同コンペの決勝戦は30時間かけておこなわれ、勝ち残った2チームが実物3分の1スケールで居住を3Dプリントした。
最終勝者は宇宙建築のスタートアップ、AI SpaceFactoryで、優勝賞金50万ドル(約5500万円)を獲得したようだ。
・ロボットが自動で家を3Dプリント
火星の居住スペースを3Dプリントするには、ロボットアームが一定パターンで動いて、素材の層を積み重ねていく。ファイナリストの2チーム、AI SpaceFactoryとペンシルベニア州立大学の建てた住居は見た目そっくりだ。土台も型もなしにいきなり素材を積み重ねていく両チームの建築手法では、下層が上層を支えるために65度までの角度でが保たれる。
素材に関しては違いが見られ、AI SpaceFactoryは玄武岩から成る複合材料とデンプン由来のバイオプラスチックを使用。ペンシルベニア州立大学のチームはセメントを使用した。
・AI SpaceFactoryの住居は地球でも重宝する
極力人手を介さず建築できて、火星や月面にある材料が利用できること。そして耐久性があることなどが評価基準となったようで、両チームとも一部人手を借りる場面があったものの過程の大部分で、AIがズレを自動修正してロボットが作業したようだ。評価の詳細については公表されなかったようだが、AI SpaceFactoryに関しては素材がリサイクル可能で強度があるものだったことが勝因に寄与した可能性がある。
同素材を活用すれば、鉄鋼やセメントの製造過程での二酸化炭素排出を抑えることにもつながり、地球上での活用も期待できるだろう。
実際、AI SpaceFactoryは、地球上で住居を3Dプリントし、Airbnbで貸し出すことを計画しているようだ。
参照元:AI SpaceFactory Wins NASA's 3D-Printed Extraterrestrial Habitats Challenge/IEEE Spectrum