「日本医療界にとって2016年はどのような年になるか?」の質問に対し、2016年1月1日~1日3日の3日間で2,372人の医師が回答した。結果、「良くも悪くもない年になる」という回答が55.1%(1,306人)で過半数を占めた。「診療報酬改定がどうなるか次第」、「例年と変わらないだろう」、「現状維持」というコメントが多く見られた。
「悪い年になる」と回答したのは合計671人(28.3%)であった。医療費抑制や診療報酬改定、消費増税の収入への悪影響を不安視する声が多く、新専門医制度や医学部新設への悲観的なコメントも見られた。
「良い年になる」と回答したのは合計395人(16.7%)であった。再生医療を始めとする新しい治療法・治療薬への期待や、診療報酬本体がプラスになったことを評価するコメントがあった。
■回答コメント(一部を抜粋)
「かなり良い年になる」 80件
・再生医療の発展により。(30代、呼吸器内科)
・精神科基礎研究の発展に期待。(20代、精神科)
・昨年はあまり良い年ではなかったので、期待を込めて。(50代、整形外科・スポーツ医学)
「程々に良い年になる」 315件
・再生医療がどんどん臨床応用されることを期待しています。(30代、消化器内科)
・医師の技術料は少し評価された。(50代、消化器外科)
・無駄な医療は年々減っていくと期待している。(40代、腎臓内科・透析)
・勤務先の環境が変化し、医療業務が改善されます。(50代、消化器外科)
「良くも悪くもない年になる」 1,306件
・診療報酬改定次第だと思います。(50代、総合診療)
・診療報酬改定は勤務医の現場まではほとんど影響がなさそうです。(40代、呼吸器外科)
・医療界・医学界においては、新しい取り組みへの評価が行われていくので、よい報告に向かうと思います。医療経営においては2025年に向けて、病院の立ち位置をはっきりさせられるため、より厳しくなるかと思います。(50代、放射線科)
・診療報酬改定、専門医制度など締め付けが厳しくなると思いますが、全体としては持続可能な医療制度の構築に向かうものとは思います。(50代、その他)
「程々に悪い年になる」 573件
・診療報酬改定で医療界は厳しい年になるでしょう。経営効率を考えないと生き残れないでしょう。(50代、呼吸器内科)
・専門医制度の改変が続くなど、あまり希望の持てるニュースを聞かないので。(30代、一般内科)
・成田と東北に新しく医科大学ができて医師過剰時代に突入する元年。(50代、代謝・内分泌科)
・基本的に医療業界へは風当たりは厳しいですから。(40代、精神科)
「かなり悪い年になる」 98件
・へき地ではいいことはありません。専門医制度でも若手はきません。(40代、一般内科)
・これからは厳しい。そもそもベッドが多すぎて医者が足りなかったのが、ベッドは減って医者は増える。将来は不安。(40代、一般外科)
・診療報酬本体はプラス改定という言葉に誤魔化されてはいけないと思います。悪い年になると私は思います。(50代、整形外科・スポーツ医学)
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