以前、テクノロジー界の巨人Googleでも、メガネ型のウェアラブルデバイス「Google Glass」のコンセプトを企画したものの、一般の生活者たちに受け入れられず、想定したような定着化は進まなかった。
1500ドルという値段の高さに加え、多くの人が「インターネット接続したカメラを顔に装着して歩き回ることに、不気味さを感じた」ためといわれる。
・法人利用向けの「Google Glass Enterprise Edition 2」
一時期、この「Google Glass」の計画は頓挫したように思われていたが、米Googleは2019年5月20日(現地時間)に、新しいバージョンのメガネ型ウェアラブル「Google Glass Enterprise Edition 2(Glass EE 2)」を発表した。こちらは一般向けではなく、2017年から“ビジネス向け”として開発が進んでいたもので、新しいCPUを搭載し、性能面の向上も施されたという。・効率的な電力使用、機械学習の性能向上を実現
「Glass EE 2」は、Qualcomm Snapdragon XR1チップを搭載。Googleによると、より効率的な電力使用、パソフォーマンスの向上、機械学習の性能向上が期待できるという。高性能の新バッテリーはUSB-Cポートに対応しており、測定機能がパワーアップしたカメラを搭載する。2013年に一般向けに発売されたバージョンより、価格は500ドル安い999ドル(約11万円)となる。ただし、見た目のほうは旧バージョンよりちょっと古めかしいデザインとなっている。
・特定の環境下での需要を見込む
旧バージョンの発表から6年経過した今でも、顔に装着するウェアラブルデバイスはなかなか世の中でヒットはしていない。まだまだ人々の意識や倫理観は劇的には変わっておらず、根付くのには時間が必要なのかもしれない。とはいえ、特定の状況下では顔に装着するタイプのウェアラブルデバイスの有用性は高い。医療現場や建築現場など、両手が使える状態で業務を遂行する必要があるシーンは多い。「Google Glass」は今後ビジネス向けツールとして、私たちの社会において身近な存在となっていくのかもしれない。
Mashable