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STORY Microsoft Copilot活用で業務効率アップ、AIチャットボット改善で社内の疑問を解決――未来の働き方を自ら体現するFWBBの取り組み

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Microsoft Copilot活用で業務効率アップ、AIチャットボット改善で社内の疑問を解決――未来の働き方を自ら体現するFWBBの取り組み

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PKSHAグループのPKSHA Workplace(パークシャワークプレイス、以下Workplace)は「AI-Powered Future Work」をビジョンに掲げ、AIが日常業務に溶け込む未来の働き方について日々検討しています。そして社内プロジェクトのひとつである「Future Work Black Belt(以下、FWBB)」では、未来の働き方を自らが体現することを目標に、AIツールの探索や利活用に関わる活動を推進しています。発足から1年半、3期目を迎えた同プロジェクトは、今期「Microsoft Copilotの利活用」と「『PKSHA AIヘルプデスク』の改善」というふたつの活動に主に取り組みました。その活動内容について、FWBBのメンバーである3名に聞きました。



山内 一生(写真右・PKSHA Workplace Sales Marketing部 マーケティングチーム マネージャー)

前職では、EC/D2C向けSaaSのtoBマーケティング組織のグループマネージャーとして組織立ち上げを行い、マスマーケティングやリード獲得戦略を推進。現職では、2024年4月にPKSHA Workplaceへ入社し、マーケティングチームに所属。PKSHA AIヘルプデスクの認知向上やリード獲得に注力し、商談創出を目指す活動を行う。


川崎 慧人(写真中央・PKSHA Workplace Sales Marketing部 パートナーアライアンスチーム)

前職では中小企業の経営者に向けた、在宅ワーカーの活用コンサル会社に入社。インサイドセールスのマネージャーとして従事。自身でもコンサル、営業、採用など幅広く業務を推進。今後のインフラかつ確実に成長領域であるAIというテクノロジーに興味を持ちPKSHA Workplaceに入社し、パートナー兼カスタマーサクセスを推進中。


松山 司(写真左・PKSHA Workplace Customer Success部)

生保系SIer、日系コンサルティングファームにて数多くのBPRプロジェクトを推進。その後、外資系/内資系スタートアップにてカスタマーサクセスとして顧客のDXプロジェクトに伴走した。技術力の高さと企業文化に惹かれてPKSHA Workplaceに入社。カスタマーサクセスとして金融・製造など幅広い業種のエンタープライズに対し「PKSHA AIヘルプデスク」の導入を推進中。

未来の働き方のエキスパートとして活動するFWBB

――はじめに、FWBBの概要についてお聞かせください。

山内:FWBBは、「AI-Powered Future Work」をビジョンに掲げるWorkplaceの社員が自ら未来の働き方を体現することを目的に、AIツールの自社活用を促進するプロジェクトです。AIを活用したプロダクトをクライアントに説得力をもって提供するためには、まずは自らがAIを使って生産性を向上させることが重要だと考え、このプロジェクトを立ち上げました。


Future Work Black Beltの“Black Belt”は柔道の黒帯に由来していて、FWBBは未来の働き方の黒帯、つまりエキスパートであることを表しています。Workplaceのエンジニア、営業、カスタマーサクセス、マーケティングなど異なる職種のメンバーでチームを構成しており、半期に一度メンバーを替えながら運営しています。


FWBBは今期で3期目を迎えますが、過去には、社内の問合せを一括対応するAIチャットボット「Minsky」の立ち上げや、セールスイネーブルメント文脈でのAI活用を推進しました。


××

――3期目を迎えたFWBBのミッションを教えてください。

山内:今期の具体なミッションには、「『PKSHA AIヘルプデスク』をAIナレッジプラットフォームとして活用し、連続的に高いMAU率を達成する」、「Microsoft Copilot(以下、Copilot)のユースケースを3つ以上創出し、連続的に高いMAU率を達成する」、「AIの先進的な活用事例を対外発信する」という3点を掲げていました。

――その目標を達成するために、主にどのような活動に取り組みましたか。

山内:今期の取り組みは主に二つです。一つめは新規プロダクトの探索の一環として、Copilotの利活用を促進する活動を行いました。二つめは、自社プロダクトである「PKSHA AIヘルプデスク」をメンバーのオンボーディングに活かせる形に改善しました。

Copilot利用率80%を達成、業務効率を大幅に向上

――まずCopilotの利活用について、具体的にどのようなことに取り組みましたか。

川崎:社内や対顧客のオンラインミーティングを録画し、Copilotで要約することで、会議の事前準備、議事録の作成、内容の振り返り、次回までのアクションタスクを作成するようにしました。これによって、ミーティング参加者の事前・事後の業務時間を大幅に短縮しただけでなく、ミーティングに参加できなかったメンバーが情報をキャッチアップするのも容易になる効果をもたらすことができました。


また、ミーティング資料の作成にもCopilotを壁打ち相手として活用し、大量のデータをExcelで分析する際にもCopilotを壁打ち相手とすることで効率的に進めることができるようになりました。そのほか、勉強会などの動画もCopilotに読み込ませ、要約動画を作ることにも取り組んでいます。


社内のあらゆるナレッジをCopilotに読み込ませ、どのような効果が得られるかを探索し、その成功体験をFWBBが主体となって週次ミーティングの場で発表することで、社内にCopilotの活用を浸透させていきました。


松山:社内でのCopilotの活用を促進するほか、日本マイクロソフト様に協力を仰ぎ、Copilotの活用方法を学ぶ勉強会の企画・実施にも取り組んでいます。プロの視点での活用方法を教えていただいたり、他社のケースを教えていただいたりすることで、より多くの活用方法を模索することが勉強会の狙いです。こうした一連の活動は、日本マイクロソフト様とPKSHAの共進化を促進することにも寄与していると思います。


山内:もちろん、なかにはうまくいかないケースもありました。セールスやカスタマーサクセスの業務を効率化するうえでは手応えを感じましたが、マーケティングの業務では想定していた結果を出すことができませんでした。「どの業務、そしてどんな使い方ならAIツールの力を最大限に発揮できるのか」という問いに対して、より解像度高く答えられるようになったので、これもひとつ有意義な経験だったと感じています。

――取り組みの結果、どのような成果がありましたか。

松山:2024年7月の調査結果で、社内のCopilot利用率は80%と極めて高い割合であることがわかりました。ミーティング資料を作る時間を1~2時間から30分へ、議事録をまとめる時間は30分から10分へと、Copilotによって業務時間が短縮されることを実感しているメンバーが多いからこそ、これほど全社的に浸透したのでしょう。この短縮時間は一つひとつ見れば小さなものかもしれませんが、月20~30回のミーティングで積み上げられていくと考えると、長期的な視点で捉えた生産性は飛躍的に向上するはずです。


この結果を受け、マイクロソフト様の本社からCopilot活用事例として動画取材をしていただきました。PKSHAは企業規模に占めるアカウント数が多いということで、全社的にCopilotを使っているモデルケースとして抜擢されたそうです。こういった形で取り組みを取り上げていただいたことは、AIを利用して先進的な取り組みを行うWorkplaceの姿勢を対外的に発信する素晴らしい機会になりました。



PKSHA leans on Copilot for Microsoft 365 as part of their team

「PKSHA AIヘルプデスク」を新入社員向けに改善し、自社活用を促進

――次に、「PKSHA AIヘルプデスク」に関わる取り組みについてお聞かせください。

川崎:まず「PKSHA AIヘルプデスク」は、社内問い合わせの効率化やナレッジマネジメントを目的とし、Workplaceが開発・提供するサービスです。この「PKSHA AIヘルプデスク」の自社活用を促進すべく、搭載するドキュメントを拡充し、新入社員のオンボーディングに利用しやすいよう形を整えました。

「PKSHA AIヘルプデスク」サービスサイト


これまで社内には複数のチャットボットが存在し、「自社サービスについての質問に答える」「クライアントの事例を調べる」など、それぞれ異なる目的によって使い分けられていました。しかし、窓口が複数存在することで、社内におけるチャットボットの認知が広まりづらかったり、各チャットボットの回答精度に課題が残っていたりしたため、より使いやすくするための改善を加えることにしたのです。


まず、自社サービスの疑問に答える既存チャットボットを母体とし、複数チャットボットの窓口を一本化することにしました。また、これまで同チャットボットは、利用者の疑問を解決しきれず有人対応につながる割合が多かったので、ヘルプページやクライアントからのQ&Aのドキュメントを大量に読み込ませ、精度の高い回答を生成できるようにしました。

――この取り組みによって、どのような成果を得られたのでしょうか。

松山:回答精度が高まったことで、ある程度の疑問であればチャットボットに訊くだけで解決できる窓口を新入社員に案内することができるようになりました。社内では質問しやすい、誰でも答えてくれる環境はあるものの、どうしても上司が忙しいタイミングや、「これを聞いてもいいんだろうか」と悩む瞬間はあるものです。


そういったときにチャットボットにまず訊ける環境を整えたことで、新入社員の心理的安全性を高める効果があると考えています。また、「PKSHA AIヘルプデスク」をメンバー自らが利用することで、改めてUIや操作上の課題が見えてきました。プロダクトの改善点をユーザー視点で理解できるため、クライアントにより良いプロダクトを提供するうえでも今回の取り組みは価値のあるものでした。

「AI-Powered Future Work」への道筋を社内から築いていく

――今回の取り組みのなかで、PKSHAのカルチャーやバリューを感じられた瞬間はありますか。

山内:まずカルチャーについては、「PKSHA AIヘルプデスク」のヘルプページのドキュメントを変換する際、エンジニアの方がページからPDFを自動で発行するコードをClaude Artifactsを活用して書いていました。Claude Artifactsは社内で以前から話題に上がっていて、「試しに使ってみよう」と全社ミーティングで声がかかり、全員で触れてみたAIツールでもあるんです。FWBBの取り組みで、エンジニアがこうした新しいツールをさっそく活用していたのは、PKSHAらしさを感じられる瞬間でした。


松山:バリューでいうと、FWBBの取り組みは、バリューでのひとつである『未来志向』を色濃く体現しています。自社、他社問わず、AIに関わるあらゆる製品にアンテナを立てて、まずは使ってみて、活用できそうであれば社内に広めていく。このサイクルを回すことは、まさに未来志向を表していると思います。


また、『個の才能の発現』が起こりやすい活動であることもFWBBの特色です。異なる職種のメンバーが横断的に集まることでそれぞれの専門領域が際立つため、強みを発揮しやすいと感じました。


川崎:私はFWBBの活動を通じて『信頼のうねり』が生まれていたと思います。異なる強みや専門領域を掛け合わせながら、部署を横断してひとつの目標に向けて活動することは、互いの信頼を築いていくことにもつながります。すこし話がそれますが、Workplaceでは入社したらまず全員と1on1をして自己紹介をします。FWBBの活動だけでなく、こうした社内のあらゆる文化が、信頼のうねりというバリューを体現していると思います。

――FWBBでの活動を踏まえて、Workplaceで働く上ではどのような姿勢を持つことが大切だと思いますか。

山内:「働き方」に対して常に疑問を持ち続け、AIの力を活用して働き方そのものを革新していく姿勢を持つことが大切だと思います。Workplaceに入社してから、私自身の働き方も大きく変わりました。たとえばマーケティングに顧客事例を活かしたいと思ったとき、隣のメンバーに聞いてもいいのですが、ナレッジが集約されているAIに質問すればより多くの事例をインプットすることができます。


こうした実感を日々の業務から得ながら、「今の生産性やパフォーマンスが最大限なはずがない」と思いながら、より良い働き方を模索していくことが「AI-Powered Future Work」の実現につながっていくのだと思います。

――最後に、今後のFWBBの展望をお聞かせください。

山内:FWBBの目標は今後も変わりません。一方でAIの技術はどんどん進化しますし、それに伴ってPKSHAの中にも変化が起こっていくので、目標を達成するためのアクションは変わっていくでしょう。現時点では具体的なネクストアクションを決めていませんが、AIを活用した社内コミュニケーションの省力化について突き詰めていきたいと考えています。


松山:Workplaceの社員全員がAIを使い続けることで、「自分の仕事が楽になった」という実感を当事者として積み重ねていくことが大切だと思っています。さまざまなツールに触れ、成功と失敗を繰り返しながら、そこで得られた体感をプロダクトに反映していきたいです。


川崎:Workplaceは国内においてAIツールを開発・提供する企業として揺るぎないポジションを確立していると考えています。優れた技術力と社会実装に対して熱い想いを持つメンバーが集っていることが、その礎を築いていることも当社の強みです。そういった環境下でAIツールの新たな可能性を探索するFWBBは、ともすれば日本の働き方自体に大きな影響を与える可能性を秘めています。今はまだちいさな活動かもしれませんが、やがてここで得られたものを全国へと拡げていけることを目指して、今後も活動を続けていきたいです。






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