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STORY クラウドネイティブが“スタートライン”―パーソルダイバースが描くテクノロジー活用の道筋

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クラウドネイティブが“スタートライン”―パーソルダイバースが描くテクノロジー活用の道筋

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パーソルグループは中期経営計画2026において、経営の方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げ、従業員体験、また、顧客体験におけるテクノロジー活用を推進しています。


今回ご紹介するのは、障害者の多様なはたらき方を創出し、誰もが自分らしくはたらける社会づくりを目指すパーソルダイバースです。


“クラウドネイティブ”を目指し、保有するシステムをクラウド環境へ移行するプロジェクトを推進する中村と森田に、取り組みの背景や過程、今後の展望について詳しく話を聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。

障害者の“はたらく可能性とよろこび” を広げる

―まずは、パーソルダイバースとその事業についてご紹介いただけますか?

中村:パーソルダイバースは、パーソルグループの特例子会社*1として、また障害者雇用支援会社として、障害のある方々の“はたらく可能性とよろこび”を広げることに取り組む企業です。


パーソルグループの障害者雇用を支える「グループ障害者雇用事業」と、障害者雇用に取り組む企業やはたらきたいと願う障害のある方をサポートする「対外支援事業」を展開しています。


*1 特例子会社:障害者の雇用において特別の配慮をする子会社のこと


●  グループ障害者雇用事業:パーソルグループ各社から受託した多様な業務(転職サービス「doda」求人原稿制作、経理業務、オフィス清掃など)のほか、地域と連携して農作業受託や養蚕業支援、ノベルティの制作やカフェの運営なども担う。グループ障害者雇用の促進と活躍創出に取り組んでいる。


●  対外支援事業:企業が持つ障害者雇用における課題の解決に向け、人材紹介や採用代行をはじめとしたサポートやコンサルティングを実施。また転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」や就労移行支援サービス「ミラトレ」「Neuro Dive」などによって、障害のある方々の転職・就職や職場での活躍をサポートする。

―パーソルダイバースならではの強みはどのようなところにあるとお考えですか?

森田:幅広い業務を受託して雇用を創出できるのは私たちがパーソルグループの一員であることが一つの大きな強みだと考えています。人材サービスグループの一員だからこそ、その知見を豊富に保有している点も大きな強みです。


また、障害のある方に活躍していただくために欠かせない知見と、グループ内で障害者雇用を行ってきた実績があることも、障害者雇用のサポートを安心してお任せいただける要因になると考えています。

―お二人の所属組織と役割についても教えてください。

中村:私たちが所属するコーポレート本部 経営企画部 テクノロジーグループは、パーソルダイバースにおいてテクノロジー領域全般を担う組織です。


会社全体を見通して仕組みやシステムをスマートなものにしていくこと、データドリブンの事業を実現するための取り組みを推進すること、グループ全体のはたらく環境のデジタル化を進めるパーソルホールディングスのテクノロジー部門との連携を行うことの3つを主な役割としており、私たち二人はIT領域の担当として一緒になってさまざまな取り組みを進めています。

データセンター廃止を受け、大規模なクラウドシフトに着手

―現在パーソルダイバースで、保有システムをクラウド環境へ移行するプロジェクトが進められていると聞きました。具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。

森田:パーソルダイバースのコーポレートサイト、障害者向け転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」のWebサイト、バッチサーバ*2

の3つを、2022〜2024年の3カ年でクラウド環境に移行しようとしています。

*2 バッチサーバ:ジョブの投入から終了までを管理するサーバ

―プロジェクトが始動した背景を教えてください。

森田:パーソルグループとして、国内のグループ各社が標準利用しているオンプレデータセンターを廃止することが決まったことがこのプロジェクトの発端です。ちょうど私が入社したタイミングで廃止に向けた動きが始まり、これを受けて中村さんと二人でプロジェクトを立ち上げました。


中村:私自身サイトやデータまわりを一通り経験してきてはいるものの、よりテクニカルな部分を専門としているわけではないので、データセンター廃止に向けてどう対応していくべきかと考えていたところでした。そんな折、テクノロジーに高い専門性を持つ森田さんが入社してくれたことで、クラウドへの移行を腰を据えて進めていけると判断し、プロジェクトを開始しました。

―コンセプトとして “クラウドネイティブ” を掲げているそうですが、これを実現することによる利点とはどのようなものですか?

中村:たとえば、これまではサーバを立てるにも各領域のスペシャリストが必要でしたが、クラウド環境になればそういった垣根が取り払われ、多大な費用や時間をかけずに実現できるようになります。


こうしたコストの最適化のほか、拡張性や耐障害性に優れるなどクラウド化にはさまざまな魅力がありますが、これらを “最大限享受できること” がクラウドネイティブによってもたらされる利点です。


森田:IT領域を限られた人数で担当している私たちにとっては、特に大きいのはコスト面ですよね。AWSなどのクラウドサービスに寄せることで、各サービスのインフラ部分はサプライヤーの方々にお任せして、その分自分たちの時間をより新しいこと、よりやりたいことにかけられるようになるという期待があります。

―2022年にプロジェクトが始動して以来、どのように進めてきたのでしょうか。

森田:私たち二人だけで全ての移行を同時に進めることは難しいですし、一気に移行してシステムを利用する社員の業務が大きく変わってしまうと、現場に疲弊が生じかねません。そこで、システム規模と関係者への影響度をもとに優先順位をつけて一つずつ着手することとし、まずはコーポレートサイトから始めて、その後「dodaチャレンジ」のサイトを、最後に裏側のバッチサーバを移行する計画で順に進めてきました。

―プロジェクトを進める中で特に苦労されたことがあれば教えてください。

森田:パーソルグループで提供されるAWSクラウド基盤「C-MAC」を使うにあたって、グループのセキュリティ基準に準拠するために、当初想定した形から変更しなければならない部分があり、その落としどころを見つけていく過程には難しさを感じました。


中村:特に、社員の業務への影響に配慮するとポリシーから外れてしまう、という場面は難しかったですよね。たとえば、オンプレミス環境では社員の端末からデータにアクセスしていたけれど、「C-MACのデータにはクライアントマシンから直接アクセスができない」とポリシーで定められており、従来の運用を変えなければいけない、といったことがあります。


現場の要望に応えたいけれどそれが全てではなく、セキュリティなど担保しなければならないものがいくつもありますから。この落としどころの見つけ方が重要で、日々頭を悩ませているところですね。

―そういった難しさがある中、どのような思いでプロジェクトを進めてこられたのでしょうか。

森田:入社時からAWSを活用したい、特例子会社という立場ならではの最新の技術を使ってさまざまな取り組みを進めたいという思いがあったため、やりたいことができて幅広い経験を積める喜びがあります。また難しさを感じる中でも、この大規模なプロジェクトをやり遂げることで自分の市場価値を高められるはずだと、前向きな気持ちで取り組めています。


中村:上から降りてきた方針に対して動くのではなく、自ら方針を考えて進めていく今の仕事は、人任せや適当な姿勢ではできないものです。“自分たちがスタンダードだ”という感覚で、パーソルダイバースにおけるテクノロジー面の伸びしろをポジティブに捉えながら楽しんでいますし、非常にやりがいが大きいと感じます。

クラウドネイティブはゴールではなく、スタートライン

―お二人の、今後の展望を聞かせてください。

中村:サイトの表示速度やデータへのアクセスなど、お客さまや社員に影響する部分の課題はさまざまありますし、これから時間が経てば新たな課題も生まれてくるはずです。引き続きスモールスタート・スモールサクセスを積み重ねる形で、そうした課題を楽しみながら解決していきたいと思います。


また今あるものを良くしていくだけでなく、障害のある方々がより活躍できる状態を実現するためにテクノロジーを活用することにも取り組んでいきたいところです。


森田:そうですね。たとえばローコード・ノーコードのツールを活用して開発業務を受託するなど、一人ひとりが活躍できる範囲をテクノロジーの力を使って広げていけたら、よりおもしろいことができるようになるのではないかなと。また最近ではAIの領域が活発になってきているので、人材紹介領域などにおいてさまざまな形でAI活用を進めていきたいと考えています。


今回のプロジェクトで実現する“クラウドネイティブ”がスタートラインだと思うので、そこから多様なサービスやアーキテクチャを使って新しいこと、より難易度が高いことにチャレンジしていきたいですね。

―パーソルグループの一員として、どのような価値を発揮していきたいですか?

中村:グループとして「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指す方針を掲げ、“テクノロジー” を中期経営計画の中心に据えているからこそ、今私たちがやりたいことを積極的に打ち出せていると思っています。


テクノロジー活用を推進するという同じ考えのもとで、パーソルホールディングスをはじめとするグループ内の他のテクノロジー部門の皆さんと一緒に頑張っていきたいですし、パーソルダイバースの状況をより “テクノロジードリブン” に近づけて、グループにおけるプレゼンスや影響度を高めていければと思います。


※2024年6月時点の情報です。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。





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