しかし、米大学の研究チームが開発したモバイルアプリと紙を使えば、家庭で簡単に中耳炎かどうかがわかるようになりそうだ。
・誰でも使える
中耳炎は、中耳で炎症が起きている状態。その際、鼓膜よりも奥にある中耳の空間に液体がたまることがある。いわゆる滲出性中耳炎だ。
ワシントン大学の研究チームは、この滲出性中耳炎をスマホと紙を使って確かめられるアプリを開発した。使い方は簡単で、紙を円すい状にして細くなった先を耳穴にあて、広がった方をスマホのスピーカーとマイクがある部分にあてる。
・音の跳ね返りを分析
仕組みはというと、スマホから小さな音を耳に向けて出し、その跳ね返りを分析する。健康な耳と、中耳の中に液がたまっている耳とでは、その音の跳ね返り方が異なるのだという。
アプリはスマホのマイクが拾った音を分析するシステムを搭載し、中耳炎の可能性を表示する。開発チームによると、このアプリを使うのに特殊な技術などは不要で、紙も通常のものでオーケー。なので、医療機関を受診する前に家庭で滲出性中耳炎をチェックできる。
患者25人を対象に行った実験では、アプリと医師の診断はほぼ同じだったという。研究チームは「Edus Health」というスピンアウト企業を通じてこのアプリを商業展開する計画だ。
University of Washington
(文・Mizoguchi)