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STORY 簡単に「電帳法」に対応したファイル管理ができる! ファイルリネームソフトの先駆け「命名くん」、進化の軌跡

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簡単に「電帳法」に対応したファイル管理ができる! ファイルリネームソフトの先駆け「命名くん」、進化の軌跡

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アイ・オー・データ機器は、2022年春から販売を開始していた電子帳簿保存法(電帳法)対応ソリューション「命名くん」をバージョンアップし、5月17日よりリリースを開始しました。PC向けの周辺機器やテレビ録画用HDD商品などでなじみ深い同社ですが、一方で、法人向けのアプリケーション製品も手掛けています。とくに「命名くん」は、ITの専門家が少ない中堅・中小企業、個人事業主でもすぐに使えるファイルリネームソフトウェアとして、業界の先駆け商品として有名です。今回のバージョンアップの内容や、新機能が開発されるまでの道のりを聞きました。


◆手間と時間がかかる大量のPDFの管理にファイルリネームソフトを活用


――「命名くん」のどのようなところが電帳法に有効なのですか。


木戸:令和4年1月1日より改正施行された電帳法で求められていることの1つに、「データの検索要件の充足」があります。例えば税務調査などが入った場合に、求められる電子データをすぐに探し出して提示しなくてはなりません。そこで一定のルールに則ってファイル名を編集できる「命名くん」のようなファイルリネームソフトウェアが大きな力となるわけです。


個々の社員が自由にファイル名をつけて管理部門にデータを渡していては、管理のしようがありません。取引先から送付される請求書や領収書はPDFが多いはずですが、リネーム(ファイル名を変更)するには、いったんファイルを閉じてから再度間違いがないか開いて確認する必要があります。この作業を経理担当者が手動で行うのは非効率でミスが発生しやすくなります。


株式会社アイ・オー・データ機器 営業本部 ソリューションビジネス推進部 市場開拓課 チーフリーダー 木戸 直昭 氏


――大量のPDFのリネームには手間がかかるということですね。


木戸:そのとおりです。「命名くん」を使えば、PDFの内容を見ながらルールに沿ったリネーム作業を実行できます。また低コストでの導入が可能なので、各社員が「命名くん」を使って自分が受け取った請求書や領収書を個別にリネームして共有の保管場所に格納できるようにすれば、管理部門の負担は大幅に軽減できます。このように「命名くん」は、電帳法対応ソリューションであると同時に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を進めるためのツールでもあるのです。


――そのほかの機能としてはどんなものがあるのですか?


中村:「自動入力」機能が好評です。PDFなどデジタル文書に含まれるテキスト情報を読み取り、入力項目に自動で設定できます。これにより書類種別、取引先、金額を自動で選択/入力することができるため、ミスを減らし、作業時間を削減することが可能です。入力項目を共通化して入力ゆれを防止したうえでファイルを保管するということは、もちろん電帳法対応という側面もあるのですが、社内でのファイルのやり取りなどの効率化にも役立つはずです。


株式会社アイ・オー・データ機器 事業本部 企画開発部 開発2課 リーダー 中村 真規 氏


木戸:他のソリューションとの連携も可能です。当社では、ファイルのタイムスタンプ付与ソリューションを提供していますが、この連携もシームレスに実施できます。タイムスタンプ機能は、電帳法対応で求められる「電子データの真実性の確保」には欠かせないものなので、「命名くん」と連携して活用されるお客さまも多いです。


中村:連携といえば、リネームした電子データを当社のBlu-rayディスクドライブとセットで利用するケースも少なくありません。PCのみに保存していると、機器の故障などで失ってしまう恐れもあります。当社の電子帳簿保存用外付ブルーレイドライブは、一回記録(追加記録は可能)の光ディスクにのみ書き込めるようになっており、繰り返し上書きができる光ディスクを認識しないように設計されています。そのため意図しないデータの消去や上書き、誤操作による電子取引データの損失を防止できるのです。


「命名くん」の画面とBlu-rayディスクドライブ



◆直感的に操作できるよう、2分割の画面を選択可能に


――製品自体は販売開始して1年ほどなのに、今回で6回目のバージョンアップになるのですね。


木戸:販売数も順調に伸び、ユーザーさまからさまざまご意見をいただくことが多くなりました。合わせて社内からも建設的な意見がどんどん開発担当に舞い込むようになりました。担当グループとしては、その期待に応えるため、適宜バージョンアップを繰り返してきています。こうした姿勢は、当社の伝統ともいえるものです。


――今回、最も大きく変更したのはどんなところでしょうか。


奥村: GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)です。従来の4分割画面に加え2分割を選択できるよう変更しました。使い勝手の良し悪しというのは「正解」がない世界なので、いろいろな意見がでてくるなかで試行錯誤を重ねていました。もともと4分割画面というのは、リネームに必要な情報および操作項目が1つの画面で一覧できるというメリットがあります。開発担当も含めて社内ではこの画面構成が最良だと考えていたのですが、一般のユーザーさまからは、意外な意見が出てきたのです。


従来の画面は、「データの選択」→「PDFの内容確認」→「会計処理日確認」→「書類種別の選択」→「取引先選択」→「金額入力」→「保存先選択」→「リネーム・ファイル移動」といった項目が整理して提示されています。つまりリネーム作業のプロセスすべてが1つの画面で完結できるようになっていました。しかし、ユーザーさまからは「どこから手をつけていいのか分からなくなる」という声を多数いただきました。



4分割の画面と2分割の画面を選択できる



――作業を一覧できるが、情報量が多すぎるということですね。


奥村:そこで気づいたのが、このソフトウェアは、ITリテラシーのレベルを問わず、どんな人でも簡単に使えるものであることを最優先しなくてはならない、ということです。そこで画面を2分割して右側にファイルの内容を確認できるプレビュー画面、左側に作業項目を置いて、1つの作業が完了したら次の作業が画面に提示される、というようにしました。


――大きな変更になりますが、不安はなかったですか?


奥村:もちろんありましたが、社内ユーザーや一部のお客さまにもご協力を仰いで、細かいところを何度も繰り返し詰めていくことで、次第にあるべき姿が見えてきました。新しい画面構成をサンプルとして見てもらうだけではなく、実際に2画面構成で操作することができるバージョンを用意して試してもらいながら開発を進めました。つまりPDCAサイクルを回しながら進めたのです。ここでの改善作業はエンジニアにとっても楽ではない作業でしたが、今回正式にリリースされる入力画面は、いままでリネームソフトを使ったことのない、普段あまりPC操作をしない人でも抵抗なく使えるはずです。


株式会社アイ・オー・データ機器 事業本部 企画開発部 販売促進課 チーフリーダー 奥村 友和 氏


◆電帳法対応以外の業務ファイルにも「命名くん」を活用しデータドリブン経営を


――今後の展望についてお聞かせください。


木戸:「命名くん」を使ってほしい、というメッセージを伝えるだけでなく、まずお客さまに電帳法への対応をこれからどうすればいいのか、ということを理解していただくために税理士の小嶋 晃弘先生の協力いただいて「電帳法まるわかりスタートブック」という電子冊子を提供することにしました。この冊子は、製品を購入いただければすべてお読みいただけますが、新バージョンの「お試し版」をご利用の方も一部閲覧可能です。


中村:さきほども話に出たDXツールとしての「命名くん」について、もっとアピールしていきたいと考えています。電帳法への対応も重要ですが、デジタル化による業務効率化は、それと同じくらい各企業に大きなインパクトをもたらします。誰でも使えて正確にリネームができるツールと保存先のBlu-rayディスクドライブを電帳法対応以外の業務ファイルにも活用していくことで、データドリブンな経営を推進できるはずです。


――本日はありがとうございました。




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