株式会社くじらリアルエステートテックは、グループ会社がホテル向けIoT製品の開発で得た知見を活かし、集合住宅向けIoT製品の開発・販売を行うために設立した会社です。
近年、ホテルと単身者向け賃貸マンションの境目は曖昧になってきています。ホテルの中には、スマート化を推進しているところが増えてきていますが、この流れは今後、一般の賃貸マンションにも拡大しホテルと同様のソリューションが導入されていくだろうと予想しています。
私たちはマンションオーナー様のニーズに応えるため、インターネットの技術を活用して、エントランスのオートロックもスマホアプリで解錠できるスマートインターホンを開発しました。従来の高額なインターホンシステムを低コストでリプレイスができ、入居者にとっても「物理鍵」を持たない生活のスタートとなる『くじらスマートインターホン』の開発の着眼点についてお話しします。
代表取締役:田中 実
圧倒的なコスト削減のために、TV会議の仕組みを利用すれば実現できる!
開発のきっかけは、あるマンションオーナー様から相談を受けたことです。
それは「経年劣化で故障したマンションのインターホンを全て入れ替える必要があるが、莫大な費用がかかるので何とか安くできないか?」ということでした。
賃貸マンションでは老朽化したインターホンを、ただ新しくしたからといって家賃を上げられる訳でもなく、入居率の改善も期待できません。マンションオーナー様にとって、既存設備のリプレイスにかかる費用は多くの場合、回収不能なコストでしかないのが現状です。
また、そのマンションオーナー様にはあるアイデアがありました。それは「LINEテレビ電話のようなことができれば配線工事が不要だし、 SwitchBotのようにリモートで解錠ボタンを押すことのできるIoT端末を利用すれば、共有エントランスのオートロックも遠隔操作ができるはずだ。」というものでした。そこで私たちは、グループ会社の「PBX(電話交換機)を必要としないホテル向け内線電話」の技術を活用して、マンションオーナー様が理想とするスマートインターホンの開発をスタートしました。
外出先でもインターホンに応対でき、遠隔でオートロックの解錠も!
完成すれば、自宅にいなくてもスマホでインターホンに応対でき、共有エントランスのオートロックの解錠が可能になります。例えば、外出中に宅配業者が来た場合でも、遠隔操作でオートロックを開けて、「置き配」の依頼をすることができます。私自身、この便利さに大きな魅力を感じました。
実は私も、自宅のマンションに市販品のスマートロックを個人で導入しています。ドアに強力な両面テープで貼るタイプですが、スマホで開けられる便利さに満足しています。残る不満は、共有エントランスのオートロックを解錠するためには結局「物理鍵」を持ち歩く必要があることでした。
スマホ1つで共有エントランスのオートロックも住戸のドアも解除できるようになれば、「物理鍵」を持ち歩くことから解放されるのです。
今後起こり得る有事の際も、長期間にわたり自社で管理可能なシステムを提供!
競合会社を調査した結果、共有エントランスのオートロックをスマホアプリで解除できるような製品は少なく、日本製のサービスは見当たりませんでした。中国などからの海外製品では、クラウドサーバーが海外にあるため、何らかの事故やインターネット接続のトラブルで、突然サービスを利用できなくなるリスクがあります。
そこで、日本国内に拠点があり、安心かつ安全に運用できるクラウドサーバーを利用して、私たちがコントロール可能な製品である『くじらスマートインターホン』を開発することを決定しました。
▲くじらスマートインターホン for オートロックシステム
無人内覧の実現で、不動産業界全体に変革をもたらす!
さらに、不動産業界にとっての利点は『くじらスマートインターホン』と『くじらクラウドスマートロック』を併用することで、無人内覧が可能になることです。
今は不動産や住宅の情報がネットで簡単に見られるので、多くの人がインターネットで好きな物件を探し、見たい物件を決めてから内覧することが一般的になっています。
無人内覧の良い所は、お客様が好きなタイミングでインターネットを通じて内覧の申し込みができることです。不動産会社の担当者が同行しないため、ストレスフリーで、部屋の採寸などを好きなだけ行うことができます。お客様のニーズやライフスタイルに合わせたこの無人の内覧スタイルは、将来、不動産内覧の標準的なスタイルになるだろうと、私は考えています。
しかし、ここで1つの課題がありました。それは、無人内覧が行われることで、知らない人が共有エントランスのオートロックを突破して、自由にマンション内へ入ってこられることに対する既存の入居者の不安についてです。私たちはこの課題を解決するために、クラウド上でお客様が内覧する時間帯のみ利用できる時限パスワードを発行できる機能を開発しました。これにより、マンションのセキュリティを確保し、安心・安全な無人内覧の実施が可能になりました。
▲くじらクラウドスマートロック
▲くじら無人内覧
宅配ボックスも1つのスマホアプリで解錠、宅配ボックスの運用負担をゼロに!
私たちは宅配ボックスにも注目しました。エントランスのオートロックと同じように、スマホで宅配ボックスを開けられる仕組みを開発しました。
これまで、磁気カードを使用している宅配ボックスでは、荷物が届いた際に部屋に戻ってカードを取りに行く手間がありました。また、ダイヤル式の宅配ボックスを採用しているマンションでは、宅配業者が暗証番号を間違えて記載したり、部屋番号を間違えて配達することも多々発生し、毎回管理会社様が対応をするために現場に出向く必要がありました。
『くじらスマート宅配ボックス』は、利用者にとってスムーズな荷物の受け取りを実現するとともに、管理会社様にとってもボックスの解錠などの遠隔管理を可能にすることで運用負担を大幅に改善します。
▲くじらスマート宅配ボックス
IoTの力で『住』の領域に快適な未来を創造したい
人手不足対策として、多くの業界で自動化や無人化の取り組みが進んでいます。私たちはIoT技術を活用し、物件の管理コストを下げるだけでなく、入居者の生活を快適にする製品を開発し、物件価値を向上させることを目指しています。管理会社様やマンションオーナー様に、これらの取り組みを通じて、長期的な価値を提供できるようにするため、技術力の強化、開発に情熱を注ぎ続けていきます。
■株式会社くじらリアルエステートテック
https://kujira-realestatetech.co.jp/
<本記事でご紹介したIoTシステム>
・くじらスマートインターホン for オートロックシステム
https://smart-interphone.kujira-realestatetech.co.jp/
・くじらクラウドスマートロック
https://smartlock.kujira-realestatetech.co.jp/
・くじら無人内覧
https://mujin-nairan.kujira-realestatetech.co.jp/
・くじらスマート宅配ボックス
https://deliverybox.kujira-realestatetech.co.jp/
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