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STORY テクノロジーを活用した非連続的な成長を目指して―パーソルグループが一丸となって取り組むクラウドシフト

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テクノロジーを活用した非連続的な成長を目指して―パーソルグループが一丸となって取り組むクラウドシフト

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パーソルグループでは、中期経営計画2026において目指すべき方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げ、グループ各社がテクノロジー活用の取り組みを加速させています。


今回は、現在パーソルグループが取り組む「クラウドシフト」について、プロジェクトの責任者を務める塚本にインタビュー。パーソルグループのビジネスを支える1,000台を超える規模のシステムをクラウドに乗せ換える当プロジェクトの意義と難しさについて聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。

国内グループ企業が標準利用するデータセンター下にある全システムをクラウド上へ

—パーソルグループにおけるクラウドシフトは、どのような体制で推進されているのでしょうか?

パーソルホールディングス グループIT本部にて、複数の部門を横断する形で推進しています。

AWSの共通基盤を提供する部門やデータセンターのファシリティやプライベート仮想化基盤、データベース基盤などを展開するデータセンター部門、社員にPCやスマートフォン、コミュニケーションツールを提供する部門や、グループ共通のサイバーセキュリティ施策を実施する部門などが連携しながらクラウドシフトに取り組んでいます。これらの各部門はさらにグループの各SBUのIT部門と連携し、各SBUのIT部門でも自社に適した方法でクラウドシフトを推進しています。

私は、2020年から当プロジェクトの責任者として推進する立場を担っています。

 ※SBU:Strategic Business Unitの略称。サービス事業領域ごとに分けた組織単位

—なぜオンプレミス環境を廃しクラウドシフトに取り組むのでしょうか?

パーソルグループは、2016年から「クラウドファースト」を掲げ、これまで順調にクラウド率を高めてきました。しかし詳しく内訳を精査してみると、クラウド活用が広がりを見せるなかにあっても、自社で管理するサーバやネットワーク機器などの数は減るどころか、むしろ増えているような状態でした。


クラウド率を高める「クラウドファースト」が、オンプレミスシステムの削減に直接つながるわけではないことがわかったため、将来的なデータセンターの廃止を念頭に「クラウドシフト」を打ち出すようになりました。また、中期経営計画2026では「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指すことが定められ、グループのトップがクラウドシフトの価値を理解しています。これらの理由からプロジェクトチームを組みクラウドシフトを加速させています。

クラウドシフトへ向けて、立ちはだかるいくつもの課題

—クラウドシフトによって得られるメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

クラウドシフトは事業の生産性向上に寄与するのはもちろん、社員へより良いサービスを展開でき、ビジネスの拡大に貢献すると考えています。たとえば、オンプレミス環境下では難しかった爆発的な利用者の増減に対応しやすくなりますし、不具合解消やAIなど、最新テクノロジーを実装するまでのリードタイムも大幅に短縮できるようになるでしょう。またサーバやネットワーク機器の管理から解放されれば、それに費やしていた時間とコストを別の用途に振り分けられますし、パンデミックや震災下における事業継続性も格段に高まると見込んでいます。

—数あるメリットのなかで、もっとも重視しているポイントを教えてください

「Anywhere, Anytime, AnyDevice」です。これは「あらゆるデバイスから、いつでも、どこからでもアクセスできる」世界観を目指す言葉です。そのなかでも「Anytime(爆発的な利用者の増減にも柔軟に対応できる環境)」の実現にはクラウドシフトが必要不可欠であり、事業として非連続の成長・進化を目指す過程で、ITリソースがビジネスのボトルネックとなることを回避できると考えています。


COVID-19の影響や昨今の社会情勢の変化により、物理機器の調達時間が大幅に延びています。たとえば、オンプレミスの仮想化基盤を増強するには、リソースが不足する1年前から数年先のキャパシティを見極め増強を計画しないと間に合わない状況であり、オンプレミス環境のままで事業が求めるスピードに応えるのは至難の業です。


このような状況下においても、パーソルグループとしてセキュアなIT環境を整備することは大前提ですが、そのうえではたらく社員のストレスを少しでも軽減し、生産性が高められる環境を整えたいと思っています。そのために、あらゆる制約・制限を可能な限り無くすことを重要視しています。

—グループ全体で抱えるシステムをすべてクラウドシフトするのは難易度がかなり高いのではありませんか?

パーソルグループには国内だけでも40社近いグループ会社があります。当然のことながら事業内容や事業規模は異なりますし、ITの活用レベルや守るべき情報の質や量についても各社さまざまで、利便性と安全性を両立させつつクラウドシフトを推進するのは確かに容易ではありません。

もちろんクラウドシフトによってIT活用やDXに伴う困難をすべて解決できるわけではありませんが、クラウドシフト抜きにこうした課題に対処できないのもまた事実です。責任を持ってやり遂げなければならないと思っています。

—現在の進捗状況についてはいかがでしょうか?

現在のプロジェクトは全体的にスムーズに進行しており、すでにクラウドシフトは約75%に達しています。しかし、クラウドに移行するべき多数のシステムと、特に大規模なシステムが残されている状況を考慮すると、目標達成への道のりは容易ではありません。我々は継続的な危機意識を保ちつつ、このプロジェクトに全力で取り組んでいます。

目標達成には、採用を含む支援体制強化が急務

—クラウドシフトを取り巻く周辺環境についてはわかりました。技術面での難しさについてはいかがですか?

パーソルグループは企業成長の手段として積極的にM&Aを実施してきました。それに伴いシステムも「増改築」が繰り返され、複雑極まりない構成を持ったシステムは少なくありません。また移行の難易度はシステムの状況を精査してみなければわからないため優先順位をつけるだけでも一苦労です。システムのアーキテクチャや採用している技術スタックによってはクラウドリフトに留め、その後状況を見ながら徐々に最適化とモダナイズしていかざるを得ないケースなどもあるため「システムをクラウドに載せておしまい」というわけにはいかない難しさがあります。

—クラウドに完全移行するには手間と時間がかかるのですね。

はい。現行のオンプレミス環境についても同じことがいえます。クラウドシフトが間近に控えているからといって、ネットワークが逼迫すればボトルネックとなるネットワーク経路を特定し増強が必要になりますし、ハードやソフトウェアのEOSLに合わせてシステムのリプレースを検討する必要もあります。パーソルグループのように1,200台を超える規模の物理機器で構成されたオンプレミス環境上で、基幹システムが作りこまれた状態から、クラウドシフトを完了させるのは容易ではありません。

 —なるほど。では、実際にビジネスの最前線で事業を動かしているグループ各社からはどんな反応がありますか?

幸い、グループ各社の経営陣や事業責任者からもらう声は前向きでクラウドシフトに対する理解の高さがうかがえます。その点は非常に心強いですね。この機に乗じて一気にクラウドシフトを推し進めたいところですが、結論を急ぐあまり技術やサービス選定を疎かにしてしまっては、かえって貴重な時間と予算を無駄にしかねません。グループ各社の事情に応じた手厚い支援の必要性を感じています。

—これまでお話しいただいた数々の課題を克服するために、いま何が必要だと思われますか?

グループ各社の動きを加速させつつ手厚い支援を実現するには、社内外からクラウドのみならずインフラ領域全般に通じたテクノロジー人材を集め、支援体制の拡充を急ぐ必要があります。とはいえ、ただクラウドに詳しいだけでは適切な支援は提供できません。パーソルグループの事業特性や事業内容への関心がなければ有効な解決策を導き出せなかったり、適切な技術選定ができなかったりするかもしれないからです。人材ビジネスへの興味、関心を持つテクノロジー人材をいかに集め、育てるかがクラウドシフトの成否を分けるカギになると思います。

—クラウドシフトはパーソルグループの将来を左右する大プロジェクトなのですね。

そうですね。パーソルグループと同じくらいの規模で期限を区切りクラウドシフトの実行を明言している企業グループは国内を見渡してもほとんどない状況です。数十年に一度あるかどうかの大変革期にしか得られない貴重な体験と捉え、パーソルグループの未来を積極的に切り開いていきたいと思います。


※2024年3月時点の情報です。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。





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