株式会社エイチーム(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:林高生)は、2024年10月29日開催の第25回定時株主総会での決議をもちまして、金子 昌史氏(かねこ まさし)が社外取締役に就任しました。本日11月6日に、「金子 昌史 新社外取締役に聞く『エイチーム 3.0への道』」と題したインタビュー記事を公開します。
成長戦略である「売上向上支援カンパニー」への変革に向けた経営体制の強化を図り、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
「金子昌史 新社外取締役に聞く『エイチーム3.0への道』」
2024年10月29日より、新しくエイチーム 社外取締役となりました金子昌史さんに、エイチームの印象や、今後のエイチームについて、お伺いしました。
金子 昌史(かねこ まさし) 社外取締役 略歴
2009年4月 JPモルガン証券株式会社 入社
2015年4月 株式会社ストライプインターナショナル 入社
2018年6月 株式会社アドバンテッジパートナーズ 入社
アドバンテッジアドバイザーズ株式会社 出向
2023年12月 アドバンテッジアドバイザーズ株式会社
ディレクター(現任)
2024年3月 rakumo株式会社 社外取締役(現任)
2024年6月 株式会社Eストアー 社外取締役(現任)
2024年10月 当社 社外取締役(現任)
・2018年6月に株式会社アドバンテッジパートナーズに参画。上場企業への成長支援を伴うマイノリティ投資業務に従事。IT/ベンチャー(エイチーム・rakumo・ビザスク・メタップス・Eストアー・サン電子・アプリックス・キャンバス・AppBank)や外食/BtoC(アークランドサービス・ひらまつ・エスエルディー・アサンテ)等への投資及び各種バリューアップ活動を推進し、経営面及び財務面からセイムボート(※1)での企業価値向上に従事。
・M&A/PMI(※2)、事業ポートフォリオ再構築、経営戦略策定、経営幹部採用など組織体制強化や主要KPI改善に向けた施策推進、オペレーション支援(プライシング最適化、営業マーケティング支援等)、ファイナンス・IR支援に至る多方面において、投資先企業の非連続的な成長と価値向上に貢献する。
・アドバンテッジパートナーズへの参画前は、J.P.モルガン証券株式会社で化学・食品業界の株式アナリスト業務に従事した後、株式会社ストライプインターナショナルの社長室長として事業開発、経営企画、M&A/PMI等を主導。東京大学経済学部経営学科卒業、京都大学経営管理大学院修了(MBA取得)。
・rakumo株式会社(東G 4060)社外取締役(現任)、株式会社Eストアー(東S 4304) 社外取締役(現任)
※1:セイムボート:英語の慣用句「in the same boat」からきています。自分たちの資金を投入し、同じリスクを共有することを意味します。
※2:PMI:Post Merger Integrationの略。M&A後の統合プロセスを指します。統合後の企業価値を最大化することが目的になります。
■参考情報
売上向上支援カンパニーへの変革に向けた事業提携及び資金調達について
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3662/tdnet/2458237/00.pdf
──金子さんの所属するアドバンテッジアドバイザーズは、どのような会社でしょうか?
アドバンテッジアドバイザーズ(以下、AA)は、バイアウトファンド老舗のアドバンテッジパートナーズ傘下における、“上場企業×マイノリティ投資(※3)”の専門チームです。AAの特徴を一言で申し上げると、「セイムボートでの経営サポート」と「第三者割当での資金提供」をセットでさせていただく“企業変革パートナー”です。
投資のスタートとしては我々が自由に投資先を選べるわけではなく、第三者割当という形で、CB(※4)や新株予約権を上場企業様にご発行いただいて、アドバンテッジパートナーズが出資しているファンドが引き受けることからパートナーシップがスタートいたします。その後、投資先社内にAA社員を加えていただき、いくつかのプロジェクトを推進させていただいています。
一方、我々はそのフィーをいただくことを目的とするわけではなく、あくまで引き受けた証券の価値を引き上げていく、すなわち株価が上がるところで初めてリターンを得るというビジネスモデルです。
そのため、投資先企業様に株価を上昇していただくことが我々にとっても死活問題でございます。“経営サポート“と言っても、言いっぱなしで終わりにはせず、しっかりと業績向上、ひいては株価上昇につながるところにまで粘り強く伴走させていただくファンドです。
※3:マイノリティ投資:投資対象となる企業の株式の50%未満を取得する投資方法。企業の経営権を持たずに資金提供をする形になります。
※4:CB:Convertible Bondの略。転換社債。一定の条件で株式に転換される社債です。
──最初にエイチームからの打診があったとき、どのようにお感じになりましたか?
社名はもちろん存じ上げていましたが、ゲーム企業というイメージがありました。しかし、開示資料をよく見てみると、現在はメディア事業が主力であると認識し直し、足元は業績が苦しいものの、同社の強みを生かした成長余地があるのではと感じました。
2023年10月に経営戦略室との初回面談においては、プライム上場維持に対する強いこだわりを感じましたし、M&A支援や経営助言のニーズを伺いました。我々としても、M&Aはバイアウトファンドを母体とするため得意分野ですし、セイムボートでの深い経営サポートに入るAAの投資スタイルとの親和性も高く、価値提供が可能と感じたのを覚えています。
その後、複数回の面談を経て、メディア事業の顧客接点やデジタルマーケティング力を活かし、メディア集客に留まらない集客支援のソリューション強化をはじめとしながら、顧客のLTV最大化や効率化に資するSaaS領域までプロダクトラインを拡大していく成長方向性のご提案を致しました。
──調査を進めていく中で感じた、エイチームの課題とはなんだったでしょうか?
年明け以降、資料を受領しながらデューディリジェンス(以下DD)に入りました。その中で、高度なデジタルマーケティングノウハウや高い技術開発力というケイパビリティを活かし、単独でみれば強い事業を複数有している一方で、部分最適で全体最適な取り組みが不十分である点が見えてきました。具体的には、個別事業における過剰投資、全社最適な資源配分方針の不在、予実管理の甘さなど、経営管理体制は不十分でした。
過去のように、外部環境が右肩上がりの時代は自由を重視した経営スタイルによりスピーディな事業展開が可能であった点は理解しますが、現状は新生エイチームに向けた変革期であり、良さを活かしながらも、全体最適な仕組みの構築が不可欠であると認識いたしました。
──今回の提携決断に至った、最も大きな要素はなんだったでしょうか?
我々は、エイチームの株価上昇が実現しない限り、ロスが発生する建付けで投資をしており、業績向上・株価上昇の方向性をしっかり合意でき、その実現の蓋然性に我々としても確信が持てるかが非常に重要です。そのため、今後の事業展開や成長余地を見極めるべく、DDを通じて各事業の市場・競合調査は勿論、各責任者の方々に今後の事業展開を深くお伺いさせていただきました。
そのプロセスを通じ、当初の仮説以上に、メディア事業のデジタルマーケティング力が非常にクオリティ高い点や、顧客接点も強い点がよく理解できました。そこで“売上向上支援カンパニー”というコンセプトをご提案させていただき、その実現に向けて、攻めと守りのバランスを取った成長を目指すべく、4つのプロジェクトをご提案し、密に擦り合わせをさせていただきました。
その中で、経営陣の皆様の変革に向けた覚悟をお伺いできた点は非常に大きかったですし、「オープンで熱量が高い組織風土」と「健全な財務基盤」という2大アセットがあるため打ち手の幅が広く、改革推進の蓋然性が高い点も投資意思決定において重要な要素でした。
──金子さんの思い描く「未来のエイチーム」について、教えてください。
AA投資先随一の素晴らしい人材にはDD時も驚かされ、AA投資委員会でも力説したのを覚えていますが、実際に支援を開始して感じるのは、幸いなことに、人材の強みはDD時の想定以上でした。
マネジメントから現場レベルまで企業文化が浸透しており、皆様の改革に前向きな姿勢には非常に助けられています。これにより、我々が少々アドバイスを申し上げるだけで、AA投資先における平均的な改革スピードと比べても、私の体感では3倍以上のペースで各種施策が同時並行的に推進できています。
実際、経営上の意思決定体制や予実管理など経営管理体制は、投資後たったの4ヵ月で大きく様変わりしましたし、個別施策に関しても早くも成果が出始めています。例えば毎週のM&Aプロジェクトではソーシング候補先とのトップ面談の数が飛躍的に増加していますし、IRプロジェクトでもまずは短期的目標であるプライム上場維持の必達に向けて具体的な施策の検討が進んでいます。
また、バランスシート上に潤沢な資金があるため、大胆な成長投資を続けながらも、並行して積極的な株主還元を実施可能である非常に稀有な企業です。プライム上場維持は通過点として何が何でも達成した上で、その後の“売上向上支援カンパニー”への変革実現に向け、エイチームの皆様としっかり二人三脚で進めてまいりますし、足元の進捗スピードから、成功を強く確信しています。
──最後に、新役員としての意気込みをお伝えください。
今回、私自身も社外取締役として、エイチームの一員としてご一緒させていただくことになり、身が引き締まる思いです。引き続きファンド投資家として株主目線から取り組むべき論点は忌憚なくご提案させていただきながら、「エイチーム3.0」という非連続的飛躍に向け、経営変革と全社的成長をしっかりサポートしてまいる所存です。
(了)
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新経営体制として金子昌史氏を迎え、ホールディングス経営体制の強化を図っております。引き続き、成長戦略である「売上向上支援カンパニー」への変革に向けた経営体制の強化を図り、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
■会社概要
会社名:株式会社エイチーム(Ateam Inc.)
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅三丁目28番12号 大名古屋ビルヂング32F
代表者:代表取締役社長 林高生
設立:2000年2月29日
資本金:838百万円(2024年7月31日時点)
事業内容:日常生活に密着した比較サイト・情報メディア・ツールなどの様々なウェブサービスの企画・開発・運営、法人向けデジタル集客支援に関する事業支援サービスを展開する「メディア・ソリューション事業」、多様なジャンルのゲームやツールアプリケーションを企画・開発・運営する「エンターテインメント事業」、複数の商材を取り扱うD2Cサイトの企画・開発・運営をする「D2C事業」を展開するIT企業
URL:https://www.a-tm.co.jp/
※文中に記載されている会社名、商品名は各社の商標または、登録商標です。
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