1996年にアメリカのカリフォルニア州サンノゼで創設した、先進的なネットワーク機器をグローバルに提供し続けているNETGEARの日本法人、ネットギアジャパン合同会社。創設当時から掲げているミッションは、「全世界のすべての人々をインターネットでつなぐ」というものです。
時は流れ現在、インターネットは我々の生活に欠かせないものとなっています。ネットワークの未来を強く信じていたネットギアは、業界初の製品を常に先駆けて開発・販売することで変化の速いIT業界においても生き残り、着実に成長を重ねてきました。
(ネットギアの歩み)
そして2022年12月、業界として常識外れとも言える顧客をターゲットにして発表された製品があります。27万5,400円(税込・当時のネットギアストア価格)のメッシュWiFiシステム「Orbi 9(オービナイン) WiFi 6E AXE11000 (RBKE963-100JPS)」です。
本ストーリーでは、マーケティングの添田絢也氏に製品誕生の裏側や顧客設定の狙い、また発売後にユーザーからどのような反応があったのか等の裏話を聞きました。
WiFiのない生活はあり得ない。だからこそ、こだわる人がいると考えた
(ネットギアショールームにて撮影)
WiFi対応機器の増加は近年著しいものがあります。スマートフォン、タブレット、パソコンはもちろん、テレビやロボット掃除機、照明など現代の生活では多くの機器がWiFiに接続されています。インフラとも呼べるWiFiですが、家の中で電波が弱くなったり使えなくなってしまう場所はないでしょうか? そのような悩みは、家が広くなればなるほど出てきてしまいます。
しかし、通常のWiFiルーター単体では電波の到達範囲を考えると、家全体をカバーすることはできません。
エアコンも6畳用のものでは、広い範囲をカバーしきれないと思います。WiFiルーターを単体で使う、ということは1台のエアコンで2階と3階にも風を届けようとしているようなものです。
寝室やバスルーム、書斎など家のあらゆる場所でストレスなく快適にWiFiを使いたい、そのために投資は惜しまない。そう思う人は必ずいるとネットギアは考えました。エアコンを部屋ごとに置いて生活を快適にするように、WiFi機器を家庭内に複数台設置することが当たり前の世界になることを目指して。
「どんなに広い家だろうと全てカバーする。」
この想いが、ネットギアの開発したメッシュWiFiシステム「Orbi(オービ)」のこだわりです。Orbiシリーズ初の製品は2016年に販売されました。メッシュWiFiシステムの先駆けとしてその名前は鮮烈な印象を残しています。
※メッシュWiFiシステムとは、ルーターと1つ以上のサテライトを組み合わせ、複数のアクセスポイントを設置して網目状に電波を張りめぐらせる仕組みです。通信経路のどこかで障害が発生しても、障害地点を迂回し正常に通信できるなど、家中でインターネットを快適に利用できるようになります。
(メッシュWiFiイメージ)
パフォーマンスに妥協しない、徹底的に突き詰めた設計思想
当時、無事に発売されたOrbiシリーズ初の製品ですが、そのメッシュWiFiシステム開発も一筋縄ではいかないものでした。
カバー範囲で妥協しない設計思想のOrbiですが、開発当初はサイズとパフォーマンスでどちらを取るか決断を迫られていました。WiFiの電波をより遠くまで安定して飛ばすためには、アンテナの品質が重要となりますが、品質を保つためにはある程度の大きさが求められます。しかし、大きすぎるアンテナを搭載するとデザイン性との両立が難しくなってしまいます。
デザイン性が優れていなければ、人目につかない場所に隠されてしまう恐れがあります。もちろん、WiFiは障害物があると遮られて電波が届きにくくなってしまうので、箱の中などに収納されると製品の意図するパフォーマンスを最大限発揮することはできません。
「業界をリードしてきたネットギアとしては、品質には妥協したくない」。その選択を重視した結果、高品質のアンテナを内蔵しつつ、大きな筐体でもインテリアに馴染むようラウンドフォルムで横に幅が広がりすぎない柔らかなデザインが開発されました。そのDNAは現在のOrbiシリーズにも連綿と受け継がれています。
結果、あらゆる家に馴染むデザインの優れたインテリア性と高いパフォーマンスを備えたOrbiシリーズは好評を博し、日本国内において累計50,000台以上販売されています(2023年7月までの実績。ネットギア社内におけるPOSデータ)。
(Orbiシリーズ初の製品:RBK50-100JPS)
満を持して登場した、最新規格搭載の最高級メッシュWiFiシステム。発売前には社内で不安の声も
こだわりの設計思想を詰め込み、2023年1月に満を持して発売されたシリーズの最高級機種「Orbi 9 WiFi 6E AXE11000 (RBKE963-100JPS)」。27万5,400円(税込・当時のネットギアストア価格)という設定に、発売前は社内から不安の声も上がっていました。
「Orbiシリーズであろうと、もしかしたら1つも売れないのでは?」。 予約受付をしても一切注文が入ってこないことすら想定していました。
しかし、蓋を開けてみれば予約注文は順調に推移し、発売から半年で210セット以上の販売数を達成しました(2023年1月~2023年7月のネットギア社内におけるPOSデータ、ルーター単体、追加用サテライト含む)。
本当に需要のない製品であれば、販売数は0で然るべきです。しかし、継続的に販売されているということは、ネットギアの狙い通りWiFiの環境に困っており、改善の為なら投資を厭わない層がいる証左でもありました。
実際にネットギアの社員が、購入されたユーザー様に話をお伺いするチャンスがあった際、Orbi 9のおかげで非常に満足できるWiFi環境になったとコメントをいただきました。今まで届かない場所にも電波が届き、繋がりにくいというストレスもなくなったということです。色々なことを試してもWiFi環境は改善してこなかったので、この品質で家のどこでもWiFiを使えるのであれば、価値のある投資だというお声もいただきました。
この品質の高さは、ネットギアの取得している特許技術により支えられています。
特許取得済み技術が実現するネットギアだけの価値
ネットギアだけしか実現できないWiFi環境、その秘密は特許取得済みの技術にあります。Orbiシリーズには、下記2つの特許技術が使用されています。
・IoT機器接続に適したアンテナ構造(特許番号:11228114 JUSTIA PATENT)
・専用バックホール機能(特許番号:10278179 JUSTIA PATENT)
「Orbi 9 WiFi 6E AXE11000 (RBKE963-100JPS)」には、合計12本のアンテナが使われています。
そのすべてが本体に内蔵されていることで、インテリアに溶け込むスタイリッシュなデザインとなっています。このアンテナは単純に並んでいるというわけではなく、周波数帯ごとの特性に合わせて最適に配置されています。WiFiルーターと言えばアンテナが本体から突き出しているイメージですが、Orbiはアンテナを内蔵することにより角度の変更をする必要なく、常に最適な電波の広がりを実現しました。これは、ネットギアの持つ高度なアンテナ設計技術の賜物でもあります。
(アンテナ内蔵イメージ / 出典:ASCII)
そして耳馴染みがないかもしれませんが、「専用バックホール機能」というのがOrbiシリーズ最大の特徴となっています。メッシュWiFiにおけるバックホールとは、ルーター(親機)とサテライト(子機、中継器)の間を繋ぐネットワークのことです。電波もしくはLANケーブルが届く範囲内であれば、サテライトを自由に設置して簡単にWiFiのエリアを拡張できます。
しかし、専用ではない通常のバックホールでは同じチャンネルにWiFiで使用するデバイスが増える度、サテライトへの通信スピードが落ちてしまいます。
(通常のバックホール接続 / 出典:ASCII)
わかりやすく例えると、「流しそうめん」のように上流(ルーター)と下流(サテライト)の間に沢山の人達(デバイス)がいて、それぞれがそうめん(通信帯域)を食べると、下流への量が減ってしまう(通信スピードが落ちる)という形です。
ですが、ネットギアだけが持つ「専用バックホール」であれば、接続する台数が増えてもバックホールの通信に影響は与えません。
(専用バックホール接続 / 出典:ASCII)
家の中での生活を思い浮かべてください。リビングや寝室、書斎やお風呂など今では様々な場所でWiFiと接続して生活しています。それが場所によって通信スピードが落ちてしまったら、仕事はもちろん映画や音楽鑑賞、ファイルのダウンロードなど様々な部分でストレスを感じてしまうと思います。
ネットギアの「専用バックホール」があれば、家のどこでも誰でも常に最高のWiFi環境を堪能してもらうことが可能なのです。
WiFiに対応する機器が増えた現代では、家の中が常にWiFiで満たされてなければあらゆることに支障が出てきてしまいます。圧倒的なカバー範囲を実現できるのは特許技術を持つネットギアだけと言っても過言ではありません。
人気YouTuberのお墨付き。11LDKのシェアハウスすべてをカバーする実力に真髄を見た
広い家をカバーする、と一言で表現してもイメージが湧きにくいかと思います。これは私が実際に現場に伺い設置したのですが、11LDKのシェアハウスへの導入事例があります。
その物件はチャンネル登録者数7万人超え、人気YouTuber「レッツゴーなぎら」さんが経営する錦糸町合宿所です。3階建てのシェアハウスには11部屋、10人以上がひとつ屋根の下で生活しています。
もちろん、通常のWiFiルーターではカバーできる広さではありません。レッツゴーなぎらさんも開業するにあたって、快適なWiFi環境をいかにして実現するべきか頭を悩ませていたそうです。
彼自身はもちろんですが、入居者の中にもYouTuberの方がおり、膨大なデータサイズのダウンロードやアップロードが必要でした。もちろん、在宅勤務をされる方もいらっしゃったのでオンラインミーティング等において安定したWiFi環境がシェアハウスのどこにおいても求められる状況でした。
最終的にルーター1台とサテライト4台を導入し、リビングや各部屋はもちろん、屋上に至るまで全てを高速なWiFiで満たすことが出来ました。実際の速度やカバー範囲など、弊社YouTubeチャンネルのツアー動画でご確認いただけます。
動画内でもお話をしている内容ですが、意識しないでWiFiに繋がっている点が快適な状態だと思います。水や電気といったインフラのように、そこにあるのが当然。意識すらさせずに階を跨いでも屋上に行っても常にWiFiが繋がるように出来たのは、ネットギアのOrbi 9が持つ実力だと感じています。
このシェアハウスでは、リビングに人が集まって各自それぞれ仕事を行うこともあるようです。もちろん、同じタイミングで自室にて仕事をする方もいらっしゃいます。この場合、専用バックホール機能がないメッシュWiFiだと何が起こるか、想像に難くないと思います。リビングでWiFiを使う方に帯域を占有されて、他の部屋にいる方々のWiFi帯域が圧迫されてしまうのです。
この問題はなにもシェアハウスだけでなく、家庭内でも起こり得る現象です。だからこそ、専用バックホールが搭載されたネットギアのメッシュWiFiシステム Orbiが、快適なWiFi環境を実現するための手段だと言えるでしょう。
(レッツゴーなぎら氏(左)と錦糸町合宿所にて)
ネットギアの考えるこれからのWiFi
実際にはまだ「つながればいい」という感覚で、低速の回線のまま使い続けている方々は少なくないと思います。しかし今後、次第に接続する機器が増え、扱うデータ量・サイズは増えていくことは伝送する映像の高画質化に鑑みると明らかです。
ほんの数年前には4K映像のストリーミングは一般的でなかったと思います。しかし気づけば、一般家庭でこういった高画質の映像を楽しむことが当然の世の中になっています。この流れが止まることが考えられない以上、家庭内におけるWiFiの通信速度とカバー範囲を向上させることは急務だと思われます。
高速通信の快適さ・便利さを体験すると、それまでいかに遅かったかを実感できます。通信速度が改善することにより、生産性や生活の快適さが上がることは自明の理だと思われます。そのためには投資を惜しまない方々に向けて、ネットギアはこれからも最高級のWiFiシステムを提供していきます。ぜひ今後のネットギアにご注目ください。
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