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STORY ラクスの「メールディーラー」、生成AIを使ったクレーム検知オプションを提供へ

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ラクスの「メールディーラー」、生成AIを使ったクレーム検知オプションを提供へ

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今回特集するのは、ラクスが運営する「メールディーラー」(Mail Dealer)だ。 国内におけるSaaS企業として、ラクスはトップクラスの存在だ。売上高は一貫して右肩上がりで、現在の時価総額は4,000億円規模。マネーフォワードやSansanといった並いるSaaS企業を上回り、成長性と収益性の両面で群を抜いている。


Finboard


ラクスを知る方なら、多くが『楽楽精算』『楽楽明細』などのサービスを思い浮かべるのではなかろうか。楽楽シ リーズは売上の大きな割合を占めるが、開始したのは2009年と2013年。2000年創業のラクスにおいて、比較的近年になってから始めたサービスである。

今回取り上げる『メールディーラー』は、ラクスが初めて開発したSaaSプロダクト。開始したのは、創業の翌年 である。長く運営されるサービスでありながら、2024年に至るまで売上成長を続けている。



メールディーラーは今年10月、生成AIを活用した目玉機能の発表を予定している。問い合わせ対応は悩みの種になりがちだが、サービスを改善するためのヒントにもなる。今回は、メールディーラーの特徴と直近のアップデー ト、今後の展望についてラクスの西山和人氏から話を聞いた。

ラクスが開発した「初めてのSaaS」

SaaSフリークなら誰もが知ることだが、ラクスの祖業は「ITエンジニアスクール事業」(現在はIT人材事業)。そ んな同社において、初めて開発・提供したのが2001年開始の『メールディーラー』だった。当然ながら、その頃は 「SaaS」という言葉もなかった。楽天をはじめとするマーケットプレイスが台頭する中、「メールの問い合わせ対応」に特化してEC事業者などの需要を獲得。現在に至るまで、累計導入社数は8,000社以上。売上シェアは15年連続No.1(※)だ。

※出典:ITR「ITR Market View:メール/Web/SNSマーケティング市場2024」メール処理 市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2009~2023年度予測)



事業者と顧客をつなぐチャネルが多様化する中、メールディーラーはメールに電話、LINE経由の問い合わせにも対応。今ではEC事業者だけでなく、SaaSをはじめとする様々なジャンルで使われている。

クラウド型のメール共有管理システム

多くの顧客を抱える企業には一般的に、「support@example.com」のような問い合わせ窓口がある。毎日のように大量の問い合わせが送られてくるが、対応するためには専任の顧客サポートチームが必要だ。メールディーラーを使うと、複数の人間が一つの問い合わせ窓口を分担して管理できる。ブラウザを使って問い合わせに対応し、返信モレや二重対応といったトラブルを防ぐことができるわけだ。


企業には、対応品質を揃えたい、誤送信や情報漏洩を防ぎたいといった課題もある。テンプレートや承認機能によ って対応ノウハウの属人化を防いだり、対応人員の教育を効率化することも可能。『BIZTEL』などのCTI(コール センターシステム)と連携し、過去の対応履歴を照会することもできる。

生成AIによるクレーム検知オプション

ラクスの調査によると、問い合わせ対応に課題や悩みのある管理職は83.9%にのぼる。なお、カスタマーサポート部門の管理職に向けた調査であり、1,000件を超える回答をもとにしている。

中でも多いのは、問い合わせ量、対応スピード、見落とし・漏れに関する課題。半数以上の企業は10名未満でカスタマーサポートを運営しており、問い合わせの多さに四苦八苦する状況が目に浮かぶようである。問い合わせが多ければスタッフは疲弊するし、新人を教育するにもリソースがかかる。

そこに拍車をかけるのがクレーム対応だ。昨今では「カスハラ」というワードもよく聞くようになったが、顧客からのクレームはスタッフの離職にもつながりかねない。



そんな中で新たにリリースするのが、生成AIを活用した「AIクレーム検知オプション」だ。メールディーラーで扱う問い合わせのうち、特にリスクの高いものをピックアップしてくれる。その仕組みはこうだ。受信したメールの内容から、AIが感情分析を行う。裏側では現在「GPT-4o」(2024年9月30日現在)を使っているという。クレームリスクのあるメールを見つけたら、受信ボックス上でひと目で認識できる ようラベルの付与や、しかるべき人員へ通知を飛ばすことができる。




対応する従業員は優先すべき問い合わせを一目で確認できるし、マネジメント側も従業員のケアに気を配れる。従業員だけがクレームを抱えずに済めば、組織として問題に対処できる。中には、従業員のフォローのため管理者自身が常時メールチェックを行っているケースもあるというが、そうしたケースでは工数削減も期待できるだろう。

「グッドマンの法則」でクレームをプラスに

うまくクレームに対処できれば、企業にとっては顧客エンゲージメント向上の一手にもなりうる。「グッドマンの法則」という言葉をご存知だろうか。

顧客へのクレームを迅速に解決できると、再購入につながりやすい」などの法則である。発端は1980年前後、米消費者問題局から依頼を受けたジョン・グッドマン氏が、消費者の苦情処理調査を行ったことにある。そこから顧客ロイヤルティ協会の佐藤知恭氏が法則性を見つけ、この法則が命名された。グッドマン氏は2015年、このテーマに関連してMedium上に自ら文章を書いている。曰く「知らせがないのは良い知らせではない。文句を言わない顧客に気をつけろ」。


顧客の多くは実際には何も言わずに去っていく。もしクレームが来たら、その裏側には何倍、何十倍もの利用者が不満を抱えている。 つまり、顧客単価が10万円のビジネスであれば、一つのクレームには何百万円という価値がある。クレームを適切に処理すれば、積極的に意見を言ってくれる顧客を喜ばせ、リピーターに変えられる可能性がある。彼らをファンに変えられれば、プラスの口コミも期待できるかもしれない。地道な取り組みが、ブランドの価値を引き上げてくれるというわけだ。メールディーラーを活用すれば、「グッドマンの法則」を活用したサービスの改善やリピーターの獲得、口コミ促進につなげられるかもしれない。関心のある方は、同サービスの資料を確認してみると良いだろう。

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※本記事はストレイナーに掲載された記事の転載になります。






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