「童はみたり 野なかの薔薇」。この歌を歌ったり聴いたりしたことがある人も多いでしょう。これはシューベルト(1797-1828)がゲーテの詩に作曲した「野ばら」。さらに「魔王」や「菩提樹」などもよく知られています。シューベルトはわずか31年の生涯で約600曲ものリート(歌曲)を作った“歌曲王”。
「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」「白鳥の歌」がシューベルトの3大歌曲集と言われます。ちなみに「菩提樹」は「冬の旅」の第5曲になります。かつてはフィッシャー=ディースカウ、プライ、シュライアー、シュヴァルツコップら名歌手が歌い、現在はゲルハーヘルやゲルネ、パドモアらが歌いつぎます。
「ひとり暗い夜道をたどって行くのだ。月影だけがいつまでもぼくについてくるだろう」(「冬の旅」の「おやすみ」より)。美しい旋律の乗せられた、このような詩からは1人寂しい情景が目に浮かびます。シューベルトで多く歌われているのは人間の苦悩、孤独、葛藤。だからこそ今日でもその真価は色あせないのです。
特集では、シューベルト以外のドイツの歌曲を書いた作曲家、シューマン、ヴォルフ、R.シュトラウスら、そしてイタリアやフランス、イギリスやロシア、日本など各国の歌曲を取り上げています。
発 行:産経新聞社
発 売:日本工業新聞社
定 価:1030円(税込み)
お問合せ:モーストリー・クラシック編集室 ☎03-3243-8503
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