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STORY 5年間で3度のピボットを経てリニューアルした「Mitsuri」。金属部品調達の新しい取引体験の提供と製造業界の取引構造変革への挑戦

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5年間で3度のピボットを経てリニューアルした「Mitsuri」。金属部品調達の新しい取引体験の提供と製造業界の取引構造変革への挑戦

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「未来の製造業をつくる」ビジョンを掲げる株式会社Catallaxy(以下、Catallaxy)が提供する部品調達クラウドの「Mitsuri」は、2023年9月1日に3度目のプロダクトリニューアルをしました。



Mitsuriは、アナログなワークフローで効率性を伸ばしきれないでいる製造業という、非常に大きな市場で、受発注を軸に新たな取引体験に挑戦し続けるために今回のリニューアルに踏み切りました。サービスは、リニューアル計画始動から5ヶ月でローンチを果たし、初月から収益を上げることに成功しています。


Catallaxyの取締役・藤野 潤也は、「まだまだこれからのサービスではありますが、大きな市場で新しいビジネスモデルで挑戦しているスタートアップ企業の事業背景がこの記事で少しでも伝わると思います。それにより、業界内のDX志向がさらに加速する一助となればとても嬉しい」と振り返ります。



            (Catallaxy 取締役 藤野 潤也)


既存ビジネスモデルを見直し、未開拓ゾーンへの挑戦を始めた

2022年4月までのMitsuriは、金属部品の見積もり依頼をもらい協力工場で製作して納品する、商社モデルでした。事業過程では愛知県に自社工場を立ち上げ、本格的な工場DXも手がけながら、Web上から依頼が集まる仕組みを強みを活かしたプラットフォーム事業を展開していました。その時から、依頼主と工場がコミュニケーションできる仕組みに着目し、製造過程で直接やり取りする場を設けたり、部品によっては最初から直接紹介したりとスモールながらに取り組みはしていました。しかしながら、業界的に直接取引は暗黙知レベルでタブー感があることもあり、いくつかのハードルを乗り越えてから、実際に2022年4月頃に今の原型となる形で、新規取引先開拓機能と案件業務管理機能を一緒に搭載したハイブリットプロダクトとしてモデルチェンジをし、本格的な挑戦が始まりました。



新モデルの急成長はならず、顧客調査を経て機能を分けることを決定

新モデルのリリース後は順調な滑り出しで、新規の取引自体は着々と増えていました。様々な企業との商談を進める中でも、商談からの利用率は80%を超える非常に良い数字でした。しかし、業務管理機能まで見据えた利用率は想定以下の数値がずっと続き、ハイブリット型としての本来の利用とは別の活用用途でユーザーが定着しており、あらためて顧客調査に入りました。そこで判明したのが、新規取引機能を利用しているユーザーは、業務管理機能を必要としておらず、業務管理ニーズを所有するユーザーはまた別にいることがわかりました。この事実を元に更なる改良をするための企画に着手したのが、昨年末でした。着実な成長はしているが、急成長まで至らなかった原因がわかった段階で、機能を分けた提供方針を経営会議で決定しました。



UXを最大化するためのプロダクト開発体制の変更

新規取引先開拓機能と業務管理機能を別々にしたプロダクト構成が決まり、2つの開発を同時に行う体制へ切り替えました。(開発中の業務管理アプリケーション「CHAIN」は別途ご案内いたします)Mitsuriの役割は、新規取引先開拓機能に絞り提供すること。つまり、部品調達が必要な企業と、それを製造できる工場を直接繋ぐことだけに特化したプラットフォームにベネフィットを据え、開発期間は4-5ヶ月と短いスパンでリニューアルリリースまで迎える形となります。(非常に優秀なチームのお陰なので紹介したいがまた別の機会に…)


< Mitsuriサービスの直接取引の仕組み >

(サービスURL:https://lp.mitsu-ri.net/)


Mitsuriを新規取引先開拓に特化させた理由

オンラインで直接取引モデルを完成させている企業は、我々が知る限りまだいないと見ています。社内では、「現状維持」「追加機の実装」「サービス自体の閉鎖」まで議論しましたが、業界構造の変革にチャレンジを続ける道を選択しました。まずは、顕在化しているニーズをMitsuri独自の世界観で提供することで、サプライチェーン改革を促すべきだと考えたのです。その背景として、問題視されつつ未だ根本的な課題解決には至っていない多重下請構造の解消につなげられること、企業のDX推進はさらに加速していくことも挙げられます。それには、当事者企業同士が取引できるオンライン環境の構築と、環境を後押しできるだけのUIなどプロダクト力が必要です。我々はそれにチャレンジできるだけのテックカンパニーと位置付けて、DXの入り口サービスとして新規取引の演出に機能特化させるに至りました。


< 多重下請構造の緩和で起こること>


産業の構造改革をする覚悟で、今後もサービス開発を続けてゆく

当社の挑戦はまだ道半ばです。今まで同様に、これからも様々な課題に直面することでしょう。しかし、取引モデルの推奨とそれを実現するだけのプロダクト力、業界全体のDX浸透を信じて産業の構造改革を行う覚悟を持ち、これからもサービス開発を続けてまいります。

Mitsuriに留まらず2023年中には、業務管理アプリケーションとクローズドプラットフォームDXシステムの提供開始、さらには部分最適ツールの図面解析AIや3D CAD、汎用オンラインカタログなどのシステム保有をし、様々な角度から製造業DXの支援をするための準備が整備されています。日本の主要産業である製造業の未来をつくるため、これからもCatallaxyに期待していただけますと幸甚です。




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