陶隆房(すえ・たかふさ)は、弱冠20歳で大内義隆の重臣として1万もの兵を率い、その後、毛利元就と西国の雄を争った武将です。著者の吉川さんは、2010年『我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、最近では複数の作家による競作長篇『決戦!関ヶ原』や『決戦!三國志』にも参加している気鋭の作家。吉川さんが、陶隆房を通じて本作に込めた想いとは?また、本日よりePUB Viewer for Twitterで無料試し読みもスタート!その鮮烈な半生をどうぞご堪能ください!http://epub-tw.com/28434/
【著者 吉川永青氏より】
如何に偉大な人物でも、人には覆せないものがある。陶隆房の生涯を見ていると、そう思えてなりません。今の世の中、何かこう、人間が万能だと奢りすぎているような気がしまして、そういうところに抱いた疑問が『悪名残すとも』の出発点です。
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葉室 麟氏(作家) 感嘆!
――なぜ下剋上をしなければならなかったのか。美しき武将・陶隆房の凄絶な生き様が見事です。
縄田一男氏(文芸評論家)絶賛!
――遂に出た!これが吉川永青の最も熱い小説だ!!
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~西国一の侍大将と讃えられた男は、なぜ君主を討ち 下克上の代名詞となったのか~
【あらすじ】
天文九年(一五四〇年)の師走。毛利元就の居城、郡山城に尼子軍の怒濤の侵攻が押し寄せようとした時、一万の兵を率いた援軍が現れた。まだ二十歳の美しき軍師の名は、陶隆房(すえたかふさ)。大内義隆の重臣にして、援軍の大将を務める男だった。見事な戦略により尼子軍の侵攻を打ち破った隆房は、毛利元就の戦友として、親交を深めていく。だが、隆房の真の敵は、外部だけではなかった。翌年、出雲に侵攻した隆房の軍は、内部の統制も取れずに敗走を余儀なくされる。大内氏内部での文治派の台頭、主君・大内義隆の戦離れにより、武断派の隆房は追い詰められることに。さらに大内義隆の文化への傾倒と浪費は、天役(臨時徴税)を連発することになり、領民を苦しめていくのだった。迫り来る隣国の侵攻、疲弊する大内氏を立て直すため、隆房はついに決断を下す。書き下ろし歴史長篇。
※担当編集より:陶隆房について※
陶隆房は、晩年に名前を陶晴賢(すえ・はるかた)と変えます。これは、大内義隆の養子であった大友晴英を新当主として擁立したときに、大内家の当主から一字を拝領することから改名したものです。毛利元就と雌雄を決した厳島の戦では晴賢と名乗っていましたので、そちらの名前が一般的に知られるようになります。
陶隆房という武将を描いてもらいたいと強く感じたのは、彼の辞世の句「何を惜しみ 何を恨みん 元よりも この有様に 定まれる身に」に惹かれたからです。主君を討ち、下克上の悪名を残しながらも、ある種悟ったような、悲しみに満ちた句を遺したのはなぜかという疑問がありました。彼は本当に悪人だったのか。それがこの企画の出発点です。
※装画について※
小説の挿絵やゲームのキャラクターデザインで数々の実績を持つ、イラストレーターの小島文美氏が担当しています。
【著者プロフィール】吉川永青(よしかわ・ながはる)
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、2011年に刊行。三國志ファンのみならず、幅広い評価を得る。同年には第2弾『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』を刊行、2012年、第33回吉川英治文学新人賞候補に。2015年、『誉れの赤』で第36回吉川英治文学新人賞候補となる。7人の作家による“競作長篇”『決戦!関ヶ原』にも参加している。他に、『戯史三國志 我が土は何を育む』、『時限の幻』、『義仲これにあり』、『義経いづこにありや』、『天下、なんぼや。』などがある。
【書誌情報】
作品名:『悪名残すとも』
著者:吉川永青
発行:株式会社KADOKAWA
装画:小島文美
装丁:大原由衣
【単行本】
発売日:2015年12月25日 ※地域によって発売日が前後する場合があります。
頁数:376頁/体裁:四六判上製
定価:本体1,900円+税
【電子書籍】
配信日:2015年12月25日※ストアによって配信日が異なる場合があります。
電子書籍希望小売価格:本体1,900円+税
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