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STORY 箱根観光で快適な移動体験を。2030年観光消費3000億円目指し、官民一体で取り組むデジタルマップ開発物語

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箱根観光で快適な移動体験を。2030年観光消費3000億円目指し、官民一体で取り組むデジタルマップ開発物語

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箱根町は首都圏から約1時間強で訪れることができる国立公園温泉観光地であり、自然あふれる芦ノ湖、絶景の大涌谷、日本遺産「箱根八里旧東海道」・箱根神社・箱根関所などの歴史史跡、300を超える魅力的な宿泊施設と美術館群によって、日本を代表する一大温泉リゾートとして年間約2000万人の来訪観光客があります。

現在、観光需要の回復、インバウンド需要の増加もあり、交通渋滞や公共交通の混雑、飲食店での行列など、休祭日を中心に渋滞・混雑が課題となっています。

箱根DMOは、このような課題を解決して需要の分散・平準化を図るためにデジタル技術を活用した「箱根観光デジタルマップ」を昨年11月にプレリリース。順次機能を拡張して2024年1月より本格稼働しました。このストーリーでは、「箱根観光デジタルマップ」開発までのストーリーをご紹介いたします。


◆箱根DMO、官民一体の力で描く2030年観光消費目標3000億円

箱根DMOは「観光地箱根全体を俯瞰して経営する」との視点で、「官民一体ALL箱根」で地域課題に取り組み、地域観光消費を最大化することをミッションとしています。具体的には、観光経済消費額を2030年に3000億円に上げることを目標としています(2017年観光消費額は2900億円)。

箱根DMO誕生のきっかけは、2015年に起きた箱根火山の小規模噴火で大きな観光経済損失(約400億円)が発生したことでした。このような有事においては対応しきれないほどの問題が起こり、それまでバラバラであった各地域や事業者、観光関連諸団体との合意形成の下で、様々な取組みを進める必要が出てきたのです。そこで、当時、観光立国政策の下で誕生した「DMO」の仕組みを活用して「官民一体ALL箱根」で観光に取り組むことにしたのです。



◆デジタルネイティブなZ世代観光客の増加に対応しつつ、渋滞解消へ。     箱根観光デジタルマップ構築へ。

DMOに認定された2018年より、箱根旅行者(国内外)に向けた二次元バーコードを活用した「箱根DMO観光診断書アンケート」を町内約100箇所に設置して、実際に箱根に来られているお客様の生の声を拾って、データ蓄積を行ってきました。そこから見えた「観光客の不満につながっている課題」をひとつずつ取り除くために、プロジェクトを推進してきました。

観光客の不満の上位は「1.交通渋滞、2.公共交通の混雑、3.夜営業している店舗が少ない」でした。特に「混雑渋滞」は周遊によって経済消費が上がって行く仕組みである箱根観光にとって、大きな障壁となっています。満足度の高い施設の多い箱根では、数多くの施設に行って頂ければ満足度が上がって観光消費も上がるのに、渋滞や混雑によって阻害されるからです。

「交通渋滞」緩和の打ち手としては通常、道路の新設や信号や横断歩道の調整などが上げられますが、いずれも合意形成や副作用の排除が難しく、特に国立公園である箱根では環境保全のためにインフラ整備のハードルは高いと言えます。そこで、渋滞混雑の状況を観光客にお知らせし、渋滞混雑を避けて周遊いただくことに力を入れるようになりました。大涌谷で実施してるロープウェイを活用した「パーク&ライド(目的地に手前で車を停めて公共交通で移動する事)」の推奨や、混雑時間を避けて箱根を楽しむためのコンテンツ提供を行ってきました。


コロナ禍では箱根の来訪観光客の志向にも大きな変化がありました。コロナ前は50代以上の年齢層が過半数でしたが、コロナ禍ではいわゆる「Z世代(15-25歳)」が大幅に増加しました。この「Z世代」は、前述のアンケート結果から「SNS」や「WEB」での情報収集が主流であることが実証され、デジタルの重要性と早期の取組みの必要性が高まりました。

しかし、最新のデジタル技術を活用した取り組みには時間もコストもかかるため、年々進化させて行くのは難しい状況でした。本事業では観光庁の事業を活用させて頂き、バス交通のGTFSフォーマットの活用対応、交通機関の混雑・駐車場の満空情報、飲食店混雑の可視化などを搭載した「箱根観光デジタルマップ」を構築しました。また、このマップのAPIを公開し、BtoB向けにデータのオープン化を行います。この事業は関係する多くの事業者・団体等関係者のご協力を広範囲に頂いて進めて来たものです。人と人との対面での観光案内所など、アナログの良い面を残しつつも、いつでも誰でも手軽にスピーディに利用できるデジタルを活用していく事が、今後の箱根の観光課題に対峙して行く中で欠かせないポイントになってきています。

このように、 箱根DMOでは「官民一体ALL箱根」で、観光客に必要な情報の提供による快適な周遊を実現することで、混雑緩和を狙い、箱根旅行者の満足度と消費の向上を目指しています。



◆多様な利害関係者との連携の鍵。日常の議論から生まれる共有目標で、  大規模プロジェクトを円滑に進行。 

~箱根DMO(一般財団法人箱根町観光協会)専務理事 佐藤守~

このような多くのステークホルダが関わる大規模なデジタルマップの開発と運用開始には、通常は多くの時間と合意形成などの労力を要すると思います。しかし、我々箱根では、普段から箱根DMO戦略推進委員会などで「官民一体ALL箱根」で箱根の観光課題について議論し、プロジェクトで取り組んできており、大きなハードルはありませんでした。技術的なハードルが高ければ高いほど、「何のためにやるのか」という「基本コンセプト」がみんなで合意されていることが大切だと感じております。


~トリップラボ合同会社 代表社員 原洋平~

観光情報は、各種観光施設のWEBサイト、地元観光協会のホームページ、紙のパンフレット、雑誌そしてSNSなど、様々な形で提供されています。しかし、これらの情報は散在しており、旅行者が効率的かつ的確に情報を得るのは容易ではありませんでした。

そして、私たち観光従事者としても、箱根のさらに深い魅力や、より充実した周遊の方法を旅行者に伝えたいと常に思っていましたが、その思いを適切に伝える効果的な「場」に課題を感じていました。

そんな思いから、「箱根観光デジタルマップ」の開発に至りました。このデジタルマップは、観光する際に必要な情報が一箇所に集約されたツールにするために、箱根DMOとしておすすめの観光スポットやルートに加えて、飲食店、ガイドツアー、アクティビティ、交通手段や駐車場などの静的な情報から、渋滞予測や飲食店の混雑状況、駐車場の満空情報などリアルタイム情報まで、箱根の滞在をより便利にする情報が網羅されています。これを実現するために多くのステークホルダーと連携する仕組みを構築するのは、技術面だけでなく様々な面で難しさもありましたが、リリースしてみて「もっとこうしたら良かった」など改善の余地もたくさんあると思っています。箱根を訪れる人々にとって、このデジタルマップを活用することで箱根の新たな魅力を発見し、多くの人々に箱根の素晴らしさを伝える手段となることを期待して、今後もさらなる改善をしていきたいと考えております。


◆箱根観光デジタルマップの展望。PR強化と地域企業連携で未来へ

今後は、我々の想いの込もった「箱根観光デジタルマップ」を、より多くの箱根への旅行者の皆様に活用していただきたいと思っております。そのために、PRの強化、詳細機能のブラッシュアップを進めて行きます。そして、この仕組みを活用した新たなビジネスや他の地域や企業との新たな関係性を広く構築して行ければと考えています。

◆観光客の皆様へ。混雑を避けた快適な箱根旅行への招待

「箱根観光デジタルマップ」をぜひご活用頂き、混雑を避けて、ストレスのない快適な箱根旅をお過ごしください!箱根は広い観光地の中に様々なコンテンツが点在する「テーマパーク」のような観光地です。皆様のお越しをお待ちしております!


【箱根観光デジタルマップ】

▶URL:https://map-hakone.staynavi.direct/

▶二次元バーコード










▶箱根全山:https://www.hakone.or.jp/






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