アメリカ国防総省の顧問やシリコンバレーの指導者からなる委員会「Defense Innovation Board」 が発行した4月のレポートによれば、アメリカが5Gインフラやサービスの主要プレイヤーになれる可能性は今のところ低いとのこと。替わって先導的な役割を果たすのは中国だ。
・2020年までに商用5Gネットワークを確立
中国は5Gの導入に過去5年間で1800億ドル(約20兆円)の設備投資をおこなっており、約35万基の5G対応基地局を設置している。対してアメリカでの基地局設置は進んでおらず、中国に10倍近く差をつけられている状況だ。また中国は、2020年までに商用5Gネットワークを確立することを計画していて、2025年を目標とするアメリカやその他競合よりも数年先を行っている。
さらに中国の通信大手Huaweiは、すでに7万基の基地局を中国以外の海外で受注済み。ヨーロッパ、中東、アジア、アフリカで5G機器販売の契約を推し進める。
・イギリスは5Gインフラの一部にHuaweiを採用
最大級のゲームチェンジャーとなり得る5G領域で中国が覇権を握ることへの懸念はあり、Huaweiがアメリカを中心とした海外市場から締め出しを食らっているのはご存知だろう。ただ、建前となっているセキュリティリスクに関しての裏付けはまだ見つかっていない。そんななかイギリスの国家安全保障理事会は、Huaweiが5Gインフラの一部を構築することに同意。同国の5Gネットワークの構築にHuaweiを採用する方向に向かっている。
イギリスのこうした動きは、同じくアメリカからのHuawei排除要請で揺れるヨーロッパ諸国への影響は大きいだろう。
参照元:How the U.S. Can Prepare to Live in China’s 5G World/IEEE Spectrum
Huawei reportedly gets nod to help build British 5G network/ChinaDaily