亀山電機、キヤノンIT ソリューションズ、toor、サイバネットシステムの4社が共同でPoC※1を実施
株式会社亀山電機(以下「亀山電機」)、キヤノンIT ソリューションズ株式会社(以下「キヤノンITS」)、株式会社toor(以下「toor」)、サイバネットシステム株式会社(以下「サイバネット」)の4社は、ベルトコンベアに取り付けられた温度、振動などのセンサー情報に加え、ベルトの状態の2D、3D 画像をIoTで取得、分析し、正常運用時との変化を可視化したMAPをモニタリングすることで、故障に繋がる予兆をいち早く検知する予知保全システムのPoCを実施します。
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◆背景
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製造業における設備で使用される機械装置は、いずれも連続稼働での劣化により機能が低下し、突然の故障により、設備が停止、場合によっては、生産停止となり、それにより損失も多大なものとなっています。
故障しやすい装置として、モータ・ファンなど大・中型回転体で使用されるベアリングや歯車、ベルトコンベア等が挙げられ、こうした装置の障害や異常の前兆となる変化を影響の小さな段階で検知し、対策を講じることのできる“予知保全”が可能となれば、想定外のシステム停止や機器の重大な損傷を防ぎ、稼働率向上、設備寿命の延長、交換部品の削減にも貢献できます。
一方、予知保全のためには様々な個所へのセンサーの設置や、ベルトの状態を監視できる画像情報の取得も必要となり、分析対象の要素数(変数)が増大し多変量データとなることで、既存の手法では分析困難となります。
今回のPoC では、センサー情報と画像の特徴データを合わせ200 以上の要素数となる多変量データを統合し、機器全体の稼働状況を俯瞰する事ができる新たなMAP 化手法を取り入れました。対象とするのは、資材や生産物の運搬など屋内外問わず様々な環境で利用されているベルトコンベアです。ベルトコンベアの日々のメンテナンスは現場担当者の目視を中心に行われていますが、頻度は少ないものの故障発生時はベルトの破断など重大なトラブルにつながることが多く、早急に予知保全が求められています。
さらに、この手法により日々の機器の状態監視だけでなく、経年劣化に伴う状態の変化も可視化できるため、機器の区別なく一定周期で行っていたメンテナンスを、個々の機器の状態に応じて必要な時期に実施でき、故障発生リスクの低減、メンテナンスコストの最適化につなげる事が可能となります。
亀山電機では、今回ベースとなる各社の技術を利用した、機器の故障予知保全サービスを2019年度より開始する予定です。
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◆各社の役割
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■亀山電機(PoC主体、事業化検討)
「予知保全」実現のために、システムインテグレーターとして、身近となったIoT技術により、計測データ、制御データ、各種センサーから収集された様々なデータを集約、MAP化、画像解析技術を組み合わせて、遠隔監視・操作、予知保全のIoTシステムを提案していきます。また、当社では、ビッグデータに関する専用マーケティングサイトの公開を12月に予定しています。
■キヤノンITS(画像取得、分析、特徴抽出)
「予知保全」のモデルMAPを作成するためのIoT技術の1つとして、対象ワークに合わせた2D/3Dカメラ撮像制御技術及び、取得した画像データからの特徴量抽出処理手法を提案します。さらに、画像特徴量やセンサー情報に対し、分析に適したクレンジング技術によりデータ化を支援します。
■toor(多変量データMAP化エンジンtoorPIAの提供)
BIGDAT@Viewerにおけるマップ作成処理と特徴量抽出処理を司るビッグデータ解析エンジンtoorPIAを提供します。またPoC 向けに、既存マップ上へ新たにセンサー等IoTから取得したデータをリアルタイムプロットするためのエッジコンピューティングtoorPIA Edgeを提供します。
■サイバネット(ビッグデータ可視化/分析システムBIGDAT@Viewerの提供)
IoTで収集されたセンサー情報や、2D/3D 画像の特徴データから、日々の正常稼働状態のMAPを作成します。この正常状態のMAP上に新たに取得されたデータをプロッティングする事により、正常時との比較をMAP上で行います。
BIGDAT@Viewerの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/bdv/
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【注釈】
※1:PoC(Proof of Concept):新たな概念やアイデアが実現可能か、効果や技術的な観点から検証する行程。
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亀山電機について
株式会社亀山電機は、国内外の火力発電プラント設備に関する計装制御を主として、国内大手EPC メーカーより委託を受け、制御盤の設計、製造、プログラム作成などを行っている会社です。また2008年より制御装置における世界的トップメーカである独SIEMENS AG社のソリューションパートナーに認定、2018年には国内で3社目となる同社のDCS SIMATIC PCS 7の認定を受けており、2014年から同社の制御機器を使用した輸入機械装置の保守・メンテナンス事業を展開しております。詳細は下記Webサイトをご覧ください。
http://www.kameyama-grp.co.jp/
キヤノンITSについて
キヤノンITソリューションズは、キヤノンマーケティングジャパングループの一員としてITソリューション事業の中心的な役割を担い、ITシステムにおける企画・設計・構築から運用・保守まで、お客さまのシステムライフサイクルを一気通貫で支えてまいりました。その中で、産業オートメーション分野では、1992 年より英国AVEVA Softwareの「Wonderware」製品を、また画像処理分野では、1992 年からカナダMatrox社の画像処理ボードおよび画像処理ライブラリを取り扱い、日本の製造業に向け様々なITソリューションをご提供しています。キヤノンITソリューションズ株式会社に関する詳しい情報については、下記WEBサイトをご覧ください。
https://www.canon-its.co.jp/
toorについて
株式会社toorは、高次元ビッグデータを教師なしで0次仕分けする「ビッグデータ解析エンジンtoorPIA」とそのIoT対応版である「リアルタイムエッジコンピューティングエンジンtoorPIA Edge」のライセンス提供販売を行っており、パートナー企業各社と共にBIGDAT@Viewerによるビッグデータ解析サービスをはじめ、製造プロセスにおける機器予兆保全や品質異常検知、道路等のインフラ劣化予防など幅広い分野における課題解決にむけて取り組んでいます。詳細は下記Webサイトをご覧ください。
https://www.toor.jpn.com/
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスを展開しており、電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関などさまざまな業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。具体的には、構造解析、射出成形解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、AR及びVR、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのソフトウェアを取扱い、さまざまな顧客ニーズに対応しております。
また、企業が所有するPC/スマートデバイス管理の効率化を実現するIT資産管理ツールをはじめ、個人情報や機密情報などの漏洩・不正アクセスを防止し、企業のセキュリティレベルを向上させるITソリューションをパッケージやサイバネットクラウドで提供しております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering)とは、「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術です。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献しております。
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