海外・国内のベンチャー系ニュースサイト | TECHABLE

TECHABLE

STORY パーソルグループのシステム開発とAI技術利活用のこれから

Story

パーソルグループのシステム開発とAI技術利活用のこれから

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加

パーソルグループ中期経営計画2026』では、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現に向けて「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を目指すことが方針として掲げられています。


今回は、その進化をシステム・仕組みづくりの側面から牽引するパーソルホールディングス グループデジタル変革推進本部 本部長の朝比奈にインタビュー。パーソルグループ全体のシステム設計について、目指す理想のあり方と、その実現に向けた取り組みの現在地を聞きました。

エンジニアリングからプロジェクトマネジメント、組織・仕組みづくりまで幅広く経験


――まず、朝比奈さんがグループデジタル変革推進本部 本部長の役割を担われるに至った背景にフォーカスしてお話を伺います。まずはこれまでのご経歴からお聞かせいただけますか。


大学院に在籍していた頃にプロジェクトマネジメントを手がけるグローバル企業にアルバイトで入社し、社会人としてのスタートを切りました。そこで16年間勤めた後、外資系ITセキュリティ企業におけるビジネスアナリストとしての業務経験を経て、前職であるパーソルキャリア(旧・インテリジェンス)に入社したという流れです。


――パーソルキャリアにジョインされる以前、テクノロジーの領域においてどのような経験をされてきたのですか?


1社目では、社員を目指して アルバイトとしての業務のかたわら技術を学びはじめ、ヘルプデスク、プロダクトサポート、プロダクト開発、プロダクト導入コンサルティング……とステップしていきました。ここでは具体的に、自社製品を開発してお客さまのシステムに組み込むこと、グローバル製品を日本向けの仕様にカスタマイズすることなど、エンジニアリング業務を幅広く経験しています。


2社目、3社目のITセキュリティ企業においては、情報システム部門において、社内で扱う情報システムの企画から開発、運用、ガバナンスなどあらゆる領域を担当後、部門長をしていました。


――幅広い経験を積まれた後、次のステージとして日系企業、中でもパーソルキャリアを選ばれたのはなぜですか?


さまざまな国のエンジニアと共にはたらいてきた経験の中で、日本のエンジニアの方々の優秀さを痛感し、“彼らの自分が求めるキャリアと対価を得られる状態” を作りたいと思うようになったことから、はたらく場として日系企業に目を向けました。


そして2020年4月、グループデジタル変革推進本部 ビジネスITアーキテクト部 部長としてコーポレートIT部門の組織変革に着手し、2021年より本部長に就任して現在に至ります。

「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化に向けた、抜本的システム改革


――次に、グループデジタル変革推進本部の役割についてお聞かせください。


グループデジタル変革推進本部は、グループ社員の業務をより便利にし、より良い “デジタル体験” が得られる状態を目指す組織です。グループ共通で利用されるシステムの企画・開発・運用や、コーポレート領域におけるデータ利活用の推進、そのために必要なルールやプロセスの整備、また事業部門の皆さんと共に事業における各サービスのデジタル化推進などを主に行っています。


<グループデジタル変革推進本部の役割と担当部署>

――朝比奈さんは、パーソルグループにおけるシステム設計のあるべき姿とはどのようなものだとお考えですか?


今のパーソルグループに合った、そして今後の発展を見据えたシステム設計であり、データドリブンの意思決定を推進するに相応の仕組みであることが理想です。ただ、大きな組織だからといって、すべてを一様に大きなシステムにする必要はないと考えています。


例えば、ファイナンス周りなどグループ全体としての大きな意思決定に関わり、かつ競争領域ではない部分のシステムについては、洗練されたデファクト・スタンダードなものを採択して仕組みの統一・標準化を進めるのが望ましいでしょう。 


ですが、人事やビジネスそのものについて、グループ各社の規模も社員も制度も一様ではない中で、無理に一つのシステムに載せるというのは現実的ではありません。


合わせるべきものは合わせて、コアの部分は共通の仕組みとしながら、その周りには各社の事情に合った小さな仕組みが衛星のように存在する。これらが両立されたシステムを作っていきたいと思っています。


<共通システムにおけるAs-IsとTo-Be>

テクノロジーの力を活かした新価値創造を目指す、未来を見据えた取り組み


――今年度発表されたグループ中期経営計画2026をふまえて、パーソルグループのITのR&D領域における取り組みについて概要をお聞かせください。


テクノロジーの力を使って既存のビジネスを磨くだけでなく、パーソルグループとして今はまだご提供できていない新たな価値をつくり出すことを目指し、グループにとって相性の良いテクノロジーを探索し、そのノウハウや成果をグループ内事業に展開する取り組みを進めていこうと考えています。


――ITのR&D領域において、特にどのような点に力を入れていこうとお考えですか?


テーマとしては、“AIとデータの利活用”です。

グループ全体で、事業変革、業務活用、共通利用の3つの段階に分けてAI技術の利活用を推進していく構想です。


<パーソルグループのAI技術利活用推進イメージ>

中でも「生成系AI」は確実に取り組み、加速させるべきものと考えており、2023年7月にはグループデジタル変革推進本部内に「Generative AI Hub室」という組織を立ち上げました。この組織を起点として国内グループ全社に横串を通し、取り組みを展開していきたいと考えています。


――具体的に想定されている、または始動された取り組みがあれば教えてください。


第1弾の取り組みとして、パーソル版社内GPT「PERSOL Chat Assistant」を内製で構築しました。6月よりテクノロジー組織を中心に試用を重ね、国内全社への展開を開始したところです。


また他にも、テクノロジー活用によって顧客体験価値を向上させ、はたらくことを通じてその人自身が感じる幸せ“はたらくWell-being”を高めることを見据えて、各事業でテーマの具体化が進んでいます。


――そのような未来の実現に向け、グループデジタル変革推進本部としてどのように取り組みを牽引されるか、今後に向けた思いをお聞かせください。


私たちがこれから仕掛けていく変革は、既存の業務プロセス全体の変革なしでは達成し得ないものです。より多くの社員に「使いづらかった社内システムがこんなに変わるんだ」「便利で楽になった」、また「新たな価値を顧客に届けられている」と体感していただけるように、各現場にしっかりと踏み込んで皆さんとの対話や業務理解を深め、正しくリーダーシップを取りながら変革を推進していければと思います。


しかし、テクノロジーの力を使ったビジネスや業務の変革を目指すにあたっては、ゴールを描くこと自体が難しいですし、ましてや進め方も未知なものばかりです。


だからこそ私たちグループデジタル変革推進本部は、新しいはたらき方を思考し、私たち自身が実験台になって挑戦し、うまくいかない部分は柔軟に変化させながら価値をつくっていく、そんな“アジャイル”なマインドを大切にしていきたいと思っています。


またそうして私たち自身のはたらき方を変えながら挑戦を繰り返す中で、グループ社員のみなさんが安心して挑戦できる場をつくり、「一緒に挑戦しようよ」と一人ひとりをエンカレッジできるような組織であれたらと思います。



※2023年8月時点の情報です。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。





行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ
Techableの最新情報をお届けします。
前の記事

WHAT'S NEW

最新情報