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STORY 分担か、分裂か。25歳の二人が「離島専門ビジネスメディア」を立ち上げるまで

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分担か、分裂か。25歳の二人が「離島専門ビジネスメディア」を立ち上げるまで

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アトリア合同会社(本社:大阪市淀川区)は、2024年3月末から離島のEC・PR領域に特化したWEBメディア「はなれじま広報部」をオープンしました。サイト内のコンテンツは離島におけるPR・EC関連の情報に特化したニッチな内容。本ストーリーでは、メディア立ち上げの経緯や社内での変化についてお伝えします。



田上(写真左・WEBエンジニア)と濱崎(写真右・ライター)がアトリア合同会社を立ち上げたのは、2023年3月のこと。それ以来、ECサイトの構築や運用支援をはじめとする「EC事業」と、プレスリリースの制作や記事作成代行を中心にした「PR事業」を主要事業として展開しています。

友人2人で異なる事業をかけ合わせて生まれた会社

——会社設立までの経緯を教えてください。

濱崎:二人は大学時代にギターサークルで出会い、友人として親交を深めていました。大学卒業後はそれぞれ別の企業に就職して、新入社員としての日々を送ります。私は個人的に文章を書くことが好きだったので、副業でPR領域のライターをしていました。同じ頃、田上はWEBサイトの制作を学び、同じく副業で案件受注を始めていました。会社を立ち上げることはまだ全く考えておらず、副業仲間として「あるある」で盛り上がる程度でした。


田上:個人プレーで頑張っている時期が偶然重なったようなイメージですね。でも、別の領域で頑張っている友人がいることは良い刺激になっていました。そして、副業の規模が少しずつ拡大していくにつれ、次第に「二人で仕事をしてみたい」と思うようになっていきます。


そうして2022年の夏頃、当時24歳の私たちは「一緒に会社やらない?」という話をするようになりました。本当はもっと苦悩しましたけど(笑)。それでも、一緒におもしろいことをしてみたいという思いが高まって、会社設立に至ったのは間違いありません。



——フリーランスとしての道もあったのではないでしょうか。

濱崎:その部分は最後まで迷いました。個人でそれぞれPR事業、EC事業を確立してしまっていたので、わざわざ二人で会社を立てる必要はないんじゃないか、と。ただ、フリーランスとして一人でモチベーションを上げることにも難しさを感じていたので、最終的には「一緒にいたら頑張れるから」という理由で会社設立を決めました。


田上:そうして生まれた会社なので、特にはじめのうちは実務の部分に関してお互い全く関わりのない仕事をしていました。二人しかいないのに、事業部が二つあるような…。会社として大きな目標や大義があったわけでもないので、ただひたすらに「頑張ろう」で押し切っていたような日々でした。

社内をつなぐ架け橋としてのメディア「はなれじま広報部」

——社内でまったく違う事業をしていることで、問題は生じないのでしょうか。

濱崎:各事業の裁量権は各々にあるので、衝突することは皆無でした。ただ、それは常に分裂の危機をはらんでいるとも言い換えられます。「私たちが一緒に会社を運営していく上で共に目指すものがなければ、各事業も頭打ちしてしまうのではないか」そんな焦りが静かに押し寄せているのを感じていました。


田上:そのため、EC・PRというふたつの主要事業に加えて「三つ目の柱」を立てることにしたんです。事業領域は問いませんでしたが、要件は一つ。二人が関わる事業をつくることでした。そこからAIを使ったWEBサービスや、地域創生に関わるサービス開発に取り組むなど試行錯誤を繰り返し、最終的に生まれたのが離島のEC・PR施策を紹介するWEBメディア「はなれじま広報部」です。



——「はなれじま広報部」の事業化は何が決め手になったのでしょうか。

濱崎:私たちの強みであるECやPRのノウハウを活かして社会貢献をしながら、間接的に会社の収益へもつなげられると考えたためです。EC・PRの2領域ではいずれも特定の商材を扱っているわけではありません。また、お客様の課題解決をすることを最優先にするため、自社のカラーを出す機会はほとんどないという背景がありました。


そのため、事業内容をぱっと見で分かるように説明するのは非常に難しかったんです。結局、何の会社なのか分かりづらいと、私たち自身が一番感じていました。そうした観点から、EC・PRの情報を取り扱うメディアを運営すれば、会社としても自己紹介がしやすくなると考えたんです。


田上:また、ECとPRの領域を網羅するWEBメディアを運営することで、互いの持っているノウハウを共有できるようになったのも非常に大きいですね。離島の方々やお客様への情報提供はもちろんのこと、社内で互いの事業について知るきっかけが生まれたので、情報が増えれば増えるほど、自分事として捉えられる領域が広がっていくような感覚を得られています。


——「はなれじま広報部」を事業化する上での課題はありましたか。

濱崎:果たしてこの新規事業を今始めるべきなのか、という話し合いはたくさんしました。最終的に会社の収益につながるとはいえ、当面の間結果が出ないことは目に見えていましたし、二人とも通常業務をこなしながらメディア運営に携わらなければならなくなります。


田上:ただ、最終的にこの事業は会社にとって重要な先行投資であるという考え方で一致し、何より島への想いが募ったことから、はなれじま広報部が誕生することとなりました。もちろん今でも他の業務とのバランスに悩む部分はありますが、思いのほか反響もいただけているので、始めてよかったと思っています。

島のこれからは、日本のこれから。

——ところで、離島という題材を掛け合わせたのはなぜでしょうか。

濱崎:離島の未来は日本の未来だと言っても過言ではないと考えたためです。日本における大部分の地域では、産業の担い手不足や少子高齢化、都市部への人口流出などの社会問題に直面しており、特にそうした傾向は島しょ部で顕著です。離島で今起きている問題は、いずれ日本全体で起こることでしょう。



田上:そうした視点から発信をしているので、メディアを運営する上では、私たちにできることはないか常に自問自答しています。実際、メディアという枠を超え、新たなプロジェクトも進行中です。対象となる地域(離島)を絞り込むことでスモールスタートがしやすいのも良いですね。いずれは離島振興の成功事例を作り、それをメディアとして広く発信することで、同様の悩みを抱える離島、ゆくゆくは日本全体の力になれればと思っています。


——はなれじま広報部としての目標を教えてください。

濱崎:まずはサイトの閲覧者数を集め、企業・自治体とのコラボレーションを増やして…と目標はたくさんあります。最終的に目指すのは、離島に興味を持ち、かかわる人を増やすこと。単に移住者を増やすだけでなく、自分なりのスタイル・距離感で無理なく離島と関わることができるような仕組みづくりをしたいと考えています。


それはいわゆる関係人口の増加促進と言い換えられるかもしれません。まずは離島を知ることをスタートとしてもらい、そこからひとりひとりの想いや得意なことを掛け合わせられるような環境づくりをすることで、島の未来を明るく照らしていきたいです。


——それぞれ、個人として目指すものはありますか。

濱崎:私個人としては、いつまでも文章を書き続けていたいと思っています。これまで没頭してきたことですし、まだまだ飽きる気配は微塵もありません。お客様の課題解決を目指した文章も、個人的に思ったことを連ねていく文章も、書いていてとても楽しいんです。


田上:私もずっとプレイヤーで居続けたいと思っています。もちろん経営者としても全力でありたいと考えていますが、目的を達成するための手段をロジカルに考え、試行錯誤をする作業が好きなので、WEBエンジニアとしての仕事は辞めないと思います。


——そんな中、会社を経営していく意義を教えてください。

濱崎:働く理由そのものですね。はなれじま広報部の話に通ずる部分もありますが、会社があることによって、私たちは共に進むことができます。一人では心が折れていただろうな…という場面もたくさんありました。私だけでは浮かばなかったようなアイデアを形にすることもできたように思います。


また、会社をひとつのプラットフォームとして活用して、想いやカラーを表現するのもおもしろいと思っています。例えるなら、音楽バンドのようなイメージですかね。ギターやボーカル、ベースがそれぞれ違う音を奏でながら、バンド全体でひとつになる感覚です。個性的なバンド的組織を作っていきたいです(笑)。


田上:私も「人」の部分が非常に重要だと思っています。この二人でなければここまで来れなかったことでしょうね。加えてひとつ言えることは、フリーランス時代の初期に抱いた衝動やワクワクを二人ともずっと追い求めているということです。こうした部分が合うからこそ、一緒に会社を続けていけているのだと思います。


アトリアについて


現在、アトリア合同会社はWEBメディア「はなれじま広報部」の運営を含めて3つの事業を展開しています。提携クリエイターも多数所属しており、領域を横断した対応も可能です。


・EC事業

オンラインショップを開設したいという事業者様に向け、構築やショップ運用の支援を行っています。事業規模や商材、現在の販売状況などを総合的に分析し、事業者様に伴走しながら長期的なサポートをご提供いたします。


・PR事業

企業・商材の魅力を伝えるコンテンツ作りやプレスリリースの制作代行を中心に、広報活動の支援を行っています。綿密なヒアリングやインタビューを行い、伝えたい想いをクリエイティブへ落とし込みます。


・離島専門のビジネスメディア「はなれじま広報部」

離島の「いま」をECおよびPRの観点から紐解くWEBメディア。離島事業者への独自インタビューやノウハウを記事として発信しています。今後、離島に関連して企業・大学組織とのコラボレーションも実施予定です。


「はなれじま広報部」:https://hanarejima.com/


【会社概要】

会社名:アトリア合同会社

代表:濱崎哲士・田上冬真

所在地:〒532-0004 大阪市淀川区西宮原1丁目5−33

設立:2023年3月

事業内容:ECサイトの構築・運用支援、広報支援、WEBコンテンツの制作


コーポレートサイト:https://team-atria.com/







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