ブースの配置は、同プログラムの注力テーマであるインフラ、環境、生活、文化、インパクトの5分野に分かれたもの。その中でも注目分野はやはりAI関連だろう。400近い出展企業のうち、「AI」タグで絞り込むとじつに85社が該当する状況だ。
日本のネット社会ではエンタメ分野の生成AIとその問題点が注目されがちだが、AIの活用分野はきわめて多岐にわたる。たとえばスイスのillumicell AI社は、AI活用によって不妊治療を変革。男性不妊スクリーニングのためのAI搭載ツールを専門とし、不妊評価をより身近で侵襲性の低減を目指している。
タイのZTRUS社はOCR(光学式文字認識)、情報抽出、ヒューマン・イン・ザ・ループを含む文書プロセス自動化技術により、自動データ入力サービスを展開する企業。AI-OCR技術により、外部文書からARおよびAPワークフローの自動化を支援する。高い精度で人間による作業を約半分も回避できるという。
アメリカのRevere社は、アロケーター向けに垂直オペレーティングシステムを提供。AIを活用してデータを取得、カスタマイズ可能なレポートとダイナミック・ダッシュボードによりポートフォリオのモニタリングおよびリスク管理を実現するプラットフォーム「Revore ONE」などを展開している。
アナログ・パワーSoCおよびセンサー信号調整IC製品のリーディング・サプライヤーである韓国のGwanak Analog社は、オンデバイスAI「GW2110」を出展。同製品はTTS(Text-to-Speech)機能を提供するエッジAIアプリケーション専用に開発された高度な合成信号処理SoCで、オンデバイスAIは今後さまざまな用途に活用できる有望テクノロジーであるとしている。
日本のDimes社のブースでは、同社が運営するスキルマッチング・プラットフォーム「timelyhero」を紹介。2023年6月から提供が始まった生成AIボットサービス「CloneMind」は、スキル提供者である講師の知見を搭載したAIが24時間、世界中の生徒に対してそれぞれの言語で対応する。
他に、AI×囲碁学習やAIベースの医療チャットボット、気候変動リスクを把握するためのAIデータ処理など、今回のイベント出展企業だけでもきわめて多様な業界でAIが活躍していることが分かる。
2日目となる16日には、「AI時代の学び:なぜ私たちが学び続けるのか」「AIによって人々のライフスタイルはどう変わるのか」などのAIに関連するセッションも開催される予定だ。その他複数のセッションが開催予定。各分野のリーダーらが「未来の都市を構想する」「テクノロジーの未来を語る」「スタートアップを育む」の3つのテーマで議論し、日英同時通訳で実施される。
詳細は公式サイトのタイムテーブルで確認できる。「グローバルに活躍するCULTUREPRENEURS:文化はビジネスになるのか」「日本はアジアのWeb3ハブとなり得るのか?」「起業家の半分が女性だったら、この世界はどんな風になるの?」「スタートアップが切り拓く災害時対応におけるニュースタンダード」など、多岐にわたるトークテーマに注目だ。なおステージによってはライブ配信も予定されている。
引用元:SusHi Tech Tokyo 2024
(取材/文・Techable編集部)