海外・国内のベンチャー系ニュースサイト | TECHABLE

TECHABLE

STORY ゲーム感覚できちんとした歯みがき習慣が身につく「まほうハブラシ」、ライオンの開発ストーリー

Story

ゲーム感覚できちんとした歯みがき習慣が身につく「まほうハブラシ」、ライオンの開発ストーリー

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加

ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)は、子どもの成長段階に合わせ、きちんとした歯みがきの習慣づくりや、良い歯ならびの土台づくりを支援するオーラルケアプログラム『おくち育』を2023年4月から専用ECサイトにて提供開始いたしました。

第一弾は、「歯ならびの土台づくり」が重要な6~12歳の生え変わり期の子どもを対象とした『おくち育 噛もっと!』。多くの保護者が悩んでいる「子どもの歯ならび」の悩みに寄り添う商品となっています。

  開発ストーリーはこちら↓↓

  https://prtimes.jp/story/detail/Mxz4G1hLOeb

そして今回第二弾として2024年6月に販売された『おくち育 まほうハブラシ』。ハブラシポートとスマートフォン専用のアプリとを連動させることで、子どもがゲーム感覚で楽しみながら歯みがきスキルを身につけることを目指すもので、最短1ヶ月で“仕上げみがき卒業”をサポートします。


ライオンはオーラルケア事業では120年以上の歴史があり、歯みがきの習慣づくりに長年取り組んできました。『まほうハブラシ』はライオンが培った経験を活かし、歯みがきとスマートフォンが連動するだけのIoT製品ではなく、子どもが習慣化しやすいように考えながら開発したサービスになります。今回はそんな製品の開発者の想いをご紹介します。


(左から商品企画・アプリ開発担当 鈴木、ハブラシポート開発担当 林田、

 ハミガキステップジェル開発担当 永盛、おくち育グループリーダー 金島)


保護者から子どもへ正しい歯みがきの教え方とは?

『まほうハブラシ』のはじまり

文部科学省が令和4年度に実施した学校保健統計調査によると、現代のこども(12歳)のむし歯は全国平均で0.56本と1本を切っており、保護者のオーラルケアへの意識が高いことがうかがえます。そんな中、保護者の方々から「ちゃんとした歯みがきの教え方が分からない」「いつになったら仕上げ歯みがきをやめて良いか分からない」「きちんとみがけているか分からない」といったお悩みを聞く機会が多くなったと金島は言います。


金島:自身の子育てを振り返った時にも、正しい歯みがきの教え方が分からず、困ったことがありました。歯みがきの大切さは子どもが小さい時から伝えていましたが、いざ自分でみがける年齢になった時に、子どもはハブラシをくわえて噛んでいるだけで、全く歯をみがいていませんでした。そして、ちゃんと歯のみがき方を教えていなかったことに気付きました。

多くの保護者が同じような悩みを持っているのではないかと思ったのが、この製品づくりのはじまりです。


子ども一人できちんとした歯みがきができるようにするにはどのようなサービスがよいだろうか?チーム内で打ち合わせを繰り返し、子どもの学習法である「学び→気づき→定着」のサイクルに着眼することにしました。

そこで、きちんとした歯のみがき方を学べるスマートフォンアプリ、みがき残した部分が染色され目に見えて気づくことができる染め出しジェル、音声ガイダンスに合わせた歯みがき練習で正しいみがき順の定着を促すハブラシポートの3製品を開発することになりました。



苦痛な歯みがき時間を親子の新しいコミュニケーションの場に

子どもが主体的に進められるアプリゲームの工夫

今回商品を開発する上で、もう一つ大切にしたかったことがあります。それは、親子の歯みがき時間の過ごし方です。乳児のころは口の中を触られることへの違和感から歯みがきを嫌がり、幼児のころは歯みがき以外にやりたいことが多くて嫌がります。そして自分でみがける学童期の子どもたちも、親から怒られないように形式的に歯をみがいています。つまり、どの年代の子どもにとっても歯みがき時間は気の進まない時間であり、また保護者にとっても「歯みがきしなさい!」と言わなければならない苦痛な時間ではないかと思われます。この苦痛な時間を、保護者にとって少し楽に、そしてできれば子どもとコミュニケーションが取れる楽しい時間に変えられないかと鈴木は考えたのです。



鈴木:「まほうハブラシ」のアプリは子どもが主人公となりステージを進めていくため、毎回点数の変化が自分で分かり復習できるような仕組みとなっています。繰り返しの練習やクイズによって、学んだことを理解し、子ども自身が成長を実感することによって、やる気が生まれてくる設計を心掛けました。「今日は点数がよかったよ」とちょっとしたコミュニケーションが親子の間で生まれ、ストレスを感じることが多かった歯みがきの時間が子どもとの楽しい時間に変わればいいなと思っています。



子どもに「気づき」を与える、発色にとことんこだわった染め出しジェル

「まほうハブラシ」はアプリを通して、きちんとした歯のみがき方を学び、定期的にクイズに回答することで自然と歯みがきの知識を身につけることができます。知識だけではなく、本当にみがけているかが視覚的に分かるように、週に1回を目安に染め出しジェルを使ってチェックをし、歯みがきスキルが身についているか、子ども自身でも確認できるようにしました。


永盛:「まほうハブラシ」の染め出しジェルは週に1回定期的に子どもが使うものなので、その日を楽しみに迎えられるような商品にしたいと思いました。染め出し剤の形状としてはジェルや液体、タブレットなどがあるのですが、実際に子どもたちに体験してもらい、使いやすいジェル形状を選定しました。使用時に歯垢の色が鮮やかに染まれば染まるほど、子どもたちがとても喜んでいたのを見て、みがき残し部分をしっかりと認識できるよう歯垢の染色性の良さを一番に、試作を繰り返しました。ジェルは3種類の形状の中では一番染色性が低かったため、原材料の選定や濃度の調整がとても難しかったです。他にも、染色性を高めると使用時に洗面化粧台や衣類への染着のリスクが高くなるという課題がありました。当社は、衣類用洗剤や住居用洗剤についても広範な開発知見を有していることから、分野を越えてこれらの研究所に協力を仰ぎ、さまざまな使用環境を想定した検証を行い、この問題とも向き合いました。



日用品メーカーなのに、IoTデバイスへ取り組む理由

普段の生活に溶け込み、きちんとした歯みがきが「定着」するハブラシポートの工夫

ハブラシポートの開発を担当することになった林田は、入社以来、化粧品やハブラシの製品開発を担当してきました。そのため電子機器の開発は初めての経験でした。また、ライオン社内に電子機器の知見が少なかったため、社内での評価に加えて第三者機関でも品質評価をする体制を整え、安全面に配慮した製品づくりを心掛けました。機能面で何よりも大切にしたことは、音声ガイダンスが流れるハブラシポートの使いやすさでした。人は日常生活の中にまったく新しいプラスワンの行動を取り入れることには高いハードルがあります。そのハードルを越えるためには「音声ガイダンスに合わせた歯みがき練習」という新しい習慣を普段の歯みがき行動の中に溶け込むようにすることが必要と考えました。この開発には、既に使用が習慣化されているハブラシなどの商品開発とは違う苦労があったと、林田は言います。



林田:「ハブラシポート」はきちんとした歯みがきを定着させる役割を担っています。定着のためにはアプリで学んだ歯をみがく順番を繰り返し練習し、覚える必要があると考えました。そのためにも日々の生活のあらゆる場面を想定し使いやすい商品になることを心掛け、特別な準備は要らずに『ハブラシスタンドからハブラシを引き抜くだけで、歯をみがく順番の音声ガイダンスが再生されるのはどうだろうか?』と考えました。視覚情報(画面)と聴覚情報(音声)の両方を提供できるアプリから、あえて情報量を減らし、聴覚情報(音声)のみ提供するハブラシポートとアプリを交互で使用することで学習効率が向上すると考え、音声のみを流すハブラシポートを開発することになったんです。また、お子さんに楽しんで取り組んでいただけるよう軽快な音楽にもこだわりました。


林田:ハブラシポートからハブラシを抜くと、センサーが検知し自動で音声が再生される設計ですが、子どもの使いやすさと誤検知がないことの両立を考え、ハブラシホルダーが斜めの形状を採用しました。斜めにすることで、ハブラシが手前に傾き大人より低い位置に腕がある子どもでもハブラシを引き抜きやすく、さらにハブラシポートのセンサーとハブラシの接触面積が増え、センサーの検知感度が上がり一石二鳥なんです。実際に3Dプリンタも活用しながら多くの試作品を作り、試行錯誤を繰り返してこの形にたどりつきました。



子どもの「生きる力」の成長を後押しする製品づくり

新しいオーラルケアの習慣化に向けて

ライオンは112年前に日本で初めて子ども向けのハミガキを発売し、それ以来、ハンドルが曲がるハブラシやフッ素配合のハミガキなど、機能面で工夫を凝らした子ども向けの製品を日々開発してきました。子どもへのオーラルケア普及活動にも力を入れており、当社主催の歯みがき大会は1932年から始まり今年で81回を迎えました。これからも、よりよい製品の開発とオーラルケアの普及活動を続けていくとともに、『おくち育』のような、歯みがきの時間を楽しくすることでオーラルケア習慣を身に付けられ、将来の様々な子どもの“生きる力”を後押しできる製品・サービスを提供してまいります。


■プロフィール

金島大輔

薬品や機能性表示食品の研究開発や商品企画、新規事業開発に従事した後

オーラルヘルス開発部にておくち育の事業推進リーダーを担当。


鈴木律裕

化粧品や医薬部外品の研究開発や商品企画、皮膚科学の基礎研究に従事した後、

オーラルケア事業部、オーラルヘルス開発部にておくち育の商品企画を担当。


永盛明日香

リビングケア研究所で台所用洗剤の研究開発に従事した後、オーラルケア研究所にてハミガキ剤の研究開発を担当。本商品ではおくち育ハミガキステップジェルの商品開発を担当。


林田咲穂

グローバル開発センターにて化粧品開発に従事した後、ハブラシ・用具の研究開発を担当。本商品ではおくち育ハブラシポートの商品開発を担当。


■おくち育ブランドサイト

https://okuchi-iku.lion.co.jp/


■おくち育「まほうハブラシ」商品リリース

https://www.lion.co.jp/ja/news/2024/4639





行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
Techableの最新情報をお届けします。
前の記事
次の記事

WHAT'S NEW

最新情報