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STORY 科学的アプローチによるレガシーシステム刷新で本質的なDXを推進 「2025年の崖」のその先を見据えて

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科学的アプローチによるレガシーシステム刷新で本質的なDXを推進 「2025年の崖」のその先を見据えて

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フューチャーの主要会社であるフューチャーアーキテクトでは、DX推進による未来価値向上の基盤づくりとして多くの基幹システム刷新をサポートしてきました。大規模刷新を手掛けてきたリーダー陣が、製造・エネルギー分野を中心としたDX推進に向けて経験や思いを語ります。



フューチャーアーキテクト 製造エネルギー分野のDX推進チーム(写真左から)

甘粕 努、柴田 健一、松川 亮平

「2025年の崖」を越え、DX推進の足元を固める専門チーム

柴田:フューチャーでは製造エネルギー分野に注力する部門として、2024年4月に「製造エネルギー事業部」を立ち上げました。製造業、エネルギー業のお客様をそれぞれ支援するチームと、今回ご紹介するチームの3チームで構成しています。

ビジネス環境が日々変化するなか、製造業はコスト削減や業務改善といった「守り」から「攻め」に転じるときがきています。特にビジネスのグローバル化にともない、現場業務とそれを支えるシステムの進化が必要です。企業の競争優位性を生み出してきた、ものづくりの知恵と工夫をデジタルで分析・学習し、先端技術と組み合わせ、再現性をもたせて進化につなげることでお客様のDXを推進するのが私たちのチャレンジです。


甘粕:お客様からのDX推進に関するご相談で多いのは、データの活用の仕方やDXを進めるアプローチ方法がわからない、計画は出来ているのに推進できる人材が社内にいないといったお悩みです。私たちのチームではDXを実現するためのIT基盤作り、例えばデータを活用できる環境整備を得意としています。基盤づくりを含めたDX計画策定から実現までを、伴走型のコンサルティングでサポートします。


避けては通れない「レガシーシステム」問題。通常業務を止めない安全・安心な刷新とは

柴田:国内大手のメインフレーム保守終了も見えているいま、最適な環境でDXを推進し、お客様の基幹業務を支えるにはレガシーシステムの刷新はいずれ避けて通れない問題です。フューチャーでも物流や小売などの分野を中心に多くのシステム刷新を手掛けてきました。

レガシーシステムというと、「2025年の崖」に示される巨大化した過去の負債というイメージが持たれがちです。しかし、なぜシステムが大きくなったかを読み解いていくと、その背景には現場の知恵や、取引先とのやり取りをスムーズにするための追加構築が多々あります。


松川:海外のトップダウン型のビジネスと違って、日本企業は現場での改善の積み上げが競争優位性を生み出しています。その改善のプロセスやロジックはシステムに詰め込まれていますから、システム刷新では現行システムの中で優位性に資する部分を見極め、活かすべきところを活かして新システムを作ることが重要です。優位性に直結しない、例えば記録を長期保存する部分はいわゆる「塩漬け」でも構わないという考え方もありますが、その場合でもデータを早く、適切な粒度で参照して、経営判断に使える状態にしておく必要があります。


甘粕:まずは今まで積み重ねられてきた業務を理解し、現状を把握することが重要です。システム刷新では移行後の未来の姿(To Be)ばかりに目が行きがちですが、現行業務(As Is)を紐解き、DXによって業務の何が変わるのか可視化することで、業務を標準化しながら確実に実行に移すことができます。お客様の課題に正面から向き合い、As IsとTo Beのギャップをきちんと埋めることが「不測の事態」を防ぎます。フューチャーでは計画策定から実行まですべてを一人のコンサルタントが担当する、一気通貫のコンサルティングが強みですが、私たちのチームではセカンドオピニオン型のコンサルティングでも多くのご要望をいただいています。


松川:基幹システム刷新に着手してから、進行中の計画の精査が必要になりフューチャーにお声がけいただくケースです。刷新後のシステムの姿は他のコンサルティング会社から提案を受けたものの、現システムからの移行の仕方がわからない。あるいは計画が正しいか確信が持てないというご相談に対して、アセスメントを行います。

これまで私たちが担当したなかにも、現行システムのドキュメントが残っていないため、システムがブラックボックス化して仕様がわからないというご相談がありました。インプットはできるしアウトプットも出てくる、でも中のロジックがわからないという状態です。

経験知と独自開発のソリューションが実現する、フューチャー流ファクトベースアプローチ

甘粕:システム刷新にあたって、まず行うのが総量分析、次に構造分析です。フューチャーでは生成AIを活用したソリューション「Futurefraqta(※)」を活用して現行ソースコードを解析し、総量分析によりシステムの全体を把握します。長年使ってきたシステムでは、この時点でいまは使われていない機能も洗い出されます。私が担当した例では不要な機能を削除し、整理することで4割近いスリム化を実現しました。

構造分析ではシステムの切り分け方を見極めます。巨大なシステムを一度に移行するのは大きなリスクを伴いますから、数回に分けて段階的に実行します。「Futurefraqta」で全体を解析してシステム間が疎結合になっている部分を見つけ出し、コンサルタントがビジネスの優先度を踏まえて切り分けるポイントや移行の順序を判断します。「Futurefraqta」による科学的な解析と、業務をきちんと理解したコンサルタントの経験知の両方がなければ実現できない、当社ならではのファクトベースアプローチです。



※生成AIを搭載したフューチャー独自のソリューション。特許取得済。「Futurefraqta」はフューチャー株式会社の登録商標です。

https://www.future.co.jp/architect/our_service/solution/#futurefraqta



松川:ある流通小売業のお客様の例では、新システムを構築した後、現行システムを稼働させたまま検証用のホストをつくり、両システムに並行してデータを流し込むテスト期間を設けました。現行システムと新システムで同じ結果が出せるか検証しながら、数か月かけて調整を繰り返し、一致率を極限まで高めてから切り替えたのです。心臓バイパス手術のようなプロセスですが、システム刷新にはそれくらいの慎重さが必要です。

パッケージシステムを利用する選択肢もありますが、一定程度業務にフィットしていないとあまりメリットがありません。パッケージに置き換えることで競争優位性が損なわれないか、経営の視点での見極めも重要になります。


甘粕:私たちはシステム刷新をよく登山に例えてご説明します。システム刷新はお客様にとって、登ったことのない、高さもわからない大きな山に挑戦するのと同じです。私たちはまず「Futurefraqta」の総量分析により山の正確な高さを把握し、現行システムを解析して登山計画を立てます。必要な物資やリスク、環境変化を科学的に評価することで事故を防ぎ、お客様とともに頂上まで登りきってその先の価値創造まで伴走します。山の途中に居るお客様にも、アセスメントにより現在地を確認し、現実的で安全な登り方を提示することが可能です。




柴田:私たちはお客様が積み重ねてきた競争優位性や、業務に対する思いを汲みながら、DXに最適なシステム刷新を実現します。お客様の目線で業務を捉え、システム刷新後の付加価値創造までコミットするのが私たちの提供する価値です。多くのプロジェクトでの経験知と、独自のソリューションを駆使した科学的知見に基づくアプローチにより、安全・安心なシステム刷新を実現し、お客様のDX推進に伴走します。


お客様からのお問い合わせはこちらへ

https://www.future.co.jp/apps/contact/fai/service_solution_entry.php

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プロフィール

柴田 健一 (しばた けんいち)

フューチャーアーキテクト株式会社 シニアパートナー

製造・エネルギーサービス事業部担当


独立系SIerを経て、2006年にフューチャーシステムコンサルティング(現フューチャー)入社。大規模基幹システムの刷新などミッションクリティカルなプロジェクトのアーキテクチャデザインを手掛ける。ビジネス、テクノロジー、人材育成といった観点から、お客様に伴走するコンサルティングを実践。2019年には社会課題を解決し、新しい価値を生み出し続けるDX専門の組織を立ち上げ、幅広い業界のDX推進を支援。2024年に製造エネルギー事業部を立ち上げ。グループ会社であるワイ・ディ・シーの取締役を兼務。



松川 亮平 (まつかわ りょうへい)

フューチャーアーキテクト株式会社 パートナー

流通サービス事業部担当


アパレル、コンビニエンス、スーパーマーケット、ドラッグストアといった流通小売や金融など多様な業種・業態のプロジェクトを担当し、大規模基幹システムの刷新を伴う全社改革プロジェクトのリーディングを経験。お客様、既存ベンダー、自社が三位一体となったチーム作りやメンバー個々の能力を最大限に引き出すマネジメントスキルを強みに、自社の成長の原動力となる「人材」「知財」、「品質」のバリューアップをミッションとしてグループ内の改革を推進。2024年より再びプロジェクト現場に戻り、新規業態・新規顧客の開拓に注力。



甘粕 努 (あまかす つとむ)

フューチャーアーキテクト株式会社 ディレクター

製造・エネルギーサービス事業部担当 


小売・物流業を中心に、多くの大規模システム刷新案件において、緻密な計画策定を必要とするプロジェクトの組成から開発・運用までのDX推進を経験。大規模プロジェクトの実行推進におけるガバナンス統制スキームの確立や、顧客組織内での定着化を強みとする。データ基盤を活用したAI・IoT施策の立案・実行や、長期的観点でのIT人材育成・組織強化・投資計画の立案等、顧客伴走型のコンサルティングスタイルが特長。現在は製造分野のDX基盤構築プロジェクトを牽引。

フューチャーグループについて

フューチャーグループは、最新のテクノロジーをベースに「ITコンサルティング&サービス事業」と「ビジネスイノベーション事業」の2軸でビジネスを展開するソーシャルデザインカンパニーです。




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