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STORY 8,700万ユーザー獲得の成功体験を捨て、「開発の自由を取り戻す」アプリ開発プラットフォームをつくるまで。アイリッジ創業15年の現在地

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8,700万ユーザー獲得の成功体験を捨て、「開発の自由を取り戻す」アプリ開発プラットフォームをつくるまで。アイリッジ創業15年の現在地

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アイリッジは、「Tech Tomorrow:テクノロジーを活用して、わたしたちがつくった新しいサービスで、昨日よりも便利な生活を創る。」というミッションのもと、スマートフォンアプリを活用した企業のOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインを統合したマーケティング活動)支援を行っている会社です。



みなさんは、今年7月11日に、iPhoneが日本で発売開始されてから15周年を迎えるのをご存知でしょうか。


この15年で、スマートフォンは私たちの生活になくてはならない存在になりました。SNSや動画視聴などはもちろん、オンラインショッピング、お店のポイントカードやクーポン、決済も。毎日肌身離さず持ち歩く方がほとんどでしょう。


そのような背景から、企業にとってもマーケティング活動の最重要チャネルになっているのがスマートフォンアプリです。なかでも、ECと店頭の在庫をシームレスに確認したり、ARメジャーでサイズ合わせをしたり、リアルでの体験を向上する機能を持つOMOアプリに取り組む企業はますます増え、提供機能も日々進化しています。


このストーリーでは、「昨日より便利な生活」がもっと広がるようにという思いでつくった、企業のアプリ開発に革命を起こす私たちの新サービスについて、ビジネス側責任者である取締役の渡辺と、開発側責任者の執行役員CTO 古木が振り返ります。

クライアントの、そして自分たちの「開発の自由を取り戻す」ために



私たちは2008年、iPhoneの日本初上陸とほぼ時を同じくして創業し、アプリ向けソリューション提供とアプリの企画・開発で急成長しました。手がけたOMOアプリのMAU(月間アクティブユーザー)は8,700万に達し、業界トップクラスの規模になっています。


そして2023年4月から、急激な時代の変化に迅速に対応するための次世代型アプリビジネスプラットフォームとして開始したのが「APPBOX(アップボックス)」。




工数/工期を抑えたスクラッチ開発、捨てずに拡張できるパッケージアプリ、ベンダーフリーで内製化も妨げない機能拡張、高速PDCAを可能にするマーケティング支援機能、柔軟な他社連携・カスタマイズ──という5つの特徴を提供する、国内で初めてのプラットフォームです。


アイリッジでは社員180名中6割近くがエンジニアで、自社プロダクト(顧客向けソリューション)をつくるチームと、顧客のOMOアプリをつくるチームに分かれています。APPBOXは両方のチームのエンジニアと、カスタマーサクセスやデザイナー、営業を中心にほぼ全部署が関わってできた、私たちのすべてが詰まったサービスです。


顧客企業の課題解決のために目指した目標は、「開発の自由を取り戻す」。これは、自分たち自身の課題意識からプロジェクトメンバーを突き動かしたスローガンでもありました。その課題意識とは、高度で複雑なシステムではトレードオフになりやすい、開発のスピード感や柔軟性への危機感です。


より便利で快適な体験を提供しようとするなかで、OMOアプリはシステム構成や外部サービス連携が複雑になり、開発規模も大きくなりがちです。少し何かを変更したり追加したりするにも既存システムの制限で自由にできない。やろうとするとお金や時間がとてもかかる。


それは、顧客のOMOアプリだけでなく、私たちの自社プロダクトにも起きていた問題でした。


顧客のニーズを掴み成長を続けるも、高機能化と開発の大規模化による課題も顕在化



創業当時、私たちの事業は、フィーチャーフォン(ガラケー)の待受画面に情報のプッシュ配信をする「popinfo」というプロダクトの提供から始まり、docomoのiモードなどで広がりを見せていました。そしてこれからスマートフォンが来ると判断し、いち早くスマートフォンアプリ対応をしました。


しかし当時はまだ、そもそもアプリを持っている企業が少なく、まずは情報配信をするためのアプリを作りたい、というニーズが多いことがわかりました。そこでアプリの受託開発事業を開始し、アプリをつくる、そこにpopinfoを導入する、という両輪で事業を拡大していったのです。


その後2019年に、データ活用の機運の高まりに対応し、自社プロダクトをプッシュ配信ソリューションのpopinfoからアプリマーケティングソリューション「FANSHIP」へとリニューアルします。そしてさまざまな企業のOMOへのニーズに応える開発とセットでプロダクトを成長させていきました。



一方同じ頃から、OMOアプリの高機能化、開発の大規模化も顕著になってきました。コストやスケジュールの面で悩まれるケースや、既存システムとの兼ね合いで機能拡張に二の足を踏むケースも見られるようになりました。


本当はもっと自社の顧客にこんな体験を提供したいのに、という企業の思いに応えるために、クライアントのマーケティング担当者だけでなく、システム担当者の課題を解決するアプローチも、自社プロダクトに組み込めないか。そんな構想は描きつつも、既存の自社プロダクトはマーケティングツールに特化した設計および開発アプローチで改修を重ねてきていたため、大きな変革が難しい状況でした。


だったら新しく作ろう。そして顧客と自分たちの開発の自由を取り戻そう。タスクフォース立ち上げから3ヶ月ほど議論を重ね、紆余曲折を経て、たどり着いた結論でした。


“違い”を受け入れることで完成した、自由度の高い開発支援キット


今回、このプロジェクトを成功させるために挑戦した3つのコラボレーションがありました。


1つは自社プロダクト側エンジニアとOMOアプリ開発側エンジニアのコラボレーション。既存プロダクトを走らせながら、期間と体制が限られる中でアプリ開発の課題を解決する広範囲なプラットフォームの提供を実現するためには、OMOアプリ開発のメンバーにも協力してもらう必要があったのです。


しかし、自社プロダクト側で採用していた開発手法は、小さな機能単位に短いサイクルで開発を繰り返していくアジャイル。一方のOMOアプリ開発手法で多く用いられていたのは、上から下に各工程を後戻りしない前提で進めていくウォーターフォール。


それぞれ異なる環境で開発を進めてきたメンバー同士の融合が求められ、開発の根幹となる設計においても様々な発想・意見が飛び交いました。


そのため時間を要することもありましたが、ADR(Architecture Decision Records)等を用意してすり合わせを行うなど工夫を重ね、認識を合わせていきました。

※ADR:ソフトウェアアーキテクチャに関する意思決定の履歴や根拠、その結果を記録し、プロジェクトチーム全体に共有するもの


他にも短期間での体制構築や開発進捗を妨げる外部要因など、いくつもの課題があった中で、最終的にはメンバー1人1人の工夫や努力の積み重ねとその融合によって、良いプロダクトを作り上げることが出来ました。


2つ目はコミュニケーション領域における戦略立案から最適な施策の企画・実行・検証までをワンストップに提供するグループ会社・Qoilとのコラボレーション。新プロダクトのインナーブランディングやネーミングに入ってもらいました。


当初は既存プロダクトのリニューアルとして起案されていたものを方向転換するにあたり、どの段階でどういう情報の出し方をすることでみんなのベクトルを合わせられるか、戦略的に進めていきました。


ちなみに、「アプリビジネスのすべてが詰まった開発支援キット」としてぴたりとハマるAPPBOXという名称は、Qoilを含むプロジェクトメンバーが考えた多数の案から社員投票で選ばれたものです。


3つ目はAPPBOXの特長の一つでもある、他社サービスとのコラボレーション。これは新たなペルソナに向けたプロダクトだからこそ思い切った動きができた部分です。


「中で完結させるのでなく、始めからいろいろなサービスとつながって便利になるプラットフォームを目指して設計しています。マーケティングツールであれば競合となってしまうようなサービスとも積極的に連携してアプリ開発をより便利にできることが、APPBOXに唯一無二の力を与えると考えました。ここを考えるのはチャレンジングだし楽しかった。


連携やモジュール化については、APPBOX自体が成長していくことを前提にした設計なので、これからの成長が楽しみです。アプリ開発支援プラットフォームとして認知されるようにしていきたいですね」とCTOの古木は語ります。


さいごに

最後に、取締役の渡辺からのメッセージと、関連するnote記事を紹介します。



「APPBOXによって、アイリッジが拓きたい未来は2つ。アプリを作ることを諦めていた企業・人に、新たな可能性を提供すること。お金がないからと諦めていたデザインも、機能も、ある程度自由に作れることになります。


また、アプリの開発を内製化しているような大企業に対しても、アプリをゼロから作ることに時間をかけるのではなく、私たちが提供するツールを活用してビジネスの本質的な思考に時間を使ってもらいたいと考えています。


ここから今年夏に外部連携を加速させる『APPBOXコネクト』をリリースして、我々の事業の形態を変えていくくらいの旋風を巻き起こしたいと思っています。ぜひ使ってください」


「APPBOX」のネーミング苦労話を一挙公開!

23年4月リリースのAPPBOXの開発経緯


アイリッジでは、APPBOXを一緒に作ってくれる仲間を絶賛募集中です。

アプリ開発という大きなテーマに対して挑むソリューションを作れる、なかなかない機会だと思っています。


興味を持った方はぜひこちらからお問い合わせください!




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