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STORY システム全容を第三者の手で紐解く レガシー刷新の品質と安全な移行を支える「Futurefraqta」とは?

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システム全容を第三者の手で紐解く レガシー刷新の品質と安全な移行を支える「Futurefraqta」とは?

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複雑化したレガシーシステムがDXの障壁となっている「2025年の崖」問題。フューチャーの主要事業会社フューチャーアーキテクトは、「経営とITをデザインする」という理念のもと、様々な業種・業界のホストシステムの刷新を手がけてきました。その品質を支える独自のソリューション「Futurefraqta」について、開発者が語ります。



左)星 賢一:コアテクノロジーグループ 責任者。R&D部門を統括。

右)二村 暢之:同グループ スーパープログラマ。「Futurefraqta」を開発。

本質的な改革と安全な移行 実現のカギを握るのは「現行システムの可視化」

星:フューチャーでは2016年以降、全ての基幹刷新プロジェクトの品質管理に「Futurefraqta」を用いています。「Futurefraqta」は、現行のソースコードやドキュメント、ログを解析してシステムの内部構造を短期間でデータベース化する機能を備えた独自のソリューションです。

企業が競争力を強化するためには、ビジネスモデルの変革や市場環境の変化に柔軟に対応できるシステムが欠かせません。フューチャーの強みは「テクノロジーをベースに未来をデザインする力」、そしてそれを実現する「技術の目利き力」と「実装力」です。経営・業務・システム一体のあるべき姿(To Be)をお客様以上に考え、その構想を絵に描いた餅にせず実装までやりきるために、私たちはまず「Futurefraqta」で「システムの現状解析(=As Is分析)」を実施します。社外システムとの接続はどうなっているか。データ連携方式には何があるか。どのようなデータを連携しているか。私たちはそうした鳥瞰図をきちんと描き、どんな制約のもとで新システムを設計すればいいのか緻密に分析したうえで、お客様とコミュニケーションをとりながら構想を具現化していくことを大切にしています。



星:戦略領域のシステムは企業独自の業務の知恵・工夫が脈々と継ぎ足されて成り立っているために、複雑化・ブラックボックス化しがちです。大規模なシステムであるほど移行の難易度は高く、一歩間違えば業務が止まってしまうリスクがあり刷新が先送りされる要因となっています。しかし複雑に絡み合った現行システムを解きほぐして鳥瞰図を精緻化させることができれば、移行トラブルやリカバリ費用の増大といったリスクは最小限に抑えることができます。まず肥大化したシステムを疎結合にするための境界線を見極めて切り分けます。そのうえで、例えば、最初にカスタマーサービスなど優先度の高いシステムをメインフレームからオープン系へ移行します。「Futurefraqta」を使いシステムを可視化したうえで、1年後はこうする、2年後はこうするといった段階的な移行計画を立て、漏れなく着実にプロジェクトを進めていくことが成功の鍵です。現行システムの解析結果は刷新までの運用保守での生産性・品質向上にも役立ちます。

信用できるファクトを整理 科学的にプロジェクトを進める「ファクトベースアプローチ」

二村:私たちは「プロジェクトデリバリーはファクト(事実)に基づいて進めるべきである」という考えを大切にしています。ドキュメントとソースコードは一致していないことが往々にしてありますが、今動いているシステムを解析すれば信用できるファクトを得ることができます。その「ファクトベースアプローチ」を実現するソリューションとして開発したのが「Futurefraqta」です。

ソースコードを一つひとつ読んでいくのは膨大な工数がかかりますが、人間が読み切れない量であっても「Futurefraqta」を用いて特性を分析することで、複雑化・肥大化したシステムを小さく分解し、安全で確実な移行計画を策定できるようになります。



二村:当社のITコンサルタントは全員がソースコードを読むことができ、業務とシステムの両方に精通しています。だからこそ一人が最初から最後まで担当し、お客様の立場で経営戦略に寄り添い、最適なアーキテクチャを一気通貫でデザインすることができます。「Futurefraqta」はその科学的なプロジェクト運営とQCD(品質・コスト・納期)の向上を支えるための仕組みでもあります。

フューチャーは「起業家と発明家の集団になる」というコンセプトで成長してきました。私たちコアテクノロジーグループは「何をつくるべきかを最も理解しているのは自分達である」(=ないものはつくる)という考えのもと、品質を標準化するための独自ソリューションを開発・導入することでプロジェクトの円滑な進行をサポートしています。



▶「Futurefraqta」の主な特長 

https://www.future.co.jp/architect/our_service/solution/futurefraqta/

 ・設計書、ソースコード、ログなどの情報を一元管理しデータベース化

 ・現状を可視化することで、設計変更の影響範囲などの調査工数を削減

 ・JCL、COBOLなどのレガシー言語からモダン言語まで幅広く解読を支援

 ・自動生成や自動整合性チェックによりプロジェクトの生産性や品質を向上



ドキュメント解析では特許を取得 多様なシステムを科学的に紐解く 

二村:中心となるファクトはソースです。例えばある会社では、グループ会社が増えるごとにソースをコピーして微妙に改変して配置していたため、似たソースが量産され複雑にパッチワーク化されていました。数十万以上のファイルの分析を人間がやっても違いを出すのは難しいですが、「Futurefraqta」を用いることで90%が類似していることが即座にわかり、刷新検討が必要な業務ロジック量は全体の10%であると診断できました。また、あるプロジェクトでは、2,500万ステップ 超のCL/COBOL言語の内部構造の把握を数か月で完了させています。


ソース上のコメントが少ない状況ではドキュメントの解析も大きな手掛かりになります。製造、物流、金融、流通など多様なお客様のシステム刷新を手がけてきたフューチャーには様々な仕様を解析する知見が備わっており、「Futurefraqta」のドキュメント解析は特許を取得しています。内部の誰もが把握していなかったシステムを社外の第三者が可視化するというのは非現実的に感じられるかもしれません。それができるということがフューチャーの強みです。

規模の算出イメージ

本質的な課題解決にこだわるからこそ、レガシー構成をそのままにしない

星:「Futurefraqta」は生成AIなどの先端技術を導入することで解析時間を大幅に短縮させています。他にも生成AIを活用した解析・変換ツールの事例はあります。例えばレガシー言語であるCOBOLをJavaに機械的に変換(ストレートコンバージョン)することで、COBOLっぽいJava(JaBOL)やJavaプログラムとして違和感のないソースに置き換えるというやり方です。これは、メインフレームに関するコスト削減にはなりますが、いわゆる現状維持の「塩漬け」であり、事業を発展させようと思うときには最適な選択ではありません。土台となるデータ配置や機能配置はそのままであり、DXに向けた本質的な課題解決にはなりません。


二村:COBOLはJavaのようなオープンな仕様ではなかったためにベンダごとに文法や命令セットに違いが見られます。既に退職した設計当時のエンジニアが基幹刷新にあたって集められているのはそのためです。「Futurefraqta」では静的解析に加えて、生成AIを用いてレガシー言語を自然言語に変換することで、数多くのベンダ経験者の補完となり、現行システム理解を支援します。また、設計書や定義書のドキュメント解析結果もインプットにすることで、生成AIの読解支援の精度向上につながります。私たちのチームにはソースコード解析とアルゴリズム実装に長けたメンバーが在籍しており、各プログラミング言語の設計思想を汲みとって「Futurefraqta」のアップデートを続けています。

移行トラブルを防止する、セカンドオピニオンとしての支援を拡充

星:昨今はモダナイゼーションの実現に向けた課題が多様化していることや、既に進行しているプロジェクトの見直しの需要が高まっていることから、フューチャーでは一気通貫の支援だけでなく「Futurefraqta」を用いたセカンドオピニオンとしての支援も行っています。(※関連プレスリリース


「現行システムが複雑なためにデジタル化が遅れている」「基幹刷新が難航し、保守期限が迫る古いシステムに運用コストをかけ続けざるをえない」、こうした悩みを抱えるプロジェクトを中立的に評価・分析する「アセスメント」としての参画や、複数ベンダが参加するアーキテクチャのガバナンス統制やルール策定を担う「PMO」、人材基盤づくりなど、お客様の課題に応じた柔軟なコンサルティングサービスを展開していますので、お問い合わせください。



お客様からのお問い合わせはこちらへ

https://www.future.co.jp/apps/contact/fai/service_solution_entry.php

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DX推進チーム編のストーリー:科学的アプローチによるレガシーシステム刷新で本質的なDXを推進 「2025年の崖」のその先を見据えて


プレスリリース:フューチャーアーキテクト、レガシーシステム刷新支援に生成 AI を導入  「Futurefraqta」の現行ソースコード解析機能を強みに「2025 年の崖」の先を見据えた DX コンサルティングを強化


※「Futurefraqta」はフューチャー株式会社の登録商標です。特許取得済。

プロフィール


星 賢一(ほし・けんいち)

フューチャー株式会社 執行役員

コアテクノロジー担当


コアテクノロジーグループ(R&D部門)責任者。独立系SIer、テックベンチャーを経て、2007年に入社。アーキテクトとして大規模基幹系システムからBtoCサイト開発まで多くのプロジェクトを経験。その後、アプリケーション基盤領域統括、技術部門のディレクターを経て、現在R&D部門の責任者を務める。グループ会社であるコードキャンプ株式会社の取締役を兼務。



二村 暢之 (ふたむら・のぶゆき)

フューチャー株式会社 ディレクター

コアテクノロジーグループ 品質技術担当


コアテクノロジーグループ (R&D部門)スーパープログラマ。2005年に新卒入社。「2007年度1期未踏ソフトウェア創造事業」に参加。製造、流通小売、ECを中心に大規模基幹系システムの業務設計、データ設計、開発、品質責任者、アーキテクトを経験。ドキュメント、ソース、活動情報などプロジェクトの全てをデータ化し、ファクトに基づいてプロジェクトをデリバリーする仕組みである「Futurefraqta」を開発。


フューチャーグループについて

フューチャーグループは、最新のテクノロジーをベースに「ITコンサルティング&サービス事業」と「ビジネスイノベーション事業」の2軸でビジネスを展開するソーシャルデザインカンパニーです。






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