多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、米国食品医薬品局(FDA)がクラスIIIに分類する埋込型医療デバイスを含む、医療アプリケーション向けに、超低消費電力の3軸加速度センサ MIS2DHを発表しました。STには、医療機器メーカー向けの加速度センサを長年にわたり開発してきた経験があります。この経験を生かしたMIS2DHは、既に提供を開始しており、アクティビティ・モニタや姿勢検知などの機能を、広範な医療デバイスに実装することができます。
心臓病の患者の長期延命や、慢性痛患者の生活状況の改善のため、心臓ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD : Implantable Cardioverter Defibrillator)、神経刺激器などの埋込型医療デバイスは、長年にわたって使用されてきました。今日、医療業界では、高血圧、てんかん、震えを伴う症状など、さまざまな慢性疾患の治療における新しい埋込型医療デバイスの有用性に関心が集まっています。このような用途の多くでは、埋込型医療デバイスによる刺激を管理することで、治療の効果や患者の生活状況を改善するため、患者の動きや姿勢を測定できる加速度センサが重要になります。
これまで、革新的な新しい医療機器の開発を目指す中小企業にとって、カスタム設計のセンサとFDA認可の取得に関連する高いコストが大きな障害となってきました。3軸センサ素子と専用ICを1パッケージに集積したMIS2DHは、FDAクラスIII認可の取得に求められる以下の付随事項をサポートすることで、この課題に取り組んでいます。
・専用の製造・検査フロー(追加チェック、スクリーニング、プロセス制御を含む)
・10年間以上の製造記録の保管
・メディカル・グレードに準拠した製品変更の管理ならびに通知
・各バッチに適合証明書(CoC)を発行
・長期の製品供給保証
MIS2DHは、STが医療分野向けの製品に適用するルールに基いて開発・製造されています。このルールは、繊細な医療機器向け製品の開発・製造フローを確実にするため、2012年に策定されました。
STのカスタムMEMS事業部 ジェネラル・マネージャであるAnton Hofmeisterは、次の様にコメントしています。「世界人口の高齢化が進む中、慢性痛患者の生活の質の向上や長期延命は、ますます差し迫った課題となっており、あらゆる規模の企業に属する医療分野の研究者や電子技術の専門家が、埋込型医療デバイスを活用した解決策の模索に力を入れています。STは、モーション検知に関する世界トップクラスの専門性と、最も厳しい医療基準に適合する医療デバイス向け製品のロバストな開発・製造・テスト手法を組み合わせると共に、大幅なコスト削減と開発期間の短縮を可能にすることで、医療分野の重要な発展に貢献しています。」
MIS2DHの特徴
・3軸加速度センサ
・超小型サイズ(2 x 2 x 1 mm3)
・超低消費電力 : 最低2μA(低消費電力モード時)
・選択可能な加速度検出範囲 : ±2g/±4g/±8g/±16g
・動作モード : 8 bit、10 bit、12 bit
・出力データ・レート : 1Hz~5KHz
・システムの消費電力を最小限に抑えるFIFOバッファとプログラム可能な割り込み
・デジタル出力 : I2C / SPI
・動作電圧作電圧 : 1.71~3.6V
MIS2DHは、現在量産中です。価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまでお問い合わせください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、私たちの暮らしに欠かすことのできないエレクトロニクス機器に、優れた性能と高い電力効率を特徴とした半導体を提供する世界的な総合半導体メーカーです。あらゆるシーンで活躍するSTの製品は、お客様が開発する次世代モバイルやIoT機器の他、よりスマートな自動車、工場、都市および住宅を可能にします。STは、生活をより豊かにする技術革新を通じ、「life.augmented」の実現に取り組んでいます。STは、10万社を超えるお客様に半導体を提供しており、2014年の売上は74.0億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st-japan.co.jp )をご覧ください。
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アナログ・MEMS・センサ製品グループ
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