公開されたビデオでは、確かにLilium Jetが垂直に離陸し、ホバリングして無事着陸する様子が映し出されている。
・エンジンの角度が変わる!
テストフライトは、Liliumの拠点、ドイツのミュンヘンで5月4日に行われた。
空飛ぶタクシーの開発を進める企業は多いが、それらのほとんどが回転翼を複数配置した、いわゆるドローンタイプ。しかし、Lilium Jetはウィングを擁し、ミニ飛行機といった外観だ。
これでどうやって垂直離着陸するのかと思うだろうが、秘密はウィングにある。計36ものジェットエンジンが配され、離発着のときはそのエンジンが垂直方向に向いて揚力を得るようになっている。
・最高時速300キロ!
今回の初テストは垂直に離陸して、数メートルほどのところでホバリングして着陸するというものだったが、一定の高さに達したらエンジンが水平方向に向いて前進するように設計されている。
Liliumによると、最高スピードは時速300キロで、航続距離は300キロ。カプセル状の空間に客5人まで搭乗できる。
もちろん今後はテスト飛行をさらに重ね、航空当局の認可を得る必要があるが、同社は2025年までには客がアプリで予約できる空飛ぶタクシーサービスを展開する計画だ。
実用化まではもうしばらくかかるものの、今回の初フライトは大きな一歩。スタッフが初フライトを緊張した面持ちで見守り、抱き合って成功を喜ぶ様子が収められたビデオはこちらから閲覧できる。
Lilium
(文・Mizoguchi)