多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32F4アクセス・ラインの中でも最小のSTM32F410の量産開始を発表しました。また、同時にリリースした開発ボードであるNUCLEO-F410RBにより、小型、低消費電力、低コストな開発が可能になります。
STM32F410は、ARM(R) Cortex(R)-M4Fコアを搭載し125 DMIPS、339 EEMBC(R) CoreMark(R)(100MHz動作時)の性能を実現しています。ST独自のART Accelerator(TM)(1)や電圧スケーリングなどの低消費電力化に貢献するSTM32 Dynamic Efficiency(TM)機能により、動作時の消費電力は89μA/MHzまで低減されています。STOPモードの電流もわずか6μAに抑えられ、ウェアラブル機器、IoT機器、センサ・ハブ、ビル・オートメーション、ヘルスケア機器、スマートフォンなどのアプリケーションにも適用することができます。
また、STM32F410に対応するNUCLEO-F410RBのリリースにより、低コストのSTM32 Nucleoボード・シリーズが拡張されました。このボードは、Arduino UnoとST Morphoに対応したコネクタが実装されているため、モーション・センシング、近距離無線通信(NFC)、Bluetooth(R)やIEEE 802.15.4無線ボードなど、各種拡張ボードとの接続も容易です。ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)、ミドルウェア、およびサンプル・コードで構成されたSTM32CubeF4スイートと最新のSTM32CubeMXコード・ジェネレータを組み合わせることで、完全なエコシステムを構築しています。
超小型パッケージで提供されるSTM32F410は、64KB~128KBのFlashメモリと32KBのSRAMを内蔵し、モータ制御用タイマと32ビット/100MHzタイマを含む最大6個のタイマなど、豊富なペリフェラルを搭載しています。SPI、I2C、I2SおよびISO 7816に対応したUSARTインタフェースを含む通信ポートの他、12bit DAコンバータなど、その他のSTM32F41xには無かった機能が追加されています。STM32F410は、UFQFPN48やLQFP64パッケージの他、STM32F4シリーズの中で最も小型のWLCSP(2.55mm x 2.58mm、36バンプ)で提供されます。
厳しい低消費電力化が求められるセンシング・アプリケーションの設計者には、STM32F410が採用しているSTの革新的なDynamic Efficiency技術であるBatch Acquisition Mode(BAM)が役立ちます。このモードでは、CPUとFlashメモリがオフの状態でセンサのデータを直接SRAMに取り込めるため、マイコンのパワーマネージメント・モードをより効率的に使用できます。また、STM32F410には、Flashメモリを最適な省電力状態までパワーダウンすることが可能な、新しいRUNモードも採用されています。
NUCLEO-F410RBの価格は14ドルです。STM32F410の参考サンプル価格は、1.4ドル(Flashメモリ : 64KB、SRAM : 32KB、パッケージ : WLCSP36)からです。
詳細は、 http://www.st.com/web/jp/catalog/mmc/FM141/SC1169/SS1577/LN1938 をご覧ください。
(1)ART Accelerator(TM):Flashメモリからの効率的なゼロ・ウェイト実行を可能にするSTの適応型リアルタイム・アクセラレータ
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2014年の売上は74.0億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。
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