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STORY 富士電機の製造業DXで「リアルタイム経営」を支援。生産性15%増も ― 実は製造業DXに強い富士電機

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富士電機の製造業DXで「リアルタイム経営」を支援。生産性15%増も ― 実は製造業DXに強い富士電機

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1923年の創業以来、富士電機株式会社は産業・社会インフラに関わるさまざまな分野でグローバルな社会に貢献してきました。近年はものつくりの分野で培ったノウハウを活かし、製造業DXを実現するためのソリューションとして、「グローバルスマートファクトリー(GSF)」に関する製品を多数提供しています。GSF製品の拡販を担当するDX技術部長の東谷直紀に話を聞きました。

「リアルタイム経営」が日々の業績に直結

デジタル技術を駆使して業務プロセスを改善していくDXの重要性は、今や多くの経営者に共有されています。とくに製造業では、製造現場の情報を経営陣にリアルタイムに伝える必要があります。


実際、富士電機がGSF製品の導入を通じて「リアルタイム経営」の実現を支援したある大手食品メーカでは、それまでに比べて工場の業務効率が15%アップしました。経営陣が製造現場の情報を一元管理することは、日々の業績に直結するのです。


ところが実際には、日本の製造業では多くの企業がデジタル化について大きな悩みを抱えているといいます。東谷はこう説明します。


「多くのお客様に見られるのが、製造現場の情報が各部門や工場ごとにバラバラなフォーマットで集められていて、統一されていないケースです。電子化されている部門もあれば、今も紙でデータを管理している部門もある。電子化されていてもシステムのアーキテクチャ(基本設計や構造)が統一されていなかったり、システムの導入年ごとにシステムを構築したベンダーが違うために、うまく連携できていなかったりする。その結果、経営側が必要とする情報が迅速に上がってこない事態に陥っています」


こうした目詰まりが起きる背景には、現場の課長クラスの裁量権が大きく、現場で解決するという日本企業特有の事情があります。ボトムアップで高品質な製品をつくり上げてきた日本のものつくりの長所が、DX実現においては皮肉なことにボトルネックになりがちなのです。


富士電機(株) 情報ソリューション事業部 DX技術部長 東谷直紀


「現場でいま起きていること」の全容がわかる

こうした現状を打破するのに有効なのが、富士電機の製造業DXのソリューションとなるGSF製品群です。中核となるのは、生産ラインのさまざまな状況を把握・管理し、作業者への指示や支援を行うMES(Manufacturing Execution System)と呼ばれる情報システム「MainGATE(メインゲート)」です。


工場の生産ラインや倉庫などの設備には、各種のセンサやエッジコントローラなど、生産現場の情報を収集するさまざまな装置が搭載されています。メーカも違えばデータの形式も違うこれらの装置から上がってくる種々雑多な情報は、これまでバラバラに管理されていました。しかし、MainGATEを経由させることで、データを統合して分析基盤に集めることが可能になります。


情報が一元管理された「工場DXプラットフォーム」を実現することで、経営陣が「製造現場でいま起きていること」の全容をリアルタイムで把握できるようになるのです。


他社製品との連携は富士電機の“お家芸”

バラバラに管理・運用されていた情報を一つに統合する。多くの企業が苦しんできた難題を、なぜ、富士電機は解決できるのでしょうか。東谷はこう語ります。


「私たち自身、各種センサやエッジコントローラなどを自社で製造・販売していて製造業の現場を知っていることも強みの一つですが、それだけでなく、私たちが手がけるプロジェクトでは、他社の設備やシステムと連携しなければいけないケースが多々あります。私たちは、設備や制御システムのベンダーなど一度に複数の他社を取りまとめてエンジニアリングする経験が豊富にあります。こうしたノウハウが蓄積されているので、他社の設備やシステムと連携させることは私たちの“お家芸”と言ってもいい得意領域なんです。スタッフの経験値が高いだけでなく、他社のシステムを動かすドライバやインターフェースも多数用意しています」


自社の山梨工場をモデル工場と位置づけ、「工場DXプラットフォーム」実現の“実験台”として活用してきたことも特筆すべき点の一つ。データの収集や連携の方法から、集めたデータをどのようなかたちで取り出して経営に活用するかなど、実地での試行錯誤が積み重ねられているため、実は富士電機は工場DXに強いのです。



正確で迅速な「ものつくり情報」は経営上の死活問題

では、情報が一元管理された「工場DXプラットフォーム」が実現すると、企業の経営にとってどんなメリットがあるのでしょうか。


これまで多くの企業では、製造現場の情報を取りまとめるのに時間がかかり、経営者の手元に届くのは1週間後の定例会議、ということも普通でした。これでは日々の課題に対処するにはタイムラグがありすぎます。たとえばある製品の原価が高すぎた場合でも、翌週になって判明したのでは手遅れです。


東谷がもっとも強調するのは、こうした現状を変革する「リアルタイム経営」の実現です。


「工場DXプラットフォームで、一元管理された情報が分単位、時間単位で経営側にも入ってくるようになれば、工場の稼働率が落ちた時にすぐ原因を特定して、データに基づいた修正を現場に指示することができます。ものつくりの情報は現場にしかありませんから、それがいかに遅滞なく、正確に経営者に伝わるかは死活問題です」



ベテランの技術をAIによる補助で再現

製造現場の情報を一元管理することの利点は他にもあります。近年、本格的に実装されるようになったAIを用いた因果解析によって、製品の品質改善や生産ラインの効率改善などを図ることが可能になるのです。


「たとえば生産ラインの稼働率が想定より低い場合に、AIが関連要因を半自動的に挙げることが可能になっています。従来は、こうした事態にベテランの職人さんが長年の勘で対処するケースが多くありました。しかし、近年は少子高齢化などで人手不足が進み、技術の伝承が課題になっています。AI技術の補助で、ベテランの勘に頼らなくても現場が回るような仕組みを構築することが可能になっていくはずです」


さまざまな部門の情報を分析基盤に集約する「工場DXプラットフォーム」を実現することは、今後ますます発展していくであろうAI技術を活用するための第一歩でもあるのです。東谷はこう呼びかけます。


「リアルタイム経営の実現には、企業としてどんな姿を実現したいのか、まずは全体のコンセプトを定めることが何より重要です。そこを見失って、個別の現場の事情を優先して物事を決めていくと、結局、またバラバラのシステムができあがってしまいかねません。しっかりとした将来ビジョンを見据えた上で、個別のステップについては投資計画などそれぞれのご事情に合わせて考えていきます」


富士電機はプロセスの段階から工場DXをめざす経営者の皆さまの背中を押していきます。




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