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STORY 生活習慣病と心臓病、1人1人に合ったお医者さんを簡単に見つける。「見える化マップ」の誕生ストーリーと今後の展望について

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生活習慣病と心臓病、1人1人に合ったお医者さんを簡単に見つける。「見える化マップ」の誕生ストーリーと今後の展望について

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日本循環器協会は、循環器病患者を診療するお医者さんを地図上に可視化する「見える化マップ」を公開しました。このマップを通じて、あなたの近くで高血圧や糖尿病などの生活習慣病を診療する「内科系標榜医」や、不整脈や心不全といった心臓病を診療する「循環器専門医」を簡単に見つけることができます。今回は「見える化マップ」の誕生秘話と今後の展望についてお伝えいたします。


・個別性の高い医療機関専門のGoogleマップ

「見える化マップ」は、内科系標榜医と循環器専門医が所属する医療機関を地図上にマッピングする取り組みです。高血圧や糖尿病を健診で指摘されたが、「どこで診てもらえば良いか分からない」といった悩みを抱える方は多いといわれています。あるいは、「不整脈を指摘されたけど診てくれそうな大病院は遠すぎる」と諦める方もいるかもしれません。GoogleやChatGPTは便利な検索ツールですが、一般的な情報は得られる一方で、自身の病状や適切な医療機関に関する具体的な情報は得られないことが多々あります。近くのお医者さんが最初にアドバイスできる重要な存在ですが、探すのが難しく、せっかく見つけたとしても「うちでは診られない」という場合もあります。そんなときに、「見える化マップ」が役立ちます。

• 高血圧や糖尿病が無視されるのは意識の低さだけが原因ではない

近年急増する「心不全」という危険な心臓病のリスクを軽減するためには、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のコントロールが欠かせません。しかし、健診で問題が指摘されても無視してしまい、心不全が発症してから受診するケースが多いのが実情です。これは、「ちょっとした病気だから大丈夫」という過信があることが原因の大半ですが、「どこに相談すれば良いか分からない」といった受診の障壁があることも原因のひとつです。実際に、地域のお医者さんが分からないことに悩むのは患者だけでなく、医師も同様です。たとえば、遠隔地から救急車で搬送された患者を地域に戻す際、どこに紹介すれば良いか迷うことがあります。そのため、「地域のお医者さんを見える化する」ことが患者と医師の両方にとって有益だと考え、この取り組みを始めました。

• 心不全は「見えない落とし穴」


心不全はすべての心臓病の終着駅であり、発症後の5年生存率はがんと同様に低い危険な病気です。一方で、心不全はがんと異なり予防が効果的な病気でもあり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をコントロールすることで予防できます。ただし、生活習慣病は症状がないことが多く、「様子を見ても大丈夫だろう」と軽視されるため、せっかくの予防チャンスを逃す傾向にあります。その結果、気づかないままに心不全の落とし穴にはまりこみ「息が苦しい」となって初めて受診するケースも多いのです。高血圧や糖尿病の治療は、この恐ろしい落とし穴を避けるために必要であり、その主役はあなたと地域のお医者さんなのです。

• あなたの地域の「循環器病」のお医者さんとは?

「循環器病」という言葉は一般的には馴染みがないかもしれません(筆者も医学部で初めて知りました)。循環器は「血液が循環する器官」という意味であり、心臓と血管を指します。つまり循環器病とは「心臓と血管の病気」という意味です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は血管にダメージを与える病気であり、血管の病気といえます。ダメージを受けた血管は動脈硬化となりますので心筋梗塞や心不全といった心臓の病気を引き起こします。これらの病気はいったん発症すると重篤なので、発症しないための予防が重要です。そのためには心臓病の直接の原因となる、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をコントロールすることが必要なのです。したがって、「循環器病」とは「生活習慣病(血管病)」と「心臓病」の両方を指すことになります。これらを診てくれるお医者さんを簡単に見つける地図が「見える化マップ」なのです。

• 見える化マップができるまでの難題とは?


生活習慣病と心臓病の両方が循環器病ですので、循環器病の患者さんは、両方を診ることができる循環器専門医のお医者さんを受診するのが無難です。ところが、つくば市とともに「循環器専門医の見える化マップ」を作るなかで、この地域に循環器専門医のお医者さんが少ないという問題が出てきました。とくに地域で最も信頼され、多くの循環器病患者を診察するお医者さんが循環器専門医ではないため、このままでは見える化マップに掲載できないというのは大変困りました。そこで考えたのが、見える化マップの見える範囲を大きくすることです。循環器専門医に加えて「循環器患者も診療する一般内科医」を内科系標榜医として加えることで、生活習慣病も含めた循環器病のお医者さんを見える化することに成功しました。生活習慣病だけであれば内科系標榜医、心臓にも病気があれば循環器専門医を受診するような役割分担を想定し、この両者を分けて絞り込む機能も盛り込みました。このようにして生活習慣病と心臓病、1人1人に合ったお医者さんを簡単に見つける「見える化マップ」が誕生したのです。ちなみに、日本循環器協会の正会員は、地図上のピンがオレンジ色に表示されていますので、循環器医療情報誌COCOROをお読みになりたい方はオレンジ色のお医者さんを訪れてみてくださいね。

• 地域の医師会と協力しながら全国のお医者さんの見える化を進めます


「見える化マップ」の展開にあたり、患者の視点だけでなく、地域のお医者さんや医師会の視点も重要でした。この取り組みは地域の医師と医師会の協力がなければ成り立たないものです。そのため、医師会が「見える化マップ」の有益性を理解し、同意した医療機関のみが公開されるようになっています。医師会によっては既に地域内での疾患別の役割分担が進んでいる場合もあり、「見える化マップ」がそぐわない可能性もあります。このため、本取り組みは「見える化マップ」のニーズがあり、地域の医師会と大学病院が密に協力しているつくば市からスタートしました。両者の協力で医療機関の登録手順や公開内容、同意取得システムについて問題点を洗い出し、現在の「見える化マップ」をリリースするに至りました。今後も各地域の医師会の声を聞きながら、システムのアップグレードを進める計画ですので、楽しみにしていてください。




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