・新開発のバイオプリンティングで生体適合性ゲルを印刷
チームはライス大学のJordan・Miller氏とワシントン大学のKelly・Stevens 氏を中心に結成された。2人をメインにデューク大学、ローワン大学、およびマサチューセッツ州サマービルのデザイン会社Nervous Systemから15人の共同研究者が参加している。研究結果は5月3日発売のScienceに掲載。同号の表紙も飾った。・特殊な技術を採用
今回の課題に取り組むためにチームは、ステレオリソグラフィ装置(SLATE)と呼ばれる新しいオープンソースバイオプリンティング技術を開発。生細胞からなる液体のプレヒドロゲル溶液を印刷し、それを青い光にさらすことによって各層を硬化させるというもの。このシステムを用いれば、複雑な内部構造を持つ軟質水性ベースの生体適合性ゲルを、ほんの数分で製造することができる。印刷された組織は一時肝細胞に載せた後、慢性肝障害のマウスに移植。着床後も無事に機能している。
・すべてのファイルを公開
研究で使用したヒドロゲルのプリンティング技術は3Dプリンティングのオープンソースで公開。ステレオリソグラフィ印刷装置を構築するのに必要なすべてのデザインファイルが利用可能となっている。この新しいバイオプリンティングシステムは、流体を一方向にしか流れないようにする二尖弁のような血管内機能も作り出すことができるという。チームは近い将来あらゆる肺疾患の治療に適用されるよう、今後も鋭意研究を続けていく所存だ。
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