このICは世界の大手半導体メーカーや研究所も成しえなかった1.0Vを下回る電圧で動作が可能で、今後の低消費電力回路に多大な影響を与える画期的な開発となります。
開発背景)
現在の電子回路の基本回路原理はその大半がアメリカ合衆国の技術者であるロバート・J・ワイドラーによるものです。中でもワイドラーの設計によるLM10(NS-TI)は世界標準となり、現在でもさまざまな電子回路に使用されています。そしてアナログ回路の基本ICで日本発のものはほとんどありませんでした。
SIMPLEX QUANTUM株式会社は電子工学の世界からではなく、全く新しいアプローチによって、この世界標準であったLM10を進化させ、アナログ回路設計の新しいデファクトスタンダードを創造しました。今回の開発をはじめ、さらに新しい技術を世界に供給、日本発のこれからのアナログ回路の世界を拡げていきます。
製品概要)
これまでは1.1Vで動作するLM10が世界の標準でした。しかしSIMPLEX QUANTUM株式会社のSX-001(試作品)はそれを大幅に下回る0.65Vでの動作を実現しました。下記に今回の開発試作品IC概要と比較のためLM10のデータシート値を表記します。
次に開発試作品SX-001(動作電圧0.7V)とLM10の動作時の実測値を下記に示します。
■SX-001(動作電圧0.7V)の増幅動作
■LM10の増幅動作
■SX-001 0.7Vから安定動作(動作電流:16μA = LM10の約1/16)
■LM10 1.1Vから安定動作(動作電流:254μA)
*SX-001の実測値データは0.7Vで動作させたものですが、0.65Vでも動作することを確認しています。
今後の展開)
SIMPLEX QUANTUM株式会社は今回の開発試作品SX-001を電子機器に搭載する予定です。これにより充電及び電池交換がほぼ不要で、現在の約3~10倍の時間を安定的に運用が可能となり、機器の可能性も革新的に広げます。また次のことに応用できます。
1.エネルギー・ハーベスト・システムをより効率的に対応
電圧変換ロスが大幅に低減されるため、2~3℃の温度差発電や微振動発電が可能となります。
2.無充電で長時間使用が可能
超低電圧及び超低ノイズの技術による効率的なエネルギー・ハーベスト・システムでスマートフォン、ウェアラブル機器、センサーなどの電子機器を無充電で長時間に運用可能となります。
3.IoT (Internet of Things)に応用
スマートフォンなどの携帯端末、電気、自動車などに搭載、電池交換不要となり、IoT (Internet of Things)の応用には最適です。
そして今後の展開として、振動(圧電素子)、光起電力(太陽電池)、熱(TEC、TEG、サーモパイル、熱電対)などのソースから得られるエネルギーを変換するパワーマネージメント・デバイスの充実化を目指します。更に、今回のICを進化させ0.35Vでの動作可能となる超低電圧半導体シリーズのラインアップを実現、小型モバイル端末や、自動車業界におけるセンシングモニターシステムに応用するビジネスモデルを提供する予定です。
以上
■会社概要
(1)商 号:SIMPLEX QUANTUM株式会社(http://www.simplex-q.com/)
(2)代 表 者:代表取締役 遠藤寿
(3)本店所在地:東京都港区
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