わせることで、フェンスとして建築基準法に対応した高い耐風圧強度を実現しています。更に、木材格子1枚ごとに交換可能で、メンテナンス性の向上も図られています。
同商品の格子には、飫肥スギ以外にも、他の都道府県産材の使用も可能で、調達に当たっては、当社の木材調達における「多産地連携システム」を活用し、その役割を担ってまいります。
当社は引き続き、脱炭素社会の実現に向けて、森林の循環利用に貢献するべく、国産材の利用促進に取り組んでまいります。
四国化成工業(株)「国産材ウッドフェンス」
「国産材ウッドフェンス」の特長
1. 耐風圧強度V0=34m/s(建築基準発対応)をクリア
2. メンテナンス時に材料取り換えが容易にできる(木材格子1枚ごと)
3. 規格品(飫肥スギ)の他に都道府県産材を使用することも可能
ナイス(株)の「多産地連携システム」で安定的な木材調達を実現
木材市場の運営をルーツとする当社では、これまで培ってきた全国の製材事業者様とのネットワークを生かし、国産材の安定的な調達を実現するために、日本全国の産地から調達する仕組みとして「多産地連携システム」を構築しています。全国の製材事業者様とも連携し、構造材や羽柄材などの並材に加えて、内外装材などの化粧材についてもきめ細かく調達し、取り扱いを強化しています。さらに、全国13カ所の木材市場と31カ所の物流センターを木材のストックヤードとして活用し、バッファーを持たせることで、安定的な供給とジャスト・イン・タイムな納材を可能としています。
大径木高耐久赤身材「ObiRED(R)(オビレッド)」
ObiRED(R)は、「飫肥スギ」の大径木から赤身部分だけを用いています。「飫肥スギ」の赤身は、一般的なスギと比較して精油成分が多く、防腐・防蟻性能に優れ、日光と風を利用した天然乾燥と乾燥機を使った人工乾燥とを組み合わせた独自の乾燥技術によって、赤身の精油成分を損なわないよう仕上げることで、耐久性が高いのが特長です。また、流通量の多い「飫肥スギ」を用いることで、比較的安価かつ安定的に供給することが可能となっています。更に、赤身のみを使用しているため色に統一性があり、経年変化によりシルバーグレーへと色味が変化していくことも魅力の一つです。
素材自体が高耐久の「飫肥スギ」の赤身部分に、雨でも溶け出しにくく、防腐・防蟻処理薬剤「AZN」を注入する「AZN乾式注入処理」を施すことで、耐久性がより一層高まり、デッキ材としてだけでなく、ルーバーやフェンスなど、様々な場所への利用が可能です。これにより、大学やホテルなどの非住宅の外構材として高付加価値化を実現し、地域の活性化にも貢献することができる木材製品となっています。
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